お通夜の流れとマナー。宗教による違い、参列する時の注意点

お葬式のマナー・基礎知識
お通夜の流れとマナー。宗教による違い、参列する時の注意点
お通夜とは葬儀の前に故人を忍び、お別れをする儀式のこと。お通夜の流れは、故人の信仰する宗教によって、仏式・神式・キリスト教式等に分かれ、それぞれマナーも違います。他にも、密葬お通夜に参加して良いものなのかなど、お通夜のさまざまな疑問にお応えします。

仏教のお通夜の流れ

最も一般的なのが仏教の儀式、つまり仏式のお通夜・葬儀です。仏式の葬儀は、通常2日間執りおこなわれ、1日目がお通夜、2日目が葬儀・告別式となっています。仕事が終わってから参列しやすい夜6時~7時頃から読経を始めるのが一般的です。

受付

受付ではお悔やみの言葉を伝えてから、名簿に記帳し、香典を渡します。香典は正式にはふくさに包んで持参しますが、ふくさがなければ地味な小型のふろしきか、白いハンカチに包みます。

焼香

焼香の時間は人数によって異なりますが、一般的なお通夜(約60~90人)であれば約30~40分が目安。順番としてはまず僧侶、喪主、遺族の順に焼香した後でその他の参列者がつづきます。仏教の焼香の仕方は宗派によって異なりますが、立礼焼香(りつれいしょうこう)を覚えておくと比較的多くの宗派に対応できます。

[立礼焼香]
①焼香の順番が来たら、軽く一礼して立ち上がり、僧侶と親族に一礼します。
②焼香台の前に進み、遺影に一礼します。
③親指と人差し指、中指で抹香をつまみ、目を閉じて抹香を目のあたりまで上げ、香炉に落とします。これを1~3回繰り返します。回数は宗派によって異なります。参列者が多い時は1回でかまいません。
④合掌して一歩下がり、遺影に深く一礼します。2、3歩下がり、僧侶と親族に一礼し、席に戻ります。

法話

焼香の次は、僧侶による法話が始まります。時間はだいたい10分程です。最近は省略されて焼香後、そのまま僧侶が退場するケースも増えています。

喪主あいさつ

僧侶退場後は、喪主が参列者にあいさつをし、「通夜振る舞い」へ案内をします。

通夜振る舞い

通夜振る舞いは、故人と親しかった参列者が故人を忍びながら軽食をともにする儀式のこと。誘われたらこころよく受けて、箸を付けるのがマナーです。

通夜振る舞いの時間は1時間程度のことが多く、長居は禁物です。最後は遺族にあいさつをして、再度霊前に拝礼、焼香してから退席します。

お通夜からお葬式への流れ

一般的に葬儀・告別式はお通夜の翌日に執りおこなわれます。故人と親しかった人が参列するのが葬儀、一般の参列者が集うのが告別式ですが、今は葬儀の後に続けて告別式を執りおこなうケースが多いです。

キリスト教のお通夜の流れ

キリスト教では、もともとお通夜はないものですが、日本の習慣を取り入れて前夜祭である通夜祭が執り行われます。カトリック、プロテスタントともに前夜祭の流れは、だいたい以下の通りです。

聖歌(讃美歌)合唱、聖書朗読

参列者で聖歌の合唱、聖書の朗読を行います。 信者ではなく、聖書の一説や聖歌が分からない場合は静かに聴いていてもよいでしょう。

司式者(神父、牧師)の説教

頭をたれて拝聴します。

通夜の祈り

司式者にならい、参列者一同祈りを捧げます。

献花

両手で花を受け取り、左手で茎を持ち、右手で支えます。祭壇に進み、花を90度右に回して茎を祭壇側に向け、献花台に置き、深く一礼します。神父や親族に一礼してから席に着きます。

茶話会

司式者と近親者が故人を忍びながら軽食をとります。

神道のお通夜、通夜祭の流れ

日本古来の宗教「神道」の葬儀、神式葬儀のことを神葬祭といいます。神葬祭の1日目には、「通夜(通夜祭)・遷霊祭」が執りおこなわれます。「通夜」は仏教でいうお通夜、「遷霊祭(せんれいさい)」は、通夜祭において故人の御霊を遺体から霊廟に移す儀式です。

