もう悩まない!お悔やみの言葉と伝え方のマナー

故人との別れを惜しみ、残された方へ慰めの気持ちを表すのがお悔やみです。この記事では、お悔やみの基礎知識と葬儀に参列できない場合の対応、喪中はがきを受け取ったときのマナーについてご紹介します。

目次

知っておくべき「お悔やみの言葉」のマナー

お悔やみは、通夜や葬儀の場で弔いの気持ちを表現するものです。お葬式というデリケートな場面では、故人やご遺族に失礼のないように振る舞いたいもの。いざというときのために、お悔やみの伝え方と注意点を押さえておきましょう。

お悔やみのマナー

お悔やみの言葉は、受付で香典を渡すときに伝えます。通夜や葬儀の受付はご遺族でなく、代理の方が務めることが多いものですが、ご遺族に直接お悔やみを述べなくても問題はありません。焼香の際に黙礼するだけでも、弔意は充分に伝わります。

ご遺族に直接お悔やみを伝えるときは、短い言葉で簡潔にまとめるのがマナーです。声のトーンは控えめにし、哀悼の気持ちを伝えましょう。長々と話したり、悲しみを深めたりするような言葉がけはご遺族の負担になることがあるため、控えましょう。

死因や、亡くなったときの状況を尋ねるのは控えましょう。病気や事故など、死因が分かっている場合でも口にしないように注意が必要です。

基本のお悔やみ

お悔やみの言葉は、「このたびはご愁傷様です」「心からお悔やみ申し上げます」などが一般的です。「ご愁傷様です」は、主にご遺族との会話の中で使うお悔やみで、弔電の文章には使われません。一方、「お悔やみ申し上げます」は、ご遺族との会話、弔電のどちらにも使える言葉です。
「哀悼の意」という言葉は弔電ではよく使われますが、話し言葉ではないため、遺族に直接お悔やみを述べるときにはふさわしくありません。

キリスト教の場合、死は「神のもとに召される」ことを意味し、神から祝福を受けます。お悔やみというよりも「安らかなお眠りをお祈りいたします」と伝えるのがよいでしょう。

葬儀に行けない場合|お悔やみの言葉の伝え方

事情があって葬儀に参列できないこともあります。ここでは、葬儀に行けないときの弔意の表し方についてご紹介します。

弔電を送る

訃報を受け、通夜や葬儀に参列できないと分かったら、取り急ぎ弔電を手配しましょう。弔電は通夜や葬儀の開始時間に間に合うように送るのがマナーです。葬儀中に読み上げられることを考えると、遅くとも葬儀開始の1時間前までには届くようにしておきたいものです。
弔電の宛名は喪主、宛先は斎場とするのが一般的です。差出人名には、ご遺族が見たときに故人との関係が分かりやすいよう、会社名や学校名、肩書きなどを書き添えましょう。

故人との関係によっては、弔電だけでなく香典も送りましょう。香典は現金書留で送るほか、代理の方にお願いして、通夜や葬儀の場で直接渡してもらってもよいでしょう。
現金書留で香典を送る場合は、現金をそのまま入れるのではなく、不祝儀袋に入れたうえで現金書留専用の封筒に入れます。

供花や供物を送る

通夜や葬儀に参列できないときの弔意の表し方として、供花や供物を送る方法もあります。但し、供花や供物を送るときは、事前にご遺族の了承を得る必要があります。供花や供物は、宗教や宗派、地域の慣習によって内容が異なるためです。

また、葬儀社によっては、他店で購入した供花は利用できない場合もあります。故人の遺志で供花や供物を辞退されることもあるので、必ず事前にご遺族に確認しましょう。

お悔やみが遅れた時は

葬儀の後で訃報を知ったときは、お悔やみの手紙を送るとよいでしょう。現金書留に同封して、香典と一緒に送ることもできます。一般的には、お悔やみの手紙は初七日までに出すのがマナーとされていますが、初七日を過ぎてから訃報を知ったときは、できるだけ早く手配しましょう。

