家族葬の供花は親族なら贈るべき?贈る場合の相場とマナーも

お葬式のマナー・基礎知識
家族葬の供花は親族なら贈るべき?贈る場合の相場とマナーも

この記事はこんな方にオススメです

家族葬に供花を贈っていいか迷っている
家族葬で供花を贈る時のマナーが知りたい
供花とは葬儀で祭壇や式場の周りに飾られるお花です。家族葬では供花を贈って良いものか、親族が贈る決まりがあるのか、と悩む人もいるのではないでしょうか。本記事では家族葬に供花を贈る判断基準と、贈る場合はどんな種類のお花にすべきか、相場や贈り方のマナーを交えて分かりやすくお伝えします。

家族葬に供花を贈っても良い

家族葬に供花を贈ることはよくあります。事前に家族葬の案内があり、遺族がお花を辞退していなければ葬儀場に贈って差し支えありません。家族葬の供花を贈ってよいかの判断に悩む人へ、供花はいつ誰が何のために贈るものかをお伝えします。

供花(きょうか・くげ)とは

祭壇や斎場を彩っているお花を「供花」と言います。故人に対する弔意や供養のために葬儀場へ贈ります。また招待を受けても参列できない場合に贈ることもあります。家族葬で贈る供花は、スタンドやかごにアレンジされたものが多いです。

家族葬の供花は親族が贈るべきか

家族葬では葬儀に参列する子どもや親族など近しい人が供花を贈ります。喪主が用意する「喪主花」もあります。ただし供花は友人、知人、会社関係者、町内会など誰が贈っても構いません。親族が贈るという義務はありませんが、喪主に頼まれたり、親戚間で示し合わせたりして贈ることが多いです。
〈子どもや孫が贈る場合〉
子どもたちは兄弟姉妹がそれぞれ1基ずつ供花を贈ったり、兄弟姉妹などが共同で2基1対を贈ったりします。孫たちが皆で贈る「孫一同」もよく見られます。

〈親族が贈る場合〉
親族は家ごとや親戚同士でいくつかの供花を出します。会場の大きさや祭壇の雰囲気にも合うように、葬儀社と相談しながら決めると良いです。また、「親戚一同」とした場合、兄弟姉妹、子どもは含みますが、遺族は含まれないことが多いです。

〈会社関連が贈る場合〉
家族葬では、会社関連からの供花は辞退する例が見られます。遺族の意向を確認するために葬儀社に相談してみるとよいでしょう。

家族葬でのお花の種類

家族葬では供花を贈るのが一般的ですが、ほかにも葬儀に使用するお花には複数の種類があります。供花と間違えやすい献花など、家族葬で用いられるお花の種類やマナーについて紹介します。

献花(けんか)

お葬式で霊前や神前に供えるお花を献花と言い、キリスト教や無宗教形式での家族葬でよく使われます。

式中、故人の祭壇(献花台)にお花をひとり1本ずつお供えするもので、仏式葬儀の焼香に代わるものとされています。一般的にはカーネーションや菊などの淡い色で茎の長い花が用いられることが多いですが、故人の好きだったお花を使う場合もあります。

献花は葬儀などで用いられる他のお花とは違い、葬儀をおこなう喪家が用意するものです。そのため、参列者が献花を持参したり、贈ったりすることはありません。

枕花(まくらばな)

枕花は、故人との関係が深い人によって贈られる、通夜の際に故人の枕元に飾られる花のことです。
花の色などに決まりはありませんが、赤など葬儀にふさわしくない派手な色は避けるようにします。

枕花の形状は、盛花や花籠などのフラワーアレンジメントを選ぶのが一般的です。大きすぎないサイズの花を選びます。通夜までに届くよう手配する必要がありますが、あまり早く届きすぎてしまうのも困りものです。相手の気持ちを慮りましょう。

花輪(はなわ)

