「最期まで楽しむ」宮本亞門さん×鹿賀丈史さん~日々摘花 スペシャルインタビュー~
コラム

この記事はこんな方におススメです
大切な方を亡くされた方、喪失の不安を抱える方
終活や人生のリスタートを考えている方
地域や社会に貢献・支援したい方
演出家・宮本亞門さんと俳優・鹿賀丈史さんによる豪華なインタビューが実現しました。ともに幾度となく大切な人との永遠の別れを経験し、舞台の上で“生きる”ことを表現してきたおふたり。それぞれに死との向き合い方や毎日を大切に生きるために心がけていることをうかがいました。
7月11日には宮本さんがメガホンを取り鹿賀さんが主演を務めるショートフィルムに、被災地ドキュメンタリーを併映にした『生きがい/能登の声』が全国公開されます。北陸能登震災を契機に、妻を亡くして孤独な中で被災した男が再生の道を歩む。話題の復興支援映画についてもご紹介します。
7月11日には宮本さんがメガホンを取り鹿賀さんが主演を務めるショートフィルムに、被災地ドキュメンタリーを併映にした『生きがい/能登の声』が全国公開されます。北陸能登震災を契機に、妻を亡くして孤独な中で被災した男が再生の道を歩む。話題の復興支援映画についてもご紹介します。
人は必ず、大切な人との別れを経験します。その深い悲しみと、そこから生まれる優しさを胸に、“今日という日の花を摘む”ように、毎日を大切に生きてゆく……。「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々が自らのお別れの体験と死生観を語る、家族葬のファミーユによるインタビュー企画です。ファミーユは今年で25周年、ウェブマガジン「Coeurlien(クリアン)」も今年で5周年を迎えました。これまで私たちを支えてくださった皆さまへ感謝の気持ちを込めて、また、地域の復興支援をおこなう本作への共感と応援も交えたインタビューです。
「鹿賀丈史の兄でよかった」
俳優/鹿賀丈史(かが・たけし)さん
1950年10月12日生まれ、石川県出身。1972年、「劇団四季」に入団。「ジーザス・クライスト・スーパースター」で主演し、人気を博す。退団後は、舞台、映画、テレビドラマなど幅広く活躍。主な出演作に、ドラマ『徳川家康』『翔ぶが如く』『振り返れば奴がいる』『世にも奇妙な物語』など、舞台「レ・ミゼラブル」「ジキル&ハイド」「生きる」など多数。人気バラエティ番組『料理の鉄人』の名司会ぶりも話題に。2025年8・9月上演予定のミュージカル「ある男」では小見浦憲男/小菅を演じる。
1950年10月12日生まれ、石川県出身。1972年、「劇団四季」に入団。「ジーザス・クライスト・スーパースター」で主演し、人気を博す。退団後は、舞台、映画、テレビドラマなど幅広く活躍。主な出演作に、ドラマ『徳川家康』『翔ぶが如く』『振り返れば奴がいる』『世にも奇妙な物語』など、舞台「レ・ミゼラブル」「ジキル&ハイド」「生きる」など多数。人気バラエティ番組『料理の鉄人』の名司会ぶりも話題に。2025年8・9月上演予定のミュージカル「ある男」では小見浦憲男/小菅を演じる。
――これまでで最も印象深い大切な方との「永遠の別れ」について教えていただけますか。
鹿賀丈史さん:僕の両親は歳を重ねてから亡くなっていますので、本人たちも周りも心残りはなかったと思いますけど、3つ上の兄が肺腺がんを患って50代で亡くなりまして。タバコを吸わない人だったのに、突然、余命半年と宣告されたんです。自分にも何かできることはないかと思い、知り合いの医師がいる病院にセカンドオピニオンに連れて行ったんですけれど、診断結果は同じでした。
兄が亡くなったのは、それから約2年後。その間に、奥さんと神社仏閣を巡る旅をしたり、僕の舞台を観に来てくれたりして、最期まで精力的に活動していました。それであの世へ逝ったものですから、亡くなったことは残念ですけれど、死を覚悟したからこそ、残りの時間を有意義に過ごせたのかもしれないと考えれば、ある意味、いい人生だったのではないかと思います。
宮本亞門さん:そうだったんですね。残された時間をどう過ごすか。いろいろ考えさせられますね。
