終活にもなるシンプルライフ。片付けのコツと捨てるワザ

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終活にもなるシンプルライフ。片付けのコツと捨てるワザ
あこがれのシンプルライフ。いつかは叶えたいと思いながらモノに囲まれて暮らす日々。今ある不用品をスッキリさせれば、人生後半も清々しい気分で過ごせそうです。とはいえ、モノを捨てるのは意外と大変なこと。途中で挫折しないためにも、まずは片付けのコツと、捨てるワザを確認しましょう。

終活をスムーズに。モノを捨てるメリット

終活にはさまざまな取り組みが含まれます。なかでも身の回りの整理は、重要なポイントのひとつ。まずは、片付けから終活をスタートさせてはいかがでしょうか。

これまでの暮らしとこれからの生き方を見つめる「人生の片付け」にはどのようなメリットがあるのか紹介します。

メリット①時間的・経済的無駄が減る

まず1番のメリットは、「片付け」により自分のものをきちんと把握できるようになる点です。

不要なものに囲まれていると、持ちものの把握が困難になります。何をどこにしまったか分からなくなり、必要なときに必要なものがみつからず困るかもしれません。どうしてもみつからなければ、「どこかにあるはずなのに」と思いながら同じものを買う羽目になるでしょう。

必要なものだけを残しておけば、無駄なものに振り回される心配が少なくなります。時間やお金の浪費がなくなり、心にゆとりを持って生活できるのです。

メリット②気持ちの整理ができる

2番目のメリットは、自身の気持ちと向き合える点です。

ものを手に取れば、当時の想い出が蘇ったり経緯が思い返されたりします。よい想い出のあるものは取っておくでしょうし、そうでないものは処分してしまうでしょう。このような作業を繰り返すうち、やがて心の中もすっきりと整理されていくのです。

モノを捨てる時には、納得した上で整理・処分を決めるのが大切。コツコツと取り組めば、過去やものへの執着から解放され、前向きな気持ちを持てるようになります。

メリット③自分の死後、家族の負担が減る

3番目のメリットは、遺品や遺産整理の手間が少なくなる点です。

人が亡くなると、遺品や遺産の処分は、残された家族に一任されます。不要なものが多ければ、家族は「価値あるもの・ないもの」の判別から始めねばなりません。この場合、遺品・遺産整理にかかる負担は、どうしても大きくなります。

また、ものの整理が行き届いていない場合、死後の諸手続が滞る可能性もあります。

例えば、故人名義で契約している保険や株式などの金融資産があるならば、解約や変更が必要です。こうした手続きでは契約書や書類は必須ですから、「在処がわからない」状態は家族を混乱させてしまうでしょう。

「人生の片付け」は、単なる自己満足ではありません。適切な身辺整理が死後の準備にも繋がり、残された家族の負担を軽減するのです。

モノを捨てるコツ

「モノを捨てよう」と思い立っても、勢いで始めてはいけません。無計画に始めても作業は進まないうえ、挫折する可能性が高くなります。まずは比較的簡単に取りかかれそうなエリアから手をつけ、徐々に範囲を広げていきましょう。

モノを捨てることは一朝一夕で終わりません。余裕を持って気長におこなうのが大切です。ここでは、モノを捨てる時に覚えておきたいコツを紹介します。

モノをすべて出す

モノを捨てるポイントは、よく行われている手法ですが、まず持ち物のすべてを表に出すこと。例として「洋服を捨てる」と決めたら、所持している洋服をすべて出してみてください。

同じジャンルに絞れば、「古いモノから捨てる」、「着ないモノから捨てる」など、処分の基準を設定しやすくなります。

また、ジャンルごとにまとめれば、「ストックが大量にある」「使わないのに持っている」なども容易に把握できます。無駄なものがあると分かれば、「今後購入を控えよう」と思う人も多いはず。無駄買いの防止にもつながるのです。

