遺髪が入るペンダントについて。寂しいときも身近に感じられるように

わたしのお葬式
遺髪が入るペンダントについて。寂しいときも身近に感じられるように

この記事はこんな方にオススメです

故人の生きた証を手元に残したい
遺髪を入れるペンダントとは、故人の遺髪を入れて大切に保管する手元供養品の1種です。ペンダント仕様の遺髪入れは、自然に身に着けられ、故人をいつも身近に感じられると注目されています。この記事では、遺髪を入れるペンダントの種類やお手入れ方法、選ぶときのポイントなどを紹介します。

遺髪を入れるペンダントとは

遺髪を大切な人の形見として手元に残す習慣は、古くからおこなわれていました。まずは、遺髪が形見とされてきた歴史や、遺髪を入れるペンダントの概要をお伝えします。

遺髪は昔から大事にされた

故人の髪である遺髪は、遺骨と並んで形見として残されるものの1つです。遺髪を形見としてきた歴史は長きにわたります。ある寺院からは将軍の遺髪が見つかるなど、古い時代から大切なものとして扱っていたことがわかります。その他、戦時中で戦死した仲間の遺骨を持って帰れないときには、代わりに遺髪を持ち帰るなど、故人の形見として考えられていました。また、この遺髪を大切にする習慣は、日本だけではなく海外でも見られます。

遺髪は遺族や葬儀社(納棺師)が切る

遺髪は、葬儀社に切ってもらうことが一般的です。どのタイミングで切るという決まりはありませんが、故人が洗い清められた後の納棺時が多いようです。遺髪は必ず切ってもらえるものではなく、基本的には遺族が希望を出す必要があります。遺髪を手元に残したいと思ったら、納棺までに葬儀社の担当者にお願いしましょう。納棺師がいれば、相談してみるのもいいですね。

遺髪は遺骨とは違い、火葬後には燃え尽きてしまって形が残らないものなので、遺髪を切ってもらうかどうかは、早めに考えておく必要があります。

ハサミを入れてもらった後に、手元に残る遺髪をどうするかという決まったルールはありません。お寺に奉納する、自宅で大切に保管するなど、その供養方法はさまざま。これから紹介するようにアクセサリーとして身に着けるのも良いでしょう。遺族が最良と思える方法を選びます。

遺髪ペンダントは手元供養の1つ

手元供養とは、自宅で遺骨や遺灰を保管して供養すること。亡くなった後も故人をより身近に感じたいときに選ばれる供養方法の1つです。元SMAPの中居正広さんがジャニー喜多川さんの遺骨を手元供養として持っているという話でも有名になりました。

遺髪を入れて大切に持ち歩くペンダントも、手元供養に含まれます。「故人をいつもそばに感じていたいけれど、部屋に骨壺を置く場所がない。」「分骨はしたくないが、故人の形見となるものを残しておきたい。」などの理由で、遺髪を手元に残す人がいます。

遺髪を故人の形見として持つのは基本的に遺族ですが、遺族の了承を得られれば、深い仲であった友人などが形見として受け取っても問題ありません。折を見て遺髪を分けてもらえないか相談してみてはいかがでしょうか。

手元に残して供養すると決めた遺髪は、保管する際に注意が必要です。遺髪は直射日光に弱く、紫外線によって退色する他、劣化して切れやすくなります。また、湿気も大敵。雑菌が繁殖したり、カビが発生したりする可能性があります。その点、直射日光が当たらず密閉できる小さなボトル状のペンダントは、最適な保管場所と言えるでしょう。

遺髪を入れるペンダントの価格や購入先

遺髪を入れるペンダントのトップ部分には、中が空洞になった小さなポケットがあり、そこに遺髪などを納めます。見た目はそれとわからないほど自然なデザインが豊富に販売されているので、お気に入りのものが見つかるでしょう。手元供養品を取り扱っている実店舗やネットショップで購入が可能です。

ただし、遺髪入れ専用のペンダントとして販売されているものは少なく、「遺骨ペンダント」や「メモリアルペンダント」として販売されているもので代用している人が多いようです。中に入れるのが遺髪でも問題ないものがほとんどですが、遺髪を入れて大丈夫か、念のため購入先に確認しておくと安心です。ペンダントの価格は素材によって異なります。数千円と手軽なものから、上質な貴金属を使用した数万円のものまで、価格帯に幅があります。