生花や造花を組み合わせて作る輪の形の花飾りで、打ち上げ花火のように丸くて大きいのが特徴です。主に造花が使われ、花の色は白や黄色、青などが一般的です。

家族葬などの小規模の葬儀の場合は、花輪を飾る場所が確保できないこともあります。事前の確認がおすすめです。

家族葬で供花を贈るときのマナー

家族葬で供花を贈る際には、気を付けなければいけないことがいくつかあります。ここでは、家族葬で供花を贈る際のマナーを紹介します。

供花を辞退していないか確認する

親族や参列者に不必要な負担をかけたくない。家族葬をおこなうケースでは、裏側にそんな故人や遺族の想いが宿っていることが多くあります。供花を贈る前には、あらかじめ供花を辞退していないかどうか確認しておくことが大切です。喪家の意向を知るためとはいえ、喪家に直接相談するのは控えましょう。喪家の親族や親しい知人や友人、もしくは葬儀を取り仕切っている葬儀社に相談するのがおすすめです。

相手の宗教に合わせてお花を選ぶ

供花を選ぶ際は相手の宗教や式場のイメージに合わせるようにします。仏教と神道は基本的に同じで、白色など淡い色の生花がよく使われます。関西方面などでは、樒(しきみ)を供花として贈る場合があります。

キリスト教ではカーネーションや胡蝶蘭などピンクや白の洋花が中心です。和花の菊を選ばないように注意しましょう。

式場や祭壇は遺族の希望などを取り入れて作られるので、全体のイメージを壊さないようなお花を選ぶのがマナー違反にならないポイントです。

連名での供花は故人との関係性を葬儀社に伝える

家族葬に合同で供花を贈る場合は、故人との関係性を必ず葬儀担当者に伝えるのがマナーです。これは故人との関係性によって祭壇周りで供花を飾る位置が異なるためです。通常、血縁関係の濃い順番に、子ども、親族、友人、会社関係者などと並びます。

「子ども一同」「親族一同」「友人一同」のように連名で供花を出す場合は、該当者に前もって相談の上、合計額と負担金額を伝えておきましょう。あとから費用面でのトラブルになることが防げます。

家族葬で供花を贈る手順

家族葬にどのような供花を選べばよいのかわからないという人もいるでしょう。ここでは供花の準備から手配までを解説していきます。

供花を贈るタイミング

家族葬に参列する人が供花を贈る場合は、通夜の前に贈るのが最適です。万が一、間に合わないようであれば、葬儀の開始前までには用意するようにしてください。

告別式にも間に合わないようであれば、後日喪主の自宅へ贈ります。
挨拶状などに供花のお断りが記載されていることもあります。その際は葬儀後であっても供花を贈るのは控えましょう。

供花の種類の選び方

供花には生花をお供えすることが一般的で、白色などの淡い色がよく使われます。仏教や神道形式の葬儀ならばユリや菊などの和花を中心に、キリスト教ならばカーネーションやデンファレなどの洋花を選ぶと間違いありません。最近の家族葬ではカラフルなお花も贈られています。プリザーブドフラワーでも構いません。

薔薇のようにトゲのある花はどの宗教宗派でも贈らないのが基本です。法要に贈られるイメージのある胡蝶蘭鉢植えも通夜葬儀にはおすすめできません。ご病気での入院している時のように、お悔やみごとが根付くと連想する人もいます。

家族葬でも小規模な葬儀の場合は小さめのサイズを選ぶなど、祭壇周辺への置きやすさも考慮します。

宛先や札名について

供花を贈る際には宛名と札名が必要です。宛名は故人名ではなく、喪主の名前を書きましょう。喪主の名前がわからない場合は、本家の名前を記入します。

札名は送り主を明記するものです。親族や孫、兄弟などの連名で贈る際には一同と記してください。会社として供花を贈る場合は代表者の名前を、社員同士が部署やチームごとにお金を出し合う場合は"一同"と記します。

供花の手配は葬儀社を通す

家族葬で供花を手配するにはまず葬儀社に相談します。葬儀会場や会館によっては指定の花屋さん、もしくは葬儀社からしか供花を受け付けていないケースがあるためです。葬儀社に依頼すると、葬儀の規模や会場の雰囲気にあったお花を用意してもらえます。

