家族葬のメリット・デメリット。知っておきたい注意点も紹介
ご家族の通夜・葬式準備
この記事はこんな方におすすめです
家族葬のメリットやデメリットを知りたい
家族葬の注意点を知りたい
家族葬とは故人と親しかった人たちでお見送りをする小規模な葬儀のことです。親しい人のみでとりおこなうため、葬儀の準備にかかる時間を省け、故人との最後のお別れの時をゆっくりと過ごせます。この記事では家族葬のメリット・デメリット、一般葬や密葬との違い、知っておきたい注意点などを紹介します。家族葬を検討する際の参考にしてください。
家族葬とは?一般葬や密葬との違い
家族葬のメリット・デメリットをお伝えする前に、まず家族葬とは何かを説明します。あわせて一般的なお葬式との違いや密葬との違いも紹介します。
家族葬とは近親者のみで故人とお別れをするお葬式
家族葬とは、家族や親族、親しい友人を中心としたお葬式のこと。家族葬という名称ですが、家族だけでおこなうわけではありません。
故人と親しい人たちだけなので、アットホームで自分たちらしいお葬式ができます。親しい人たちだけで静かに見送りたい場合や参列者が少ない場合は、家族葬が適しています。
家族葬と一般葬の違い
一般葬とは、故人と関わりがあった人や、遠い親戚や知人、仕事関係者まで広く招く昔ながらのお葬式のこと。コロナ禍以前は葬儀の中で一番選ばれていた形式で、特に人数に制限はありません。
一般葬は世間体や義理など社会的な人間関係が重視されるため、実は故人と面識がなくても葬儀に参列するケースなども少なくありませんでした。
一方、家族葬は故人と近しい人たちだけでおこないます。家族葬も人数に決まりはありませんが、30人程度までが一般的です。家族葬も一般葬と段取りは変わらず、家族葬の場合は、近しい人のみが集まるため受付の負担や参列者に対する過度な気苦労がいりません。
家族葬の定義や一般葬との違いをより詳しく知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
家族葬とは?定義や参列者の基準、一般葬との違いも解説
家族葬とは、故人と親しくしていた人のみでおこなう葬儀のこと。参列者の人数が少ないため「遺族の手間を軽減できる」「ゆっくり故人とお別れできる」といった利点があり、近年は家族葬を選ぶケースが増えています。そこで、この記事では家族葬の概要や参列者の基準、メリット・デメリット、一般葬との違いを解説します。
家族葬と密葬の違い
密葬とは近親者のみで簡単な葬儀をおこない、火葬も済ませる形式のことです。語源は「秘密の葬儀」からきていて、故人の死を公にしない葬儀スタイルです。近親者のみでお別れをするところは家族葬と同じですが、密葬の場合は訃報を伝える相手がほぼ身内に限られています。また、密葬では後日、お別れ会や社葬などの大勢の人を招く本葬をおこなうケースがあるところが異なります。
密葬と家族葬の違いを詳しく知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
密葬と家族葬の違いとは?密葬の流れと注意点を解説
近年、密葬という言葉を耳にすることが多くなりました。密葬は小規模での「秘密の葬儀」を意味しますが、同じように小規模な葬儀のイメージのある家族葬とは決定的な違いがあります。そこで、今回は密葬と家族葬の違いを踏まえた上で、あえて密葬を選ぶ理由や密葬の流れ、招待する参列者、注意点について詳しく紹介します。
その他、葬儀の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
葬儀の種類を比較|家族葬・直葬・一日葬などの特徴と違い
近年、葬儀の形式は故人や遺族の希望に合わせて多種多様になってきています。従来の仏式の葬儀やそれを簡略化したものが一般的ではありますが、宗教にこだわらない自由なスタイルを選ぶ人も珍しくありません。この記事では、主な葬儀形式の一覧と種類による違い、宗教別の葬儀の特徴、葬法の種類などを一挙に解説します。
選ばれる理由は?家族葬のメリット
家族葬が何か、が分かったところでメリットについて紹介します。家族葬のメリットは、親しい人でおこなえるので故人や遺族の意向を反映しやすく、自分たちらしい葬儀をおこなえる、故人とのお別れの時間がゆっくりと過ごせるなどです。
葬儀準備の負担を軽減できる