鹿賀丈史さん:僕の両親は歳を重ねてから亡くなっていますので、本人たちも周りも心残りはなかったと思いますけど、3つ上の兄が肺腺がんを患って50代で亡くなりまして。タバコを吸わない人だったのに、突然、余命半年と宣告されたんです。自分にも何かできることはないかと思い、知り合いの医師がいる病院にセカンドオピニオンに連れて行ったんですけれど、診断結果は同じでした。
兄が亡くなったのは、それから約2年後。その間に、奥さんと神社仏閣を巡る旅をしたり、僕の舞台を観に来てくれたりして、最期まで精力的に活動していました。それであの世へ逝ったものですから、亡くなったことは残念ですけれど、死を覚悟したからこそ、残りの時間を有意義に過ごせたのかもしれないと考えれば、ある意味、いい人生だったのではないかと思います。
宮本亞門さん:そうだったんですね。残された時間をどう過ごすか。いろいろ考えさせられますね。
鹿賀さん:亞門さんとお仕事をご一緒するたびに、“生きる”ということを考えさせられます。以前出演させていただいたミュージカル『生きる』では、作品を通して、人が生きていくことの強さ、人間の生命力の強さを実感させられました。特に大切な人を失った経験があると、より深く感じられるといいますか。
演出家/宮本亞門(みやもと・あもん)さん
1958年1月4日生まれ、東京都出身。1987年、ミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家としてデビュー。2004年、東洋人初の演出家としてオン・ブロードウェイにて『太平洋序曲』を上演、同作はトニー賞4部門でのノミネートを果たす。 ミュージカルのみならず、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として、国内外で活躍。 【ペット】愛犬のビート(2代目)は沖縄県動物愛護管理センターから引き取った保護犬。初代ビートは監督作『BEAT』の撮影中、沖縄のロケ地に捨てられているところを拾って育てた。
1958年1月4日生まれ、東京都出身。1987年、ミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家としてデビュー。2004年、東洋人初の演出家としてオン・ブロードウェイにて『太平洋序曲』を上演、同作はトニー賞4部門でのノミネートを果たす。 ミュージカルのみならず、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として、国内外で活躍。 【ペット】愛犬のビート(2代目)は沖縄県動物愛護管理センターから引き取った保護犬。初代ビートは監督作『BEAT』の撮影中、沖縄のロケ地に捨てられているところを拾って育てた。
鹿賀さん:兄からね、亡くなった後に手紙が届きまして、そこに「鹿賀丈史の兄でよかった」と書いてあったんです。その言葉が本当にありがたくて、今も役者として生きていくうえでの心の支えになっています。
宮本さん:最後の手紙が「鹿賀丈史の兄でよかった」だなんて、最高じゃないですか。お兄さんは優しい方だったんですか?
鹿賀さん:そうですね。二人きりの兄弟で、歳も3つしか違いませんから、子どもの頃はよく遊んでいましたし、喧嘩もしました。兄と僕は性格が全然違うんですよ。兄はおっとり、僕はわりと負けん気が強かったものですから、体格差があって敵わないとわかっているのにしょっちゅう兄に挑んでいきましたよ。
宮本さん:今の鹿賀さんからは想像できない(笑)。
鹿賀さん:昔の話ですよ(笑)。それから僕がオペラ歌手を目指して上京し、兄も就職して東京に出てきまして。兄は、劇団四季の初舞台からずっと芝居を観に来てくれていました。
宮本さん:お兄さん、鹿賀さんのことを誇りに思っていたんでしょうね。
鹿賀さん:そうだといいんですけどね。兄からその言葉をもらって、俳優・鹿賀丈史として頑張らなきゃいかんなという思いは強くなりました。
宮本さん:最後の手紙が「鹿賀丈史の兄でよかった」だなんて、最高じゃないですか。お兄さんは優しい方だったんですか?
