お腹をすかせた子どもを見逃さない!地域の
人々と支え合い、ひとり親家庭を「食」で支援

NPO法人フードバンクふなばしさん

NPO法人フードバンクふなばしさん

「フードバンク」という取り組みをご存じでしょうか。品質には問題がないのに、さまざまな事情で廃棄されたり、余ったりしている食品を寄付してもらい、必要としている人に無償で届ける活動です。「NPO法人フードバンクふなばし」では、行政や地域と連携しながら、ひとり親の子育て家庭によりそった支援活動を行っています。代表の笹田明子さんと副代表の岡田泰子さんに、フードバンクを立ち上げた思い、ファミーユとのご縁、活動を通じて描く地域の未来についてうかがいました。

コロナ禍で支援要請が急増、
生活に困窮するひとり親家庭

長引くコロナ禍の影響で、生活に困窮するひとり親家庭が増えています。特に、母親が働いている場合は非正規雇用のケースも少なくないので、その影響はより深刻です。勤務先の経営不振や休業・時短営業などで、職を失ったり、勤務日数・時間を削減されたりして、収入が減少。家計が苦しくなり、船橋市の児童家庭課や家庭福祉課などの窓口を通じて、食品の支援を希望される方も急増しました。

「NPO法人フードバンクふなばし」は、2018年5月に任意団体として活動を始めました。当初から船橋市と連携して、支援を求める子育て家庭や子育て支援団体に、企業や地域の方々から寄贈された食品を無償でお届けしています。申請書に記入された家族構成や希望品目などを参考に、私たちが選んだ食品を段ボール箱に詰めて配送しているのですが、2019年度までは月に25件程度だった支援家庭が、2020年の春以降は2倍以上に増えました。

コロナ禍で支援要請が急増、生活に困窮するひとり親家庭

行政の窓口では、平日の朝9時から夕方5時までしか相談に対応できません。それでは相談したいと思っても、仕事があって難しいというお母さんたちも多いはずです。本当はさらに多くのひとり親家庭が、支援を必要としているかもしれない。行政を通じた支援だけでは行き届かない。もっと裾野を広げなければーーそんな危機感から、新たな試みとして始めたのが、週末に実施する「パントリーピックアップ」でした。

「家族葬ホールを使ってください」
という言葉が活動の後押しに

2020年の4月から単発的に実施して、6月からはいろいろな場所をめぐるキャラバン形式での定期開催を予定していました。ところが、当時は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、会場がなかなか見つからない。そんなときにご紹介いただいたのが「家族葬のファミーユ」でした。

パントリーピックアップにもご協力いただいた仕出し会席料理「一会」の社長が、お取引のあるファミーユは「船橋市内や近隣の地域にも複数のホールを展開している。地域に根ざした支援活動を行っているので、ホールを借りられるかもしれない」と教えてくださったのです。

そこでさっそく、ファミーユの千葉支社に相談をしたところ、ありがたいことに快くホールを無償で貸し出してくださることに。6月と8月には「高根台ホール」を、9月には「鎌ケ谷ホール」をお借りして、パントリーピックアップを実施することができました。いずれのホールも、あたたかみのあるアットホームな印象で、イメージしていた葬儀場とは全く違う雰囲気でした。

「家族葬ホールを使ってください」という言葉が活動の後押しに

試行錯誤しながら実施していく中で、秋からは倉庫を兼ねた新事務所を会場にすることにしました。その頃は、フードバンクの活動自体があまり知られていなかったので、一定の会場で実施したほうが周知につながると考え直してのことでした。それからは、口コミやSNS、メディアでもご紹介いただく機会が増えて、現在は事務所と社会福祉会館内にも会場を設置しています。

事務所で実施するようになってからは、近隣にお住まいの方が興味を持って声をかけてくださったり、食品を持ち込んでくださったり。特に、農家の方が分けてくださる新鮮な野菜は、配送ではお届けできないので、お母さんたちにとても喜ばれています。