購入後、ペンダントに遺髪を入れる作業は基本的に自身でおこないます。容量はデザインによって異なりますが、米粒半粒から1粒程度が目安。遺髪をペンダントに入れるのも供養の1つと考え、故人を偲びながら作業してください。

遺髪を入れるペンダントを選ぶときのポイント

遺髪を入れるペンダントは素材やデザインが豊富。故人のイメージに合ったものを探すのも素敵ですし、お手入れなども含めて自分が管理しやすいものを選ぶのも良いでしょう。ここでは遺髪を入れるペンダントを選ぶときのポイントを紹介します。

素材で選ぶ

チタンやステンレス、シルバー、ゴールド 、プラチナなど、ペンダントに使われている素材はさまざま。チタン製やステンレス製は、金属アレルギーが起こりにくく重量が軽いため、身に着けやすいのが魅力です。また、シルバー製のものは、デザインが豊富でリーズナブルな価格で購入できるのがポイント。ゴールド製やプラチナ製は、上品で高級感があります。その他パールやダイヤモンドなど、故人の誕生石がほどこされたものも、より愛着が湧きそうですね。

デザインで選ぶ

遺髪を入れるペンダントには、ドロップ型やハート型、ラウンド型などさまざまな形があり、デザイン性にも富んでいます。イニシャルの刻印や、思い出の指輪を遺髪入れペンダントに作り直すオーダーメイドなど、自分好みが叶えられるサービスも人気です。

また、ペンダントのデザインを普段のファッションから考えて選ぶのも良い方法でしょう。肌身離さず身に着けたいならば、オンとオフどちらのスタイルにも合わせやすいシンプルなデザインがおすすめです。

お手入れのしやすさで選ぶ

遺髪や遺骨を入れるペンダントのお手入れ方法は、素材によって違いがあります。チタンやステンレスといった素材のペンダントは、錆びたり変色したりといった劣化がほとんどないため、特別なお手入れの必要はありません。表面の汚れが気になるときは、乾いたやわらかな布で優しく拭くなど、一般的なお手入れで十分です。

シルバー素材は酸化による変色を起こしやすいため、シルバー専用の磨き布を使用した定期的なお手入れが必要です。磨き過ぎによる傷の付着に注意して、優しく拭いてください。

ゴールドやプラチナは上質な素材ですが、年月が経つと曇りなどが出ることもあります。定期的にジュエリー用の磨き布で優しく拭いてお手入れします。

どの素材にも共通して言えるのが、ジュエリー用の洗浄液などを使用しないこと。遺髪入れペンダントの隙間からポケット内に液が入り込む可能性がありますので、洗浄液に浸さないようにしましょう。同じ理由で水洗いも避けます。長く大切にしたいならば、チェーンなどの細かい部分の丁寧なお手入れも大切です。

ペンダント以外の遺髪入れアクセサリー

手元供養品としての遺髪入れアクセサリーは種類が豊富。ペンダント以外のアクセサリーにも、それぞれ魅力があります。こちらでは、その他の遺髪入れアクセサリーを紹介します。

指輪

手元供養のアクセサリーとして、ペンダントと同様に人気を集める指輪。樹脂を注入して密閉する完全防水タイプであれば、入浴時なども含めて常に身に着けられます。デザイン性が高いものが多く、ファッションにさりげなく取り入れたい人向きです。

ブレスレット

チェーンやバングルなど、ブレスレットのタイプもさまざま。好きな長さや太さのものを選べることから、女性だけでなく男性にも人気です。指輪と同様、手元に身に着けるアクセサリーは自身の目にも入りやすく、見る度に大切な人を想うことができます。

ブローチ・キーホルダー

肌に直接着けるペンダントや指輪などと異なり、服の上から身に着けられるので、金属アレルギーの人でも安心して使用できます。また、ブローチはポケットの容量が大きいのも魅力です。デザインによっては、指輪やペンダントよりも多くの遺髪・遺毛・遺羽を入れられるものがあります。

キーホルダーもブローチと同じ理由で支持されているアイテム。アクセサリーよりも気軽に身に着けられるので、ペットの遺髪入れにする人もいるようです。

故人といつまでも一緒に

遺髪の入ったペンダントは、亡き愛する人をいつもそばに感じていたい、という願いを叶えてくれるアイテムです。お気に入りのデザインであれば、身に着ける度に故人との思い出がよみがえり、力がわいてきそうですね。