お通夜の日程の決め方は?ポイントや手順、告知方法を解説

ご家族の通夜・葬式準備
お通夜の日程の決め方は?ポイントや手順、告知方法を解説

この記事はこんな方におすすめです

お通夜の日程の決め方を知りたい
お通夜までの準備と手順を知りたい
お通夜は、亡くなった翌日か、翌々日の夜におこなわれるのが一般的です。ただし、火葬場・葬儀社の空き状況や家族の希望などによって日程を調整する必要があります。この記事では、お通夜の日程を決める際に押さえておきたいポイントや、お通夜までの準備と手順、訃報の告知方法について紹介します。

お通夜とは

お通夜とは、葬儀・告別式の前夜、遺族や親族、友人など故人と親しい関係の人が集まり、故人を偲びながら最後の夜を過ごす儀式です。もともとは夜通し灯りを消さずに、ご遺体を見守り故人の霊を慰めるといった意味がありました。
お通夜の後には参列者を食事でもてなす「通夜振る舞い」がおこなわれます。昨今では会葬者を迎えて2時間程度で終える「半通夜」が主流となっています。

お通夜はいつおこなう?

お通夜をいつおこなうかに決まりはありませんが、亡くなった翌日の夜におこなわれることが多いようです。亡くなった当日に家族だけで過ごすのを「仮通夜」、翌日に一般の弔問客を迎えておこなうのを「本通夜」とも呼びます。
現代のお通夜は「本通夜」にあたり、「仮通夜」をするケースが少なくなっています。翌日の夜までにお通夜の告知や火葬場の手配が間に合わない場合は、翌々日におこなっても構いません。
仮通夜・本通夜の違いについては、こちらの記事を参考にしてください。

お通夜の日程の決め方│5つのポイント

お通夜は、基本亡くなった翌日におこなわれますが、さまざまな事情を考慮して決める必要があります。ここでは、お通夜の日程を決める際に押さえておきたいポイントを紹介します。

亡くなってから火葬までの時間を考慮する

お通夜は、亡くなってから火葬までの時間を見て決める必要があります。日本では法律上、特定の感染症などの場合を除き、死後24時間以上経たないと火葬することができません。現代の医療発展により、仮死が見過ごされるケースはほとんどないものの、昔は誤診の可能性も考えられていたことから、24時間以上の安置が義務付けられています。
そのため死亡が診断された後、火葬までに24時間以上時間が経過するよう、お通夜の日程を組む必要があります。

火葬場・葬儀場の空き状況を確認する

火葬場と葬儀場の空き状況により、お通夜や葬儀・告別式の日程が左右されます。公営の火葬場は数が限られるため、予約が多く順番待ちすることがあります。亡くなる人が多い真夏や真冬は予約が取りにくいことも考えられます。また、希望する葬儀場が空いていない場合にも、お通夜の日程をずらすことになるので両方の確認が必要です。

菩提寺・親族と日程の調整をする

菩提寺があり来ていただく場合は、僧侶の都合を確認する必要があります。

また、突然の訃報を受けても、遠方の在住者や仕事の都合、年末年始や夏休みの旅行中などで、すぐに駆けつけられない親族もいるでしょう。親族全員の都合に合わせるのは難しいですが、故人との関係性を考慮しつつ日程を調整しましょう。

火葬の日が友引にならないようにする

お通夜を友引の日にすることは問題ではありませんが、友引の日は休みになる火葬場も多く見られます。友引とは中国起源の暦「六曜」の考え方で、お祝い事に良いとされている日です。また、漢字の意味合いから「弔事が友を引き連れて行く」と連想されるため、お通夜や葬儀・告別式をおこなうことを気にする人もいます。火葬場の休みとの兼ね合いも見て判断すると良いでしょう。

地域の風習を確認する

地域によって昔ながらの風習やしきたりがないかも確認しましょう。お通夜の後に葬儀・告別式、そして火葬という流れが一般的ですが、火葬が先におこなわれるところもあります。また、亡くなった当日に通夜をおこなう地域もあるようです。わからない場合は、周囲の人や地域の葬儀社に確認すると安心して進められます。