お悔やみの手紙は、「拝啓」「謹啓」などの頭語をつけず、時候の挨拶も書きません。お悔やみの言葉に続いて、弔問に伺えないことと、お悔やみを伝えるのが遅れたことへのお詫びを書きましょう。詳細な理由を書く必要はありません。最後に、ご遺族へのいたわりの言葉を添えるとよいでしょう。

喪中はがきで訃報を知った場合|お悔やみの言葉の伝え方

喪中はがきを受け取ったとき、どう対応すればいいか悩む方も多いのではないでしょうか。喪中はがきの返信マナーについてご紹介します。

喪中はがきの返信には「喪中見舞い」または「寒中見舞い」

喪中はがきは、正式には「年賀欠礼状」といいます。これは、喪に服しているため新年の挨拶を控えることを詫びるものです。喪中はがきの返事としては、「喪中見舞い」または「寒中見舞い」を送るのが一般的です。

喪中見舞いを送る時期は特に決まっていない

寒中見舞いは、出す時期が「松の内が明けてから立春までの間」と決まっています。松の内は、東日本・北日本では1月7日までを指し、西日本では1月15日までと地域によって違いがあります。一方、喪中見舞いは、送る時期が特に決まっていません。

喪中はがきの返信として、寒中見舞いでは年をまたいでしまいます。もっと早くお悔やみの気持ちを伝えたいのであれば、「喪中見舞い」を送るのがよいでしょう。

喪中見舞いの書き方のポイント

喪中見舞いのはがきは華やかなものを避け、白かグレー、ブルーなどの落ち着いたデザインを選びましょう。切手は弔事用切手(弔事用63円普通切手・花文様)を使うとよいでしょう。弔事用切手は喪中見舞いだけでなく、喪中はがきやお悔やみの手紙など、弔事全般に使えます。

喪中見舞いはがきの書き方のマナーとしては、忌み言葉を使わないよう注意が必要です。また、悲しむ気持ちを否定するようなアドバイスや励ましの言葉は避けましょう。

具体的な書き方として、まず「喪中お見舞い申し上げます」などの題字を書きます。不幸を知らなかった場合はお詫びの言葉も入れましょう。続いてお悔やみの言葉を書きます。最後に、ご遺族の身体を気遣うメッセージを添えるとよいでしょう。

喪中見舞いはがきと一緒に、香典などを送っても失礼にはあたりません。香典のほか、線香やお茶、プリザーブドフラワーなどの品物を送る方も多いようです。

お悔やみの言葉の注意点

忌み言葉について

葬儀の際、使うのがタブーとされている言葉を「忌み言葉(いみことば)」といいます。一般的な忌み言葉として「重ね言葉」「不幸を連想させる言葉」があげられます。不幸が重なることを思わせるような言葉や、不吉な言葉は避けましょう。

■重ね言葉・・・ますます、たびたび、しばしば、いよいよ、重ね重ね、返す返す など

■不幸(が続くこと)を連想させる言葉・・・再び、追って、続いて、浮かばれない、苦しむ、迷う など

また、生死に関する言葉は直接的な表現をせず、他の言葉に言い換えます。
「死亡」「死ぬ」などは「ご逝去」、「急死」などは「突然のご不幸」、「生前」は「お元気なころ」などと表しましょう。

「ご冥福をお祈りいたします」というお悔やみもよく使われますが、宗教や宗派によっては避けた方がいい場合もあります。「冥福」は、いくつかの仏教宗派での故人の死後の幸福を表す言葉です。キリスト教や神道、浄土真宗では使いません。

お悔やみは心をこめて

お悔やみの言葉や伝え方のマナーを難しく感じる部分もあるかもしれませんが、心を尽くして対応すれば大丈夫。大切なのは、故人を悼みご遺族を思いやる「気持ち」です。ご遺族の悲しみに寄り添い、心を込めてお悔やみを伝えましょう。