宇宙葬とは?方法と費用・メリットと注意点を解説

わたしのお葬式
宇宙葬とは?方法と費用・メリットと注意点を解説
近年、海洋散骨や樹木葬などといった「自然葬」の考え方が徐々に広まってきています。そのひとつが「宇宙葬」です。現代では実現可能な葬儀・埋葬方法のひとつですが、まだ馴染みがない人がほとんどではないでしょうか。そこで今回は、宇宙葬の基本的な知識や注意したいポイントをご紹介します。

宇宙葬とは

まずは、宇宙葬の概要と基礎知識について見ていきましょう。
宇宙葬とは自然葬の形式のひとつ。故人の遺骨や遺灰を専用のカプセルに納めて打ち上げ、宇宙空間へ散骨します。

1997年にアメリカで始まった宇宙葬ですが、参加した人数は全世界でのべ300人以上。その規模は現在も拡大しています。

以前は日本で宇宙葬を希望する場合、海外の業者に依頼するしかありませんでした。最近では日本でも宇宙葬に対応する業者が増えてきています。

また、市場が拡大する中で、宇宙葬の形式やプランにもさまざまな選択肢が用意されるようになりました。今では一般の人も希望をすれば宇宙葬がおこなえます。

宇宙葬の実施方法や費用

ひとくちに宇宙葬といっても、散骨する場所によって形式がいくつかあり、どの方法を選ぶかによって費用が異なります。ここでは宇宙葬の中でもロケットや人工衛星を使って宇宙空間へ散骨をおこなう「月面供養」「流れ星供養」、成層圏での散骨をおこない広義の意味で宇宙葬に数えられる「バルーン葬」を解説します。

宇宙葬の種類①月面供養

遺灰を納めたカプセルをロケットに搭載して月に送る方法です。

散骨ではなく月面に安置する=月をお墓にするという考えで、残された人は地球のどこからでも、月を見上げてお墓参りができるというコンセプトです。

費用の相場は120万円から。プラン内容のほか、ロケットに遺灰を何グラム乗せるかによっても金額が異なります。

宇宙葬の種類②流れ星供養

遺灰を納めたカプセルを、人工衛星に乗せて打ち上げる方法です。

打ち上げられた人工衛星は、地球を数日〜数年周回した後、流れ星となり大気圏に突入して燃え尽きます。流れ星となる最後の姿から、流れ星供養と呼ばれています。

プランによっては、周回する人工衛星の位置情報を確認できたり、衛星から見た地球の姿を見られたりする専用のアプリもあります。

費用は打ち上げのみで30万円からあり、オプションプランによっては100万円以上など幅広く用意されています。

宇宙葬の種類③バルーン葬

バルーン葬は、遺骨や遺灰を巨大なバルーンに入れて空へ向けて飛ばす方法をとります。バルーンが成層圏に到達するとバルーンが割れ、遺灰が空中に散骨されるという仕組みです。

成層圏までしか上昇しない点で厳密には"宇宙"葬ではありませんが、広義の意味で宇宙葬のひとつに数えられることもあります。

宇宙葬のうち比較的新しい形式です。自然葬を希望する方が増える中、テレビで紹介されるなどして注目を浴びています。

費用は20万円代からと、宇宙葬の中では最も安価で手が届きやすいのがポイントです。また、申し込みも実施も日本国内でおこなうことができ、移動や心理的負担も少なくて済むでしょう。

宇宙葬のメリットと注意点

宇宙葬はどのような人に向いているのでしょうか。また、実施にあたって注意するポイントは?ここでは宇宙葬のメリットと注意点をご紹介します。

宇宙葬のメリット:生前の夢を叶えることができる

宇宙葬の希望者に「なぜ宇宙葬にしたいのか?」と聞くと、宇宙が好き・宇宙旅行がしたかったから、という理由がよく上がります。

生きている間に宇宙飛行士になる、宇宙旅行をするのは、費用の面でも機会の面でも非常に難しいことです。その点、生前の夢を死後に叶えられるというのであれば、宇宙葬にかかる費用も高くはないと感じる方もいるのかもしれません。

「死後に宇宙旅行を予約した」という考え方で、宇宙葬を生前予約する方もいます。

宇宙葬の注意点①: 詐欺やトラブルに巻き込まれないようにする

宇宙葬は20数年前に始まった、まだまだ新しい埋葬の形式です。
そのため情報が少なく、口コミや評判など、利用者のリアルな体験談を聞ける機会はあまりありません。

また、現在の法律は、遺骨はお墓に納めることが大前提の時代に作られているため、散骨については法整備が遅れているのが実情です。
そのため、「違反しているとはいい切れないが、節度を守っておこなう必要がある」など、デリケートな社会問題として取り扱われます。

実績があるしっかりした会社を選ぶ、決める前に葬儀のプロに相談するなどの対策をして、トラブルに巻き込まれることのないようにしましょう。

宇宙葬の注意点②:実施までに時間がかかる場合も

宇宙葬は、プランによって実施までに何年もかかるということもありえます。

比較的個人の希望スケジュールに対応してくれるバルーン葬であればまだしも、1人ではなく複数人の遺灰を一度に打ち上げる月面供養や流れ星供養では、ロケットや人工衛星の打ち上げスケジュールによって、申し込みから時間がかかる場合がほとんどです。また、予定されていた打ち上げが中止になるケースもあります。

無事に終えるまで、どのくらい時間がかかるかわかりません。ご自身やご家族にとって、この時間を受け入れられるかも考えなければなりません。

宇宙葬の注意点③:宇宙葬に使われる遺骨・遺灰はごく一部

ロケット宇宙葬の場合、実際に宇宙に打ち上げられる遺骨・遺灰は数グラムとごくわずかです。残りの遺骨・遺灰は別の方法での供養が必要になります。

宇宙葬のプランの中には、打ち上げて残った遺灰の永代供養や手元供養などに対応してくれるものもあります。宇宙にすべて打ち上げて終わりではないので、残った遺灰をどうしたらよいかまで、併せて考えておきましょう。

宇宙葬には生前の準備が必須。早めの相談で選択肢を広げましょう

以前はリアリティのない宇宙葬でしたが、今では私たちにも手が届く葬儀・埋葬の一形式となりつつあります。とはいえ、まだまだ新しい葬儀・埋葬のかたちであることは事実です。

宇宙葬の中でもどのような形式を選択するかで、費用やかかる時間が大きく変わってきます。生前から葬儀や埋葬について話し合うことで、故人の希望を尊重し、ご家族の皆様も納得できる葬儀にしましょう。