家族葬の香典辞退の伝え方|タイミング別の文例や注意点を紹介

お葬式のマナー・基礎知識
家族葬の香典辞退の伝え方|タイミング別の文例や注意点を紹介

この記事はこんな方におすすめです

香典を辞退する場合の作法を知りたい
香典を辞退するメリット・デメリットを知りたい
親しい人のみで家族葬をおこなう場合、香典を辞退するケースがあります。香典はお悔やみの気持ちを表すものであるため、辞退は失礼にあたるのでは……と悩む人もいるでしょう。今回は、家族葬で香典を辞退する際の理由やタイミング別の文例を紹介。香典辞退の注意点、メリット・デメリットについても解説します。

家族葬の香典辞退で失礼でない理由の伝え方は?

家族葬で香典を辞退する場合は、「故人の遺志である」ことを伝えると相手に対して失礼な印象を与えません。最近では大規模な葬儀はおこなわず、親しい人のみでおこなう家族葬を選ぶ人も増えてきました。家族葬では、主に次のような理由で香典を辞退するケースがあります。
<香典を辞退する理由>
・参列者の金銭的負担を減らしたい
・小規模でこぢんまりとおこないたい
・香典返しの手間をなくしたい
香典の受け渡しは一般的なマナーとされているため、断られると違和感や不満を持つ人もいるかもしれません。そのため、「故人の遺志を尊重して」「故人が近しい人たちに負担をかけたくないと言っていたので」といった言葉を添えると、香典辞退を受け入れてもらいやすいでしょう。

【タイミング別文例】家族葬の香典辞退の伝え方

実際に家族葬で香典を辞退するタイミングや伝え方の文例を紹介します。タイミングによって伝え方の注意点が異なるので、事前に確認しておくと迷いなく対応できます。

訃報とともに電話・メールで伝える場合

①葬儀に参列する人に香典辞退を伝える文例
葬儀に参列する人へは、葬儀の日程や場所を伝えるタイミングで、香典辞退について説明するのが一般的です。葬儀の前に伝えておくことで、当日はスムーズに葬儀を進められます。
<文例:電話>
突然のお電話失礼いたします。
〇〇(故人の名前)の娘の〇〇です。
〇月〇日に母が他界しました。
葬儀は母の遺志により家族葬にて身内のみで見送りたいと考えております。
〇〇ホールにて、通夜は明日〇日〇時から、葬儀・告別式は明後日〇日〇時からです。
また香典につきましては誠に勝手ながら辞退させていただきます。
<文例:メール>
父〇〇が去る〇月〇日に永眠いたしました
葬儀・告別式は〇月〇日午後〇時より 〇〇区の〇〇ホールにて執りおこなう予定です
葬儀は故人の生前からの希望により 近親者のみでおこないます
なお 葬儀のお供えや御香典につきましては 故人の遺志によりご辞退させていただきたくお願い申し上げます

喪主〇〇〇〇
②葬儀の参列を控えていただく方に香典辞退を伝える文例
家族葬にて参列者を限定する場合は、参列をお願いしたい方に案内を出し、参列をお願いしない場合は、葬儀後に挨拶状を送ります。ただし関係性によって訃報を早くお知らせしたい場合は、葬儀の日時、場所などの詳細はお伝えしません。
<文例:電話>
突然のご連絡大変失礼いたします。
〇〇(故人の名前)の息子の〇〇です。
本日午前〇時に父が亡くなりました。生前には、父が大変お世話になり、ありがとうございました。
故人の生前の遺志により、葬儀は近親者のみで家族葬で執りおこなう運びとなりました。ご会葬やご香典などにつきましても、故人の遺志によりご辞退申し上げます。
<文例:メール>
父〇〇が去る〇月〇日に永眠いたしました
葬儀におきましては 故人の生前の意志により 家族のみにて執りおこないます
なお 弔問及び御香典や御供花につきましても ご辞退させていただきたくお願い申し上げます
生前中賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げます

