親戚へのお悔やみの言葉はどう伝える?関係性・状況別の言葉や例文を紹介

お葬式のマナー・基礎知識
親戚へのお悔やみの言葉はどう伝える?関係性・状況別の言葉や例文を紹介

この記事はこんな方におすすめです

親戚にお悔やみの言葉を伝える方法や注意点を知りたい
親戚にお悔やみの言葉を伝えるときの例文を知りたい
親戚から訃報を受けた場合、マナーは重んじつつも関係性を考慮して堅苦しくない言葉をかけることが大切です。できることがあれば、手伝いを申し出ると喜ばれるでしょう。この記事では、親戚との関係性別に言葉の選び方や電話での対応、注意点を紹介。手紙・弔電・メールやLINEで送るお悔やみの例文も参考にしてみてください。

近い・遠い親戚へのお悔やみの言葉の選び方

弔問時に親戚にかけるお悔やみの言葉は、故人やその遺族との関係、距離感によって使う言葉を選ぶと良いでしょう。関係性別の言葉選びのポイントを紹介します。

近い親戚の場合:相手に寄り添った声かけを

故人と近い血縁である場合や、日頃から付き合いがあった親戚に対しては、形式ばった挨拶よりも相手に寄り添った声かけをしたいものです。

<声かけの例>

  • 突然のことで言葉が見つかりません。心からお悔やみ申し上げます
  • 大変でしたね。私に手伝えることがあればなんでも言ってください
さらに、故人との思い出に触れるような言葉を加えると温かみが感じられます。自然な声かけを意識しつつ、故人への敬意は忘れないことが大切です。

遠い親戚の場合:マナーと気遣いを忘れずに

普段めったに顔を合わせない親戚や、婚姻によって親族となり血縁関係はない相手などには、形式を重んじた方が良い場合もあります。

<声かけの例>

  • 謹んでお悔やみ申し上げます
  • この度は、残念なことでございました。お悔やみ申し上げます
お悔やみの言葉の後に、葬儀の手伝いを申し出るなど、親戚ならではの気遣いの言葉を添えるとより良いでしょう。

親戚から電話で訃報を受けた場合のお悔やみの言葉と対応

親戚から身内の訃報を電話で受けた場合は、お悔やみの言葉を簡潔に伝え、お葬式の日程や手伝いの必要性について尋ねておくとスムーズです。電話で訃報を受けたときの対応を流れに沿って解説します。

お悔やみの言葉を簡潔に伝える

親戚からの訃報の連絡には、まずお悔やみの言葉を伝えます。「大変なときに電話をいただきありがとうございます。心からお悔やみ申し上げます」といった、遺族の大変な状況や精神面を考慮してなるべく短いフレーズを選びましょう。このとき、故人の死因を尋ねるのは失礼にあたるので控えてください。

お葬式の日程を尋ねる

お悔やみの言葉を伝えた後は、葬儀の詳細を尋ねます。日時や場所だけではなく、お通夜の有無、喪主や宗派についても確認しておくと準備の際に困りません。聞き方は「お通夜や葬儀の日時と場所は決まっていますか?喪主と宗旨宗派も教えてください」など、要点を分かりやすく伝えると良いでしょう。

手伝いを申し出る

最後に「何かお手伝いできることはありませんか」と、手伝いを申し出るのがおすすめです。葬儀の準備は何かと人手が必要になるので、故人と親族関係である場合はできる限り早めに駆けつけたいもの。断られた場合は、遺族側の事情を優先して通夜・告別式まで待つようにします。「もし私にできることがあればいつでも言ってください」と伝えておくと親切です。

親戚にお悔やみの言葉を伝えるときの注意点

親戚同士であっても、失礼のないよう基本的なマナーは守る必要があります。親戚が亡くなったときにかける言葉選びのポイントや注意点を紹介します。

関係性や状況によって言葉を選ぶ

お悔やみの言葉として一般的な「ご愁傷さまです」は堅苦しく感じる人もいます。そのため相手との関係性を考慮して言葉を選ぶことが大切です。特に、親しい親戚に対しては他人行儀な言葉は避けた方が良いこともあります。
なお、葬儀の受付などマナーが重視される場面では、一般的な挨拶で問題ありません。言葉に困ったからといって無言で香典を渡すようなことはせず、「この度はご愁傷さまです。ご霊前にお供えください」など必ず一言添えてください。