農家の方が分けてくださる新鮮な野菜は、配送ではお届けできないので、お母さんたちにとても喜ばれています。

パントリーピックアップの活動は、ようやく軌道に乗ってきました。会場探しに困っていたときに、「家族葬ホールを使ってください」といってくださった、ファミーユの後押しがあったおかげだと思っています。あのとき、模索しながらも「とにかくやってみよう!」と動き出せたことが今につながっています。

さまざまな素顔を持つ
地域の仲間が力を結集

私たちはもともとは、地元の子育て仲間でした。子ども同士が船橋市内の同じ小学校に通っていたのです。自分たちの子どもが健やかに成長できたのは、地域の皆さんのおかげです。子育てがひと段落した今、これからは私たちが地域の子どもたちを見守り、次世代のお母さんたちを応援したい。そんな気持ちを強く持っています。

さまざまな素顔を持つ地域の仲間が力を結集

代表の笹田は船橋市で10年来、主任児童委員(民生委員)を務めています。その活動の中で、ひとり親家庭の貧困など、子どもを取り巻く問題に直面してきました。子どもたちのために、何かできることはないか。そう考えて、まずは食の不安を少しでもなくそうと、子育て仲間とともに「子ども食堂」を企画。その際、「フードバンクちば」から調味料や食品を提供していただき、その素晴らしい取り組みを知って感銘を受け、自分たちが暮らす船橋にフードバンクを立ち上げました。

自宅の一室で始めた小さな活動ですが、少しずつ支援や応援の輪が広がっています。2020年にはより安定的に継続していくため、NPO法人となりました。笹田は主任児童委員を続けていて、副代表の岡田はエステティシャンとしても働いています。仲間に加わってくれたスタッフには、銀行に勤めている人、市場で仕事をしている人、助産師といった人もいて、皆それぞれに役割を持ちながら、フードバンクの活動に取り組んでいます。

食品とともに、
愛情をギュッ!と詰めて

フードバンクは、私たちやスタッフだけでは成り立ちません。ボランティアで手伝ってくださる方々、食品を寄付してくださる方々、食品を集める「フードドライブ」にご協力いただいている方々、賛助会員として運営費用を支えてくださっている方々など、たくさんの人々のご厚意があってこその活動です。

食品とともに、愛情をギュッ!と詰めて

支援を必要としているご家庭に食品を送るときには、そうした人々の善意と私たちの思いも一緒にお届けしたい。そんな気持ちから、段ボール箱いっぱいに食品を詰めたあと、各ご家庭によりそった手書きのメッセージも入れるようにしています。一箱一箱に、食品と愛情をすき間なくギュッ!と詰めこんでいるのです。

そんなささやかなメッセージが喜ばれ、「今は支援を受ける立場だけれど、いつか自分も支援をする側になりたいです」「どんなに困難な状況でも、前を向いて頑張っていきます」といった声を寄せていただくこともあります。そんなときは震えるくらい感動して、私たち自身が大きな力をいただいています。

フードバンクは、将来的には必要とされなくなることが理想です。ただ、実際にはなかなか難しい現実があります。それでも、地域の人々と協力しながら、誰もが食に不安を抱くことなく安心して暮らせる街をつくっていきたい。私たちの活動が、そんな未来につながっていくことを願っています。

私たちのほかにもきっと、より良い地域づくりのための活動を始めたいと考えている人たちがたくさんいらっしゃるでしょう。そうした人たちが活動の場に困っていたら、私たちが助けられたように、手を差し伸べてくださるファミーユであってほしいと思いますね。

「NPO法人(特定非営利活動法人)フードバンクふなばし」

「NPO法人(特定非営利活動法人)
フードバンクふなばし」

2018年5月に千葉県船橋市にて任意団体として設立。2020年12月にNPO法人(特定非営利活動法人)化。企業や団体、商店、農家、地域住民などから余剰食品・食材の寄付を募り、支援を求める子育て家庭や子育て支援団体に無償で提供する「フードバンク」の活動を展開。食品ロスの削減と有効活用に貢献するとともに、船橋市や保健所、市のスクールソーシャルワーカーなどと連携し、地域における食のセーフティネットの役割を果たしている。
ホームページ http://fb-funabashi.com

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