家族葬は近しい人たちでおこなうため、関係者の日程調整が少なく遺族の都合にあわせられます。一般葬では参列者数を予想し、返礼品などの準備が必要です。家族葬ならば参列者の人数を予め把握しやすく、数も少ないため、準備にかかる手間や時間を削減できます。葬儀の前に、大勢の人に訃報の連絡をしなくても良いので慌ただしさを軽減できるのもメリットです。
故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごせる
家族葬は参列者も限られるため、焼香などの時間も抑えられ、比較的余裕をもってお別れの時間を過ごせます。一般的な葬儀では、当日の対応も慌ただしく、葬儀終了までゆっくり故人と向き合う時間が取りにくい傾向です。弔問客への対応や事務的な作業が軽減される家族葬なら時間にゆとりが生まれ、故人と親しい人たちと思い出話をしたり、直接生前のお礼を伝えたりできます。
自分たちらしい葬儀をおこなえる
家族葬は親しい人たちでとりおこなうので、形式的なことは省略でき、自分たちらしい自由度の高い葬儀がおこなえます。故人の好きだった曲を流す、好物だったものを持ち寄るなど、故人が生前希望していた演出や遺族が望む送り方を叶えやすい傾向にあります。
さらに喪主がこれらの演出をして良いか迷ったときでも、少人数でおこなうので親族間の事前確認もしやすいでしょう。
<演出例>
- 音楽が好きな家族の場合:歌が大好きだった故人に歌謡曲をチェロで生演奏
- ゴルフが趣味だった故人の場合:大好きだったゴルフ場を楽しむ姿を再現。葬儀ホールに本人のパネルとともにゴルフボールやゴルフクラブなどを配置
その他のオーダーメイド葬儀については、下記を参考にしてください。
ファミーユのオリジナルプラン - 家族葬のファミーユ
オーダーメイドのオリジナルプランで執り行われた、ご葬儀エピソードをご紹介します。ご葬儀・お葬式なら「1日1組貸切ホール」の家族葬のファミーユ【公式】東証上場のきずなホールディングスのグループ会社です。ご家族によりそい葬儀後までしっかりサポートします。
心得ておくべきポイントは?家族葬のデメリット
少人数でおこなうことはメリットがある一方、招く人の範囲は決まっていないために選別が難しく、訃報を知らせていないことでトラブルになるケースもあります。家族葬を選んで後悔しないためにデメリットも確認しておいてください。
家族葬に招く人の選定が難しい
家族葬では招く人が限られるため、訃報を誰に伝えれば良いかの選定が難しい傾向があります。連絡がなかったと苦言を呈されたり、トラブルになったりする場合も。「故人が最後に会いたい人」かどうかで参列者を決めるのもひとつの目安です。終活の一環として事前に家系図を整理しておくと選定しやすくなるでしょう。
家族葬に呼ぶ人の範囲については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
家族葬に呼ぶ人はどこまでの範囲?決める基準とトラブルを防ぐコツ - 家族葬のファミーユ【Coeurlien】
家族葬は名称にこそ“家族”とついていますが、どこまで呼ぶのか範囲に明確な決まりはありません。だからこそ、誰を呼ぶべきか迷ってしまうことが多いのも実情です。そこで今回は、家族葬に呼ぶ範囲の決め方や連絡方法、呼ばない人とのトラブルを防ぐコツなどを紹介します。
親族の理解が得られない場合がある
親族の中に伝統やしきたりを重んじる人がいる場合、家族葬という葬儀スタイルへの理解を得られないことがあります。招かない親族だけではなく、出席する親族にも訃報とともに家族葬であることを伝え、故人の意向や喪主の考えを理解してもらうことが大切です。
家族葬後、自宅への弔問客が多い
葬儀後に訃報を知った人への対応が必要になるケースもあります。一般葬では葬儀挨拶を通じて、故人と関係があった人に広く、故人の死去に至る経緯や参列のお礼を伝えられますが、家族葬では限られた参列者のみです。
葬儀に参列できなかった人が故人とのお別れのため、お線香をあげたいと自宅を訪ねてくることも。自宅への弔問は一人ひとりが個別で訪れるものであり、その都度対応が必要です。葬儀後までおもてなしの時間や費用が発生し、心理的な負担にもなります。
その他、家族葬のトラブル事例についてはこちらの記事でも紹介しています。
家族葬 8つのトラブル事例。親戚・近所との揉め事を防ぐ対策も
家族葬は身近な人で執りおこなうため、故人とゆっくりお別れできますが、呼ぶ範囲や金銭面などでトラブルが生じることがあります。しかし、事前に対策を講じておくことで、親戚やご近所、菩提寺(ぼだいじ)との関係性悪化、金銭トラブルを防ぐことは可能です。今回は家族葬のトラブル事例と対策方法を紹介します。
