喪中はがきはいつまでに、誰に出すもの?文例も紹介

お葬式のマナー・基礎知識
喪中はがきはいつまでに、誰に出すもの?文例も紹介
年末が近くなると届き始める喪中はがき。出す側になる経験はそれほどなく、どんなことを書くのか、いつまでに出すのかなど、わかりにくいものです。ここでは喪中はがきを出す側が知っておきたい基礎知識について詳しくお話しします。

喪中はがきを出すタイミングは?

喪中はがきの正式名称は「年賀欠礼状」といいます。その年に近親者が亡くなり、喪に服しているため、新年の挨拶や年賀状を控える旨を知らせるものです。しかし、いつ送ればよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。ここでは喪中はがきを出すタイミングやマナーについて紹介します。

そもそも「喪中」はいつまで?

喪中はがきを用意する前に、喪中とはいつまでを指すのかを改めて確認しておきましょう。

故人との続柄によって異なりますが、およそ1年間といわれています。例えば、1月1日の年始めに家族が亡くなった場合も、翌年のお正月は喪中となります。
また、年末に家族が亡くなり喪中はがきが間に合わず、年賀状が届いてしまった場合は後に紹介する「寒中見舞い」を出します。

喪中の対象となるのは、配偶者(0親等)、両親や子供(1親等)、兄弟姉妹や祖父母(2親等)の2親等以内の親族だけです。基本的には、伯父(叔父)や伯母(伯母)、いとこなどは含まれませんが、2親等以外でも故人との関係や、その家ごとの考え方によって対象は変わります。

喪中はがきを出す関係はどこまで?

喪中はがきを出す基準は、「毎年年賀状のやり取りをしているか」です。直接会う機会がない人でも、年賀状での繋がりがあれば身内に不幸があったことを知らせておくと無難です。また、親しい友人や同僚など、身内の不幸を知っている人にも出しておきましょう。

親戚の場合は改めて喪中はがきを出さない人も増えています。葬儀に参列していれば喪中であることを承知しているためです。

基本的に喪中の場合は年賀状のやり取りをおこないませんが、仕事上不可欠という理由で、喪中であっても年賀状を出す人は少なくありません。もし仕事関係や取引先の人に喪中はがきを出すのであれば、プライベートで付き合いのある人にとどめましょう。勤務先の同僚や上司も、年賀状をやり取りしていなければ、口頭で伝えるだけで十分です。

喪中はがきは遅くとも12月上旬までに

喪中はがきは11月中か、遅くとも12月上旬(10日頃)までに先方へ届くように出します。先述したように、喪中はがきは「喪中であることを通知するもの」ではなく、「新年の挨拶を控えさせてもらう」という意味があるので、相手が年賀状の準備を始める前に知らせる必要があります。

喪中はがきの書き方

喪中はがきは業者に依頼することもできますが、自分で作成しても差し支えありません。その場合にはどのようなことを書けばよいのか、注意点と合わせて紹介します。

喪中はがきに書くこと

喪中はがきの書き方は、一般的なはがきや手紙とは異なります。時候の挨拶や「前略」「拝啓」といった頭語は必要ありません。

代わりに、「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」という一文が挨拶文となります。次に、「誰が、いつ、何歳で」など故人の説明をします。末文として生前の交流のお礼や感謝の言葉を入れ、最後に自分の住所・電話番号・氏名を記載します。

通常の年賀状を夫婦や家族の連名で出している場合は、喪中はがきも同様にして構いません。
<喪中はがき文例>

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

本年〇月◯日 △△(故人の続柄) ◎◎(故人の名前)が□歳(享年)にて永眠いたしました
永年にわたるご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます

日付(喪中はがきを作成した日または投函する日)

住所
電話番号
氏名

喪中はがきはどこで準備する?

喪中はがきとして使えるのは、弔事用の官製はがきや、私製はがきに弔事用の切手を貼ったもので、これらは郵便局で購入できます。この他、弔事用がない場合は、普通の官製はがきも喪中はがきとして使用できるとされています。

喪中はがきを自作するときに気をつけたいのが使用するフォントです。行書体や明朝体などの一般的なものを選びます。薄墨にする必要はありませんが、全体的に落ち着いた印象でまとめるとよいでしょう。

業者に依頼する場合は、はがきの用意から文面の印刷まで請け負ってもらえます。急いでいるときや自宅にパソコンがないという人におすすめです。

キリスト教や神道の場合はどうする?

喪中の考え方は仏教だけのものではありません。日本古来の神道でも同様に、喪に服す期間が設けられています。そのため、喪中はがきについても対応は同じです。親しい人や年賀状のやり取りをしている人には送るようにします。

キリスト教の場合、喪中という概念はありませんが、日本に住んでいるのであれば風習に従って送っておくほうが無難でしょう。

喪中はがきの代わりにもなる?寒中見舞いとは

喪中はがきを出しそびれてしまった時には、どうすればいいでしょうか。

寒中見舞いとは

12月下旬に身内の不幸があり喪中はがきが間に合わなかったりしたときは、寒中見舞いという形で挨拶をします。また、喪中の相手へ年賀状の代わりとして送ることもできます。

その他、喪中はがきを出さなかった人から年賀状が届いたときにも、事情の説明を兼ねて寒中見舞いで欠礼の挨拶をするとよいでしょう。

相手が喪中であることを知らずに年賀状を出してしまったときや、うっかり送ってしまったときにも寒中見舞いを使用できます。

寒中見舞いはいつまでに出す?

寒中見舞いは松の内(1月7日)が明けてから立春(2月4日)までに出すべきとされています。地方によっては松の内を1月15日までとしていることもあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。先方に届くまでの期間も考えて、遅くとも1月末ごろまでには投函するようにしておくとよいですね。

寒中見舞いの書き方

寒中見舞いを出すときは「賀正」などのおめでたい言葉を使わないようにします。冒頭に「寒中見舞い」の言葉を置き、こちらの事情の説明や、喪中はがきを出さなかったおわびの文章を続けます。そして最後に締めの挨拶を入れます。
また、喪中であることを知らずに年賀状を出してしまったときは、おわびの一文を記載しておきましょう。

<寒中見舞い文例>

寒中お見舞い申し上げます

丁寧なお年始状をいただき、ありがとうございました
昨年〇月に△△(続柄)が永眠したため、年始のご挨拶を控えさせていただきました
本来であれば早々にお知らせすべきところ、誠に失礼いたしました
今後とも変わらぬお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします

日付(年月まででよい)
寒中見舞いのはがきには、喪中はがきの残りや年賀はがきなどは使用できません。干支や色鮮やかなイラストのあるものは避け、落ち着きのあるデザインにまとめます。ただし、いつも年賀状に家族写真や子供の写真を使っている場合には、こちらの近況を知らせる意味でも使用しても構いません。

喪中はがきを出して静かな年末年始を

毎年、年末が近づくと何かと忙しいという方も、喪中の年は年賀状の準備に追われることがありません。早めに喪中はがきの手配を済ませ、年末年始は静かに故人を偲びましょう。