お通夜までの準備と手順

お通夜の日程がある程度決まったら、手順を踏んでお通夜の準備を進めましょう。続いてはお通夜までにやるべき準備とその手順を紹介します。

1. 喪主・世話役を決める

故人の遺言書に喪主の指定がある場合は、遺言に従って決めます。遺言書がない場合には、故人の配偶者や後継者、血縁関係が深い人が務めるのが一般的です。喪主は役所対応や葬儀社への連絡、訃報通知など役割が多いため、弔問客の対応など通夜当日の仕事を手伝ってくれる世話役を決めておくと安心です。

2. 葬儀社・菩提寺に依頼する

一般的にお通夜は葬儀社に依頼することが多いため、葬儀社に連絡を入れます。仏式の場合、菩提寺にも連絡して僧侶のスケジュールを確認する必要があります。もし菩提寺側の都合がつかない場合は、同宗派や同門のお寺を紹介してもらいましょう。葬儀社や菩提寺と一緒に、お通夜や葬儀・告別式の内容を決めていきます。通夜振る舞いや精進落としなどの食事もこの時に相談します。

3. 火葬場の予約をする

火葬場の空き状況も見て、他の条件と合う日に予約を入れます。地域によっては先着順の火葬場もあるので、速やかに決めることをおすすめします。火葬の日程が決まったら、お通夜と葬儀・告別式の日程を決めます。

4. お通夜、葬儀・告別式の日程を告知する

親族や故人の友人、仕事の関係者にお通夜と葬儀・告別式の日程を告知します。遠方からの弔問客に、近隣のホテルなど宿泊施設の手配や案内も必要です。弔問客の自己負担になる場合は、負担が大きくない宿泊施設を案内しましょう。

お通夜の日程の告知方法

大切な人が亡くなったら、故人と関係が深い人になるべく早く訃報の連絡を入れましょう。ここでは、お通夜や葬儀・告別式の日程を伝える方法を紹介します。

1. 訃報を知らせる人をリストアップする

「故人の訃報を一刻も早く知らせたい人」、「通夜・葬儀の日程が決まったら連絡する人」のように優先順位を決めてリストアップしておきましょう。

<連絡する優先順位>

  1. 家族:配偶者・子ども・孫・兄弟姉妹
  2. 親戚:叔父(伯父)・叔母(伯母)・甥・姪・従兄弟など
  3. 故人が親しかった人:友人・仕事関係の人・趣味仲間など
  4. 地域関係者:近隣の人・町内会の人など

2. 訃報を知らせる手段を選ぶ

連絡の手段は電話でするのが一般的ですが、状況によって手紙やメール、新聞広告などを使い分けましょう。

<訃報の連絡手段>

  • 電話:迅速かつ確実に伝えるのに適しています。
  • はがき・手紙:「死亡通知書」として郵送します。多くの人へ通知をする際に便利です。
  • 新聞の死亡広告:広い交友関係や高い地位にあった場合に利用されます。
  • メール・SNS:友人や知人に伝える場合に利用します。
  • 地域の掲示板・回覧板:地域関係者(近隣の人・町内会の人など)に告知します。

昨今はデジタルでの訃報案内も増えているので、メール・SNSでの連絡もよほど厳格な相手でなければ問題ないでしょう。

3. お通夜や葬儀・告別式の日時と場所を伝える

お通夜や葬儀・告別式が決まったら、端的に内容を伝えます。手紙やメールなどの文例は以下を参考にしてください。
<文例>
【訃報】〇〇死去のお知らせ
父〇〇につきましては、かねてより病気療養中のところ、令和△年△月△△日、△歳にて永眠いたしました。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んで通知申し上げます。
なお、通夜式及び葬儀・告別式は、下記の日程で執りおこないます。
  • 通夜式:△月△日(〇曜日)△時~△時
  • 葬儀・告別式:△月△日(〇曜日)△時~△時
  • 会場:〇〇ホール
  • 住所:〇〇〇〇
  • 電話番号:△△△△△△△―△△△△
  • 喪主:〇〇〇〇(続柄:〇〇)
訃報を伝えるときの詳しい連絡の仕方や例文は以下の記事を参照にしてください。

故人と大切な時間を過ごせるお通夜の日程を決めよう

お通夜は故人が亡くなった翌日や翌々日におこなわれるのが一般的ですが、火葬場や葬儀社の空き状況などによってはすぐにおこなえない場合もあります。親族の希望や地域の風習も確認しながら日程を調整すると良いでしょう。大切な人との残り少ないお別れの時間を悔いなく過ごせるよう、お通夜の準備をすすめてください。
お通夜の流れは、こちらの記事で解説しています。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了