通夜祭

【手水】
会場の入口で、手水(ちょうず・てみず)をしてから入場します。

①右手に柄杓を持ち、左手に水をかけます。
②次に左手に柄杓を持ち、右手に水をかけます。
③右手に柄杓を持ち、左手に受けて口を清めます。

【神職者と遺族入場】
黙礼して迎えます。

【斎主一拝】
参列者一同で拝礼します。

【献饌(けんせん)・祭詞(さいし)・誄詞(るいし)】 
 参列者一同で拝聴します。

遷霊祭

【斎主一拝】
参列者一同で拝礼します。

【遷霊詞、霊璽を仮霊舎に奉遷】
一同静かに見守ります。

【斎主一拝・献饌】
それぞれ参列者一同で拝礼します。

【献饌撤饌(てっせん)・遷霊祭詞】
参列者一同深く頭を垂れて拝聴します。

【玉串奉奠(たまぐしほうてん)】
斎主、喪主、参列者の順に玉串を捧げます。
①玉串を両手で受け取り、親族に一礼します。
②玉串を真っすぐ正面に立てて、右回りに回します。
③茎の方を祭壇に向けて捧げます。
④二礼し、音を立てずに忍び手(音を立てずに)で二拍手、一礼します。
⑤数歩下がり、親族に一礼し、着席します。

【斎主一拝】
参列者一同拝礼します。

【通夜祭・遷霊祭終了】

【通夜振る舞い】
参列者は親族による軽食の振る舞いを受けます。

密葬の場合、お通夜に参加した方がよいか

参列者をほとんど招かず、故人と親しい人だけで執りおこなう葬儀を「密葬」といいます。密葬には一般的に次のような形式があります。

火葬式・直葬

お通夜や告別式等の儀式は行わず、火葬のみを執り行い、ごく親しい親族のみで故人に別れを告げます。

通夜・葬儀・告別式

ごく近しい(3~4親等位までの)親族のみで執り行われます。流れは一般的な葬儀と同じで、お通夜の翌日に葬儀・告別式が執り行われます。

葬儀会場の情報に「お通夜の参列はお断り」と記されていなければ、親族に参列してよいか確認してみましょう。または、葬儀場に、一般会葬が設けられるかを尋ねてもよいでしょう。

よくWEBサイトなどに、家族葬や密葬はお香典は送らない方が無難などと書かれたりしていますが、そんなことはありません。案内状などに「香典辞退」と明記されていない場合は、持参しましょう。遺族から辞退を受けたら取り下げます。

お通夜でのマナー

お悔やみの言葉

遺族の心情を思いやって、丁寧に伝えましょう。「心よりお悔やみ申し上げます」、「この度はご愁傷様でございます」などという言葉が一般的です。

「この度は・・・」と言葉につまった時は無理に続けなくてもかまいません。神葬祭の場合、仏式の言葉は使わず、「御霊のご平安をお祈りいたします」とあいさつをします。

服装

お通夜に参列する時は、原則として喪服を着ることがマナー。男性は、ブラックスーツ(シングル、ダブル両方可)に礼装用の白いワイシャツ、無地の黒ネクタイ。タイピンやポケットチーフは着けません。女性は、黒いワンピースかフォーマルスーツ(原則として長袖)にします。

お通夜の関連情報

お通夜の前の弔問

身内や親戚から訃報を受けたら、なるべく早く駆けつけます。会社の上司、恩師が亡くなった場合は、うかがっても良い時間を確認して弔問しましょう。

お通夜前の遺族を励ます弔問は、地味な色の普段着でします。喪服や香典は不幸を予想していたかのような印象を与えるのでタブーです。

葬儀・告別式にも出席する場合の香典

お通夜の翌日に葬儀・告別式にも参列する場合、香典はお通夜でお渡しし、葬儀・告別式は記帳のみ行います。

お通夜の流れを理解し、正しいマナーで参加を

お通夜のマナーは、宗教や葬儀の型式ごとに異なります。正しい知識を身に着けて、故人との最期のお別れをしましょう。