鹿賀さん:そうですね。二人きりの兄弟で、歳も3つしか違いませんから、子どもの頃はよく遊んでいましたし、喧嘩もしました。兄と僕は性格が全然違うんですよ。兄はおっとり、僕はわりと負けん気が強かったものですから、体格差があって敵わないとわかっているのにしょっちゅう兄に挑んでいきましたよ。
宮本さん:今の鹿賀さんからは想像できない(笑)。
鹿賀さん:昔の話ですよ(笑)。それから僕がオペラ歌手を目指して上京し、兄も就職して東京に出てきまして。兄は、劇団四季の初舞台からずっと芝居を観に来てくれていました。
宮本さん:お兄さん、鹿賀さんのことを誇りに思っていたんでしょうね。
鹿賀さん:そうだといいんですけどね。兄からその言葉をもらって、俳優・鹿賀丈史として頑張らなきゃいかんなという思いは強くなりました。
ギリギリまで、生きることを楽しむ
--宮本さんには4年半前にお母さまとの別れについてお話を伺いましたが(日々摘花第8回)、その翌年の2021年、お父さまを見送られました。
宮本さん:父の死を通して感じたのは、ただ死を待つのではなく、命が尽きるギリギリまで生きることの大切さです。鹿賀さんのお兄さんもそうですし、今回撮った『生きがい IKIGAI』に出てくる人たちもそう。何年の何月何日に死ぬかなんて誰もわからないじゃないですか。どうせ死は神さまが決めるものですから。なので、もう居直って、死を準備するよりも、“今”をどう生きるかに目を向けたい。
宮本さん:父の死を通して感じたのは、ただ死を待つのではなく、命が尽きるギリギリまで生きることの大切さです。鹿賀さんのお兄さんもそうですし、今回撮った『生きがい IKIGAI』に出てくる人たちもそう。何年の何月何日に死ぬかなんて誰もわからないじゃないですか。どうせ死は神さまが決めるものですから。なので、もう居直って、死を準備するよりも、“今”をどう生きるかに目を向けたい。
「終活」と言っては死ぬ準備をされている方もいますけど、いつ死ぬかわからないのになんで準備するんだろうって思うんですよ。早めに整理しすぎじゃない?って(笑)。同じ時間を費やすなら、僕は多くの人たちに出会いたいし、もっと作品を創りたいし、いろんな場所に行きたい。自分の余命や大切な人の死を拭い去ることはできないけれど、とらわれ過ぎてもいけない。死を迎えるそのときまで、自分は生きることを楽しみたいですし、みなさんにも楽しんで欲しいという気持ちがあります。
鹿賀さん:僕もそう思います。仕事をしていると、不思議と元気になるんですよ。芝居に集中していると、身体も心も自然と動き出す感覚があって。逆に時間が空いてしまうと、身体の調子が悪くなる。「ちょっと忙しくてきついな」って思うぐらいがちょうどいい。稽古をしているときがいちばん生きている実感を得られている気がしますし、できれば死のギリギリまで役者をして生きていたいですね。
--ギリギリまで生きることを楽しむために、普段心がけていることはありますか。
鹿賀さん:身体を鍛えるようにしています。今年の8月、9月に『ある男』という新作ミュージカルに出演することもありまして。仕事がないと怠けてしまうので(笑)、働き続けることは大事だなと。
--ギリギリまで生きることを楽しむために、普段心がけていることはありますか。
鹿賀さん:身体を鍛えるようにしています。今年の8月、9月に『ある男』という新作ミュージカルに出演することもありまして。仕事がないと怠けてしまうので(笑)、働き続けることは大事だなと。
宮本さん:ジムに行かれているんですか?