年齢に触れる表現に気を付ける

祖父・祖母など高齢の親戚が亡くなった場合に気を付けたいのが、「天寿を全うした」「大往生」などの言葉です。身内を亡くした人が感じる寂しさは、故人の年齢とは関係ありません。遺族が口にするのは大丈夫ですが、遠い親戚である場合や、参列者の立場である場合は控えてください。声をかけるとすれば、下記のように言い換えると良いでしょう。

<声かけの例>

  • お元気そうでしたのに残念です
  • もっと長生きしていただきたかったです

忌み言葉は避ける

親戚関係であっても、お悔やみの言葉を伝える場面では、下記のような忌み言葉を使わないように注意が必要です。
<重ね言葉>
同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」は、不幸が重なることをイメージさせるとして弔事では避けるべきとされています。
例:重ね重ね・いろいろ・たびたび・益々 など
<不吉な言葉>
「死ぬ」「亡くなる」などの死に関わる直接的な表現、「苦しい」「浮かばれない」などの不吉な表現も葬儀の場では避けた方が良いでしょう。また、「4(死)」「9(苦)」などの数字も縁起が良くないとされています。

<例文>親戚のお葬式に参列できない場合のお悔やみの言葉

通常、親戚のお葬式は参列するものですが、やむを得ない事情で参列できない場合は手紙・弔電・メールでお悔やみの言葉を伝える方法があります。親戚に対しては、一般的なお悔やみの言葉に加え、故人との思い出や遺族を思いやる言葉を添えるのがポイントです。それぞれの例文を紹介します。

手紙で伝える場合の例文

手紙でお悔やみの言葉を伝える場合の例文が下記です。子どもの頃によく遊んでくれていた祖父が亡くなった場合を例にしています。
<例文>
この度は突然のことで信じられない思いです
おじいちゃんには子どもの頃
よく一緒に釣りに行ったり将棋を教えてもらったり
本当に可愛がってもらいました
おじいちゃんの優しい笑顔ばかり思い出されて胸が締め付けられる思いです
本来であればすぐに伺うべきところ
やむを得ない事情で叶わないことどうかお許しください
本日は遠地にておじいちゃんを偲びたいと思います
年末に改めて伺う予定です
まずは略儀ながら書中にてお悔やみを申し上げます
お悔やみ状の書き方とマナーについては、こちらの記事を参考にしてください。

弔電を送る場合の例文

時折顔を合わせていた叔母が亡くなった場合の、弔電の例文です。
<弔電の例文>
ご逝去の知らせを受け 悲しみにたえません
突然のことに叔父様もさぞ寂しいお気持ちでしょう
仲の良いご夫婦の姿を思い出し本当に残念でなりません
在りし日を偲びつつ 今はただ遠方より
安らかな旅立ちとなりますようお祈りしております
弔電の送り方については、こちらの記事で解説しています。

メール・LINEで伝える場合の例文

メールやLINEでお悔やみを伝えるのは本来マナーとしては正式ではありませんが、普段からやりとりをしている親しい間柄なら問題ないとされています。姉の夫(義理の兄)が亡くなった場合に、姉に送る例文は下記のとおりです。
<メール・LINEの例文>
お義兄さんのこと、あまりにも突然で驚いています。心からお悔やみ申し上げます。
大変なときに手伝いにも行けずにすみません。後日お焼香に伺わせてください。
どうかあまり無理をなさらず、お身体を大事にしてください。
その他のメールの返信例は、こちらの記事で紹介しています。
LINEの例文については、こちらの記事も参考にしてください。

お葬式のお手伝いなどでお悔やみの言葉をかけられたときの返答

葬儀の手伝いをしていると、参列者からお悔やみの言葉をかけられることも多いでしょう。そのようなときは、故人の親戚として葬儀に参列してくれたことへのお礼や、声をかけてくれたことへのお礼を伝えるのがマナーです。「恐れ入ります」「痛みいります」「お気遣いありがとうございます」などの言葉がよく使われます。

親戚へお悔やみの言葉は気遣いを優先的に

親戚から訃報を受けた場合、近い親戚であれば自然な声かけを、遠い親戚であれば礼儀を重んじながら言葉をかけるのが適切と言えるでしょう。手伝いを申し出るなど親戚だからこそできる気遣いも忘れずに。すぐに駆けつけるのが難しくても、故人を偲ぶ言葉を送るなど、気持ちを伝えることが大切です。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了