外部の花屋さんで手配した供花も受け付けているのであれば、会場近くの花屋さんやインターネットで用意しても構いません。

実際に注文する時には喪家名や注文者名を伝え、支払い方法を確認します。

家族葬での供花相場

家族葬の供花の相場は一般的な葬儀と相違ありません。供花の相場は花のボリュームや種類によって変わりますが、1基または1対(2基)で注文します。

一般的な供花の相場

スタンド供花で1基1万5千円~3万円が相場となります。1対の場合はその倍の価格となります。フラワーアレンジメントや花束なら5千円〜2万円程度です。ただし昨今の物価高でお花の価格も上昇傾向にあります。

家族葬では一般葬や社葬ほど大きな花を贈ることは少ないため、費用もその分低めに設定されることが多いです。また葬儀によっては統一感を出すために、お花に関しての条件がある場合があります。購入する前に確認しておくのが安心です。

家族葬のファミーユの供花の相場

家族葬のファミーユでも供花のご手配が可能です。葬儀のある式場を選択し、対応しているお花の中から適したものが選べます。家族葬のファミーユの供花の相場も全国と同じで1基1万5千円~3万円です。ただし、地域によってはお花や篭盛りを豪華に飾る慣習があるところもあり、例えば京都では1基7万5千円の供花もご用意しています。

家族葬のファミーユで供花を頼む >
※時期や市場性により金額が変わることがあります。

供花の代わりになるお花代

家族葬では供花を贈る代わりにお花代を渡すこともあります。通常の葬儀と変わらず、喪主や家族へ気持ちの分だけ金額を包みます。お花代の役割と贈り方は次の通りです。

お花代とは

葬儀で喪主や遺族へ香典の代わりに渡すお金のことをお花代と言います。直接お花を贈るのではなく、先方に供花や仏花など必要なお花を購入してもらうという意味を込めて現金を包みます。

お花代の相場

家族葬で用意するお花代の相場は、親族の場合では1万円~5万円、故人の友人や知人で5千円~1万円ほどになります。

お花代のマナー

お花代は必ず渡さなければいけないものではありません。喪主や遺族が供花や香典を辞退している場合は、お花代を包むことも控えるようにしましょう。

家族葬の供花でよくある質問

家族葬で、供花を実際に贈ろうとしたときに出てくる、よくある質問を紹介します。
Q
家族葬にお花を贈ってはいけない?
A
家族葬では葬儀に参列する親子・兄弟や親族などの身内が式場のイメージに合わせて供花を贈ります。葬儀に参列できない親族や友人、会社から弔意を込めて贈られる場合もあります。遺族が供花を辞退している時にはお花を贈らないようにします。遺族の意向が分からなければ、まずは葬儀社に確認しましょう。
Q
供花として渡す花は自由に選んでも良い?
A
葬儀場や祭壇を飾るお花は、その場に統一感を持たせていることがあります。そのため、遺族に確認をして供花を贈ってもよいということが確認できても、お花を自分の判断で自由に選ぶことで、会場の規模や雰囲気に合っていないお花を選ぶことになるかもしれません。

あらかじめ葬儀社に相談する事をおすすめします。
Q
供花が辞退された場合、香典は贈ってもよい?
A
供花を辞退されている場合の多くは、香典も辞退していることがあります。辞退している中で、香典を贈ってしまうと喪家にお返しの負担をかけさせてしまいます。

家族葬では、香典や供花・供物を辞退している場合が少なくないため、事前に確認することが大切です。

供花を贈るのは故人を偲ぶため

供花を贈る場合は故人の宗教などに配慮して、花の種類や贈るタイミングなどにも気を付けなければなりません。さらに家族葬の場合は、参列者に負担をかけたくないという故人や遺族の希望から、香典や供花を辞退している場合もあります。そのため、そもそも供花を贈ってよいのかどうかを先に確認しておくことが大切です。供花は故人を偲ぶために贈るもの。決して自分本位な贈り方にならないように注意が必要です。