鹿賀さん:以前は通っていたんですけど、今は自宅でエアロバイクをこいだり、(鹿賀さん実演しながら)椅子を3脚用意して、前に2脚、後ろに1脚置き、片手をそれぞれ前の椅子に、両足を後ろの椅子に乗せて腕立て伏せをしたりしています。
宮本さん:それはすごい! 僕、絶対にできないですよ。
鹿賀さん:僕もひーひー言いながらやっている(笑)。スマホを見る機会が増えたからか、姿勢が悪くなってきたので、背筋を真っすぐ保つために体幹を鍛えたくて。姿勢が悪いと歌にも影響しますしね。
宮本さん:すごいですね。僕は犬の散歩とスキップ。死ぬまでスキップできる男でいたいんですよ(笑)。都会でスキップするって結構勇気がいるんですけど、世間がどう思おうと関係ない。スキップをすると童心に戻れて、不思議と元気になれるんです。特に疲れたときには効果的。鹿賀さんは、スキップされますか?
鹿賀さん:スキップはしないけど、舞台でツーステップをしたことがあって、楽しかったですよ。
宮本さん:鹿賀さんのツーステップ、見てみたいです。可愛いでしょうね(笑)。
鹿賀さん:以前は通っていたんですけど、今は自宅でエアロバイクをこいだり、(鹿賀さん実演しながら)椅子を3脚用意して、前に2脚、後ろに1脚置き、片手をそれぞれ前の椅子に、両足を後ろの椅子に乗せて腕立て伏せをしたりしています。
宮本さん:それはすごい! 僕、絶対にできないですよ。
鹿賀さん:僕もひーひー言いながらやっている(笑)。スマホを見る機会が増えたからか、姿勢が悪くなってきたので、背筋を真っすぐ保つために体幹を鍛えたくて。姿勢が悪いと歌にも影響しますしね。
宮本さん:すごいですね。僕は犬の散歩とスキップ。死ぬまでスキップできる男でいたいんですよ(笑)。都会でスキップするって結構勇気がいるんですけど、世間がどう思おうと関係ない。スキップをすると童心に戻れて、不思議と元気になれるんです。特に疲れたときには効果的。鹿賀さんは、スキップされますか?
鹿賀さん:スキップはしないけど、舞台でツーステップをしたことがあって、楽しかったですよ。
宮本さん:鹿賀さんのツーステップ、見てみたいです。可愛いでしょうね(笑)。
“死”よりも“生きる”にフォーカスして
――映画『生きがい IKIGAI』では、能登半島地震と奥能登豪雨という二度の災害に見舞われた主人公・山本信三を鹿賀さんが演じています。鹿賀さんの故郷・石川県での出来事ですが、この映画を通じて感じられたことや被災地への思いなどについてお聞かせいただけますか。
鹿賀さん:元旦に大きな地震が起きて、復興に向けてこれからっていうときに、今度は9月に豪雨に見舞われて、やりきれない思いがずっとありました。亞門さんから今回のお話をいただいたときは二つ返事でお受けしました。
被災地のみなさんが大変な状況に置かれていることは、テレビや新聞のニュースである程度知ってはいましたけど、今回撮影で現地を訪れていろんな方のお話を聞いて、改めて大変な思いをされているのだと知りました。
宮本さん:今でも体育館の中でテントを張って生活されている人が何十人もいるんです。隣の人の話声もすべて聞こえてしまうような場所で。そのような状況下で5日間撮影させていただいたんですけど、みなさん、ご自分が大変なのに協力してくださいまして。この作品を通して、ひとりでも多くの方に被災地の状況を知ってもらいたい、生きることの素晴らしさを伝えたいという思いがより一層強くなりましたね。
鹿賀さん:元旦に大きな地震が起きて、復興に向けてこれからっていうときに、今度は9月に豪雨に見舞われて、やりきれない思いがずっとありました。亞門さんから今回のお話をいただいたときは二つ返事でお受けしました。
被災地のみなさんが大変な状況に置かれていることは、テレビや新聞のニュースである程度知ってはいましたけど、今回撮影で現地を訪れていろんな方のお話を聞いて、改めて大変な思いをされているのだと知りました。
宮本さん:今でも体育館の中でテントを張って生活されている人が何十人もいるんです。隣の人の話声もすべて聞こえてしまうような場所で。そのような状況下で5日間撮影させていただいたんですけど、みなさん、ご自分が大変なのに協力してくださいまして。この作品を通して、ひとりでも多くの方に被災地の状況を知ってもらいたい、生きることの素晴らしさを伝えたいという思いがより一層強くなりましたね。