家族葬をおこなう際の注意点
メリットやデメリットを踏まえた上で、家族葬をおこなう際の注意点を紹介します。親族間でしっかりと話し合い、ルールを設けることでトラブルを回避できるでしょう。
遺族で家族葬について話し合う
家族葬への理解を得るため、親族間でしっかりと話し合うことが大切です。葬儀は故人と最後のお別れをする場であるため、やり直しはできません。親族の理解を得て、故人を見送ることで心残りがない葬儀をおこなえるでしょう。
しかし、なかには家族葬に反対する親族がいるかもしれません。親族が家族葬に反対する主な理由は以下の通りです。
<親族が家族葬を反対する主な理由>
- 葬儀の伝統やしきたりを大事にしたいから
- 参列したかった人から不満が生じる可能性があるから
- 故人は家族葬を望んでいないと思うから など
故人の意志や家族葬をおこなう理由を丁寧に説明し、理解を得るように努めるのが大切です。
葬儀前は近親者だけに訃報の連絡をする
訃報を知ると葬儀に参列しなければいけないと考える人もいます。ですから葬儀前は、故人が特に親しかった人で参列をお願いする人のみに訃報を知らせます。ただし、後から訃報を知ることでトラブルになるのを防ぐため、親族にはなるべく連絡を入れてください。連絡を入れる親族は故人の両親や、子ども、祖父母、孫、兄弟といった2親等以内が目安です。
職場には迅速に連絡を入れる
家族葬でも職場への連絡自体は必要です。故人が会社や団体に所属していた場合は、退職手続きをする必要があります。喪主や遺族の場合も、忌引休暇の関係から職場に訃報を連絡します。
連絡する際に家族葬であることを伝え、葬儀日や会場は内密にしてもらうと良いでしょう。職場の人が対応に悩まないように、弔問やお香典、供物を辞退する意向なら、その旨も必ず伝えます。
家族葬とは知らずに、葬儀に来た人の対応を決めておく
家族葬とは知らず、訃報を耳にした近所の人や会社関係者が葬儀場に来る場合もあるので、対応を決めておくと安心です。対応例を紹介します。
<対応例>
- 親しい人のみで執りおこなっている意向を伝え、葬儀の前にお線香をあげてもらう
- 家族葬の主旨を説明し、ご理解をいただく など
基本的には、わざわざお越しになった場合は弔問していただくのが良いです。
訃報を伝えていない人には挨拶状を送る
訃報を伝えていない人には、49日法要の後に葬儀をおこなった旨を知らせる挨拶文を送ります。家族葬をおこなった時期や、知らせる人との関係によっては、年末の喪中はがきを利用します。
訃報を知ったタイミングで、自宅への弔問や墓参りを申し出る人がいるかもしれません。その後の対応が多くなりますが、故人を偲ぶ気持ちにはできるだけ応えた方が良いでしょう。
香典を受け取るのかどうか、ルールを設ける
家族葬の場合、香典を辞退するケースもあります。香典を受け取るのか、辞退するのかのルールを設けておくと安心です。対応については、家族葬ということで、身内および近しい方々が集まるので、あくまで平等にした方が良いでしょう。もし香典を辞退する場合は、訃報とともに辞退する意向を伝えます。
ただし、香典とはあくまで「先方の弔意」と考え、家族側から辞退しない方がトラブルを避けることができる場合があります。
香典の辞退を伝えた上でも、過去に自分の葬儀の際に香典を頂いている場合などは、香典を渡したいと思うかもしれません。もし相手の弔意を尊重し受け取る際には、他の参列者とのトラブルを避けるために、別部屋で話すなどTPOをわきまえる必要があります。
また、ありがたく厚意を受け取った場合は、後日お礼状とともに返礼品を送ります。
また、ありがたく厚意を受け取った場合は、後日お礼状とともに返礼品を送ります。
メリットやデメリットを知り、家族葬を検討してみよう
親しい人のみの小規模でおこなう家族葬は準備の時間などが省け、故人との最後のお別れの時間をゆっくりと過ごせるのがメリットです。その一方、招く範囲に決まりがないため訃報を知らせる人の選別が難しく、トラブルが生じる可能性もあります。家族葬をおこなう際は親族でよく話し合い、訃報を知らせる人などを決めていくと良いでしょう。
監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史
家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了