ただし、広範囲を一気に断捨離しようとするのは挫折のもと。まずは小さな範囲からスタートするのがおすすめです。

要・不要に分類する

ものをすべて出したら、それぞれを要・不要で分類します。それぞれ箱を用意して、手に取りながら分別してください。このとき明らかな可燃ゴミがあれば、そのままゴミ袋に入れていくと手間が省けます。

分別をしていくうち、不要だけれど捨てたくないと思うものもあるでしょう。とくに想い出にまつわるものは、要・不要だけでは処分しにくいもの。勢いで処分してしまうと後悔するかもしれません。

このようなときは「保留箱」を作り、ひとまずそちらに納めてください。そしてすべての分別が終わったあと、もう一度改めて処分をどうするか考えます。

スッキリさせたいからといってすべてを捨てねばならないわけではありません。自身にとって大切と思えるものならば、不用品でも取っておく価値はあります。その場で判断しかねるときは、「1ヶ月」など保留期限を決めて悩んでみてはいかがでしょうか。

必要なものは収納する

要・不要の分別が終わったら、必要なものを再び収納します。ただしこのとき、動線を意識した収納が大切です。

まず、手の届きにくい場所にはよく使うものを入れるようにします。取り出しや片付けが容易なら、出し入れの頻度が高くても散らかったり出しっぱなしになったりはしにくいでしょう。

また、収納には余裕が必要です。「まだ入るから」とぎゅうぎゅう詰めにすると、取り出しや片付けが面倒になります。整理後の状態を長く保てるよう、「使いやすさ」「片付けやすさ」にこだわった収納を心がけてください。

不要なものは処分する

一方、「不要」と分類されたものは、種類に応じて廃棄します。可燃ゴミならゴミ出しの日に出せますが、粗大ゴミや資源ゴミは居住地のルールに従って処分する必要があります。処分の仕方は自治体によって異なるため、事前の確認は必須です。

また、まだ使えそうな家具や食器などは、買い取ってもらえるかもしれません。依頼すれば見積りに来てくれる買取り業者もいます。必要な時は相談してみましょう。小物類ならば、フリマアプリの利用もおすすめです。

満足のいく終活のために。整理整頓で注意したいポイント

終活としてのモノの整理では、注意したいポイントがいくつかあります。後悔しないためにどのような点に気を付ければよいのでしょうか。

書類の処分には注意する

書類を処分する際は、必ず数度チェックしてください。とくに金融機関や保険、不動産業者などからの書類は重要です。再発行しにくいものもあるため、安易な処分は避けましょう。

万が一重要な書類を処分してしまうと、遺産相続の手続きなどで家族に迷惑をかけるかもしれません。

また、価値ある資産に関係する書類は、項目ごとにまとめておくと見やすくなります。資産目録とともに保管すれば、書類を探す手間が省けます。

資産目録を別途作成するのが面倒な場合は、エンディングノートなどに書き留めておくだけでも有益です。

体力のあるうちに始める

不用品を処分したり計画立てて片付けに取り組んだりするには、体力や判断力が必須。これらは年齢を重ねるごとに減退してしまいますから、早いうちに取り組むのがベターでしょう。

体力に不安のある場合は、家族の力を借りたり、専門業者を頼る方法を検討してみるのもおすすめです。

デジタル資産も整理しておこう

デジタル資産とは、基本的にネット証券や銀行にある資産、仮想通貨を指します。ただし、PCにある動画や画像なども有益とみなされれば、デジタル資産として扱われるでしょう。

デジタル資産が増えている昨今、身内の急な死で「アカウント名やパスワードが分からない」と困るケースも増えています。デジタル資産を所有している場合は、アカウント名やパスワードの適切な保管が必須です。

おすすめの方法は、遺産目録と合わせて記載しておくこと。エンディングノートを活用すれば、家族にかかる負担は少なくなります。

自分・家族にとって有益な片付けから終活をはじめよう

不要なモノを捨てておけば、もしもの時に家族への負担は少なくなります。ただし、モノの仕分けや処分にはそれなりの体力が必要です。思い立ったら早めに取り組むのがベターです。

身の回りをスッキリさせて、これからの人生をもっと前向きに過ごしましょう。