――大切な人との「永遠の別れ」を経験された方々に、伝えたいことがあればお願いします。
宮本さん:母を亡くしたときにも思いましたが、肉体はこの世から無くなっても、魂は残ると信じています。だから、「ひとりになってしまった」なんて思わないでほしい。そして、生きている私たちには、生かされている理由が必ずあるので、その理由を見つけて存分に生かしてほしいです。
亡くなった人のことばかり考えていたら、無気力になるのは当然のこと。でも、まだ自分は生きている。その大切な人と天国で会えるまで、自分が精いっぱい楽しんで生きたほうがその人たちも喜ぶと思うんですよ。逆に、悲しんで俯いて生きていたら心配されてしまう。死んだあとまで心配かけたくないじゃないですか。ですから、今はまだ何か理由があって生かされているんだっていうことに集中してみてください、とお伝えしたいです。
鹿賀さん:一生楽しく生きる人もいるでしょうし、苦しみながら生きる人もいるんでしょうけれども、天寿を全うするためには、常に何か目標を持つことが大切だと思っています。僕の場合は、目標があると生きる力が湧いてくるので。
あとは、ひとりで抱え込まずに、誰かと支え合って生きていくことも大事ですよね。
宮本さん:母を亡くしたときにも思いましたが、肉体はこの世から無くなっても、魂は残ると信じています。だから、「ひとりになってしまった」なんて思わないでほしい。そして、生きている私たちには、生かされている理由が必ずあるので、その理由を見つけて存分に生かしてほしいです。
亡くなった人のことばかり考えていたら、無気力になるのは当然のこと。でも、まだ自分は生きている。その大切な人と天国で会えるまで、自分が精いっぱい楽しんで生きたほうがその人たちも喜ぶと思うんですよ。逆に、悲しんで俯いて生きていたら心配されてしまう。死んだあとまで心配かけたくないじゃないですか。ですから、今はまだ何か理由があって生かされているんだっていうことに集中してみてください、とお伝えしたいです。
鹿賀さん:一生楽しく生きる人もいるでしょうし、苦しみながら生きる人もいるんでしょうけれども、天寿を全うするためには、常に何か目標を持つことが大切だと思っています。僕の場合は、目標があると生きる力が湧いてくるので。
あとは、ひとりで抱え込まずに、誰かと支え合って生きていくことも大事ですよね。
宮本さん:それは『生きがい IKIGAI』で鹿賀さん演じる山本信三にも同じことがいえます。彼は震災よりも前に愛する妻を亡くし、ずっとひとりで生きてきて、孤独の限界にある状態なんですけど、ボランティアの青年と出会い、少しは生きてみようと思うようになるんです。大切な人を失ったら誰でもつらいし、“生きる”ことよりも“死”にフォーカスするでしょうし、いろんなことが起きるんだけども、それでも生きてさえすればいいことがある。そう信じてるんです。
2019年に僕は前立腺がんの手術をしているんですけど、「なんで僕なんだ」とか「どのくらいで再発するのかな」とか、そういうことを考えなくもない。でも、考えてプラスになることがあるならば考え続けるけど、ダメになるだけならば考えないほうがいいと思っています。コップに水が半分入っていたら、まだ半分も入っていると思うか、半分しかないと思うか。「まだ生きているじゃない」って思うだけで物ごとの見え方も捉え方も変わってきますから、つらいときは「まだ生きているじゃない」って思ってほしいですね。
2019年に僕は前立腺がんの手術をしているんですけど、「なんで僕なんだ」とか「どのくらいで再発するのかな」とか、そういうことを考えなくもない。でも、考えてプラスになることがあるならば考え続けるけど、ダメになるだけならば考えないほうがいいと思っています。コップに水が半分入っていたら、まだ半分も入っていると思うか、半分しかないと思うか。「まだ生きているじゃない」って思うだけで物ごとの見え方も捉え方も変わってきますから、つらいときは「まだ生きているじゃない」って思ってほしいですね。
――最後に、読者に言葉のプレゼントをお願いします。
宮本さん:僕は「人生、二度なし」。この顔と体と心と、そして、今は平和な日本で生きていけるっていうことはなかなかないかもしれないですよね。来世はわからないですから。だったら、今を存分に楽しまないともったいないよって思って。
人生はリハーサルじゃなくて、すべて本番です。そしてその舞台は、自分が好きなように演じて、自分が好きなように脚本を書いていく。これをみなさんにも楽しんでいただきたいですね。
鹿賀さん:役者をやって57年になるんですけど、やっぱり仕事が楽しいんですよね。先ほども申しましたけど、今ミュージカルの稽古をしていまして、稽古自体が楽しくて仕方ない。家に帰っても、「この芝居どうしようかな」とか、今回は結構難しい歌を歌うので「どうやって歌おうか」とか、そういうことを考えているときがすごく楽しいものですから、芝居をしているとき、稽古をしているときがいちばん元気なんですよ(笑)。みなさんには「楽しむこと 生きること」という言葉を贈ります。
宮本さん:僕は「人生、二度なし」。この顔と体と心と、そして、今は平和な日本で生きていけるっていうことはなかなかないかもしれないですよね。来世はわからないですから。だったら、今を存分に楽しまないともったいないよって思って。
人生はリハーサルじゃなくて、すべて本番です。そしてその舞台は、自分が好きなように演じて、自分が好きなように脚本を書いていく。これをみなさんにも楽しんでいただきたいですね。
鹿賀さん:役者をやって57年になるんですけど、やっぱり仕事が楽しいんですよね。先ほども申しましたけど、今ミュージカルの稽古をしていまして、稽古自体が楽しくて仕方ない。家に帰っても、「この芝居どうしようかな」とか、今回は結構難しい歌を歌うので「どうやって歌おうか」とか、そういうことを考えているときがすごく楽しいものですから、芝居をしているとき、稽古をしているときがいちばん元気なんですよ(笑)。みなさんには「楽しむこと 生きること」という言葉を贈ります。
Information
北陸能登復興支援映画 ショートムービー『生きがい IKIGAI』
2024年1月1日の能登半島地震、同年9月の奥能登豪雨と、甚大な被害を受けた能登半島。演出家・宮本亞門さんは、能登でのボランティア活動を通じ、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにする。自ら30年ぶりにメガホンを取った宮本さん、その想いに賛同したスタッフ・キャストが集結し、本当の能登の今を映し出す。
本作メイキング撮影中に、現地の人々の声を収めるうちに生まれたドキュメンタリー映画「能登の声 The Voice of NOTO」も併映。収益の一部が能登復興のために寄付される。
2024年1月1日の能登半島地震、同年9月の奥能登豪雨と、甚大な被害を受けた能登半島。演出家・宮本亞門さんは、能登でのボランティア活動を通じ、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにする。自ら30年ぶりにメガホンを取った宮本さん、その想いに賛同したスタッフ・キャストが集結し、本当の能登の今を映し出す。
本作メイキング撮影中に、現地の人々の声を収めるうちに生まれたドキュメンタリー映画「能登の声 The Voice of NOTO」も併映。収益の一部が能登復興のために寄付される。
『生きがい IKIGAI』(上映時間:28分)
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、常盤貴子、小林虎之介、津田寛治、根岸季衣
併映:ドキュメンタリー「能登の声 The voice of NOTO」(上映時間:38分)
監督・編集:⼿塚旬⼦
2025年6月20日(金)石川県先行公開、7月11日(金)シネスイッチ銀座 ほか順次公開予定
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、常盤貴子、小林虎之介、津田寛治、根岸季衣
併映:ドキュメンタリー「能登の声 The voice of NOTO」(上映時間:38分)
監督・編集:⼿塚旬⼦
2025年6月20日(金)石川県先行公開、7月11日(金)シネスイッチ銀座 ほか順次公開予定
(取材・文/鈴木 啓子 写真/鈴木 慶子)