喪主〇〇〇〇

式場で案内するときに伝える場合

葬儀場で参列者に向けて香典辞退を伝える場合の文例です。一般的には、受付の前に香典を辞退する旨を記載した看板を設置します。加えて、受付の際に口頭でも伝えるとより丁寧です。
<文例:看板>
本葬儀は 故人の遺志によりご香典は辞退申し上げます

葬式後に伝える場合

家族葬の場合は、参列者以外には事前に訃報を知らせず、葬儀後に報告することもあるでしょう。報告するタイミングに決まりはありませんが、できれば葬儀後1〜2週間後、遅くとも四十九日法要までには訃報とともに香典辞退を伝えるようにします。連絡方法はハガキが主流ですが、親しい中であれば電話やメールでも問題ありません。
<文例:ハガキ>
生前はご交誼を賜りありがとうございました
父〇〇が 去る〇月〇日に 永眠いたしました
ここに謹んでご通知申し上げます
なお 誠に勝手ではありますが 故人の遺志により 葬儀は 〇月〇日 近親者のみで執りおこないました
御香典 御供え物につきましては 故人の遺志により 固くご辞退申し上げます
本来ならば早くお伝え申し上げることでございましたが ご通知が遅れましたことを ご容赦ください

令和〇年〇月〇日
住所 〇〇〇〇
喪主 〇〇〇〇

香典を辞退したのに渡された場合の対応

香典を辞退したとしても、それでも渡したいという人が中にはいるでしょう。その場合は、相手の想いを尊重し不快な気持ちにさせないよう、例外的に受け取るようにします。ただし、他の参列者にも香典辞退の旨を伝えているのであれば、少なくとも一度は断りを入れるのが筋です。
香典の受け取りは、できるだけ他の参列者の目につかない場所でおこなうのが無難です。香典返しは後日送りますが、辞退する旨を伝えていたのであれば、必ずしも送らないといけないというわけではありません。

家族葬で香典辞退をする際に押さえておきたいポイント

家族葬で香典を辞退する場合は、参列者に伝えるだけではなく葬儀社とも話し合っておくことで、滞りなく葬儀を執りおこなえるでしょう。注意しておきたいポイントを紹介します。

香典辞退は事前にかつ明確に伝える

香典辞退を伝えるタイミングは何度かありますが、参列者にはなるべく事前に伝えるのが望ましいです。事前に香典辞退を伝えていなければ、参列者は香典を準備してくるのが一般的だからです。
案内状やメール、電話で明確に伝えておけば、参列者が香典について悩むこともないでしょう。供花や供物も辞退したい場合は、香典辞退とあわせて伝えておきます。

葬儀社にも香典辞退することを伝える

家族葬をおこなう際に、香典や供物、弔問を辞退すると決めたら、葬儀社にも必ず伝えることが大切です。家族葬は参列者が限定されるため、参列できない代わりに香典や供物が送られるケースも。辞退したい意向が葬儀社に伝わっていない場合、香典や供物の受け取りや弔問の受け入れをすることになりかねません。
受付に置く香典辞退の看板も、葬儀社と話し合って準備する必要があります。あらかじめ意向を伝えておくことでトラブルが避けられ、スムーズに家族葬を執りおこなえるでしょう。

家族葬で香典辞退をするメリット・デメリット

香典を辞退するメリットは、遺族・参列者双方の負担が減ることです。しかし、遺族側は葬儀の費用負担において留意しておく必要があります。家族葬で香典辞退をする際のメリット・デメリットを紹介します。

家族葬で香典辞退をするメリット

香典を辞退する遺族側のメリットは、香典返しをしなくても良いことです。香典を受け取った場合は、香典返しをするのが基本。訃報を聞いた人が葬儀後に香典を送ってきたり弔問に来たりした場合、その度に香典返しや弔問客の対応をする必要があります。
あらかじめ辞退することを伝えておけば、参列者も香典を準備する必要がありません。双方の負担がなくなるのは大きなメリットと言えるでしょう。

家族葬で香典辞退をするデメリット

香典を辞退するデメリットは、香典による収入が見込めなくなる点です。香典を辞退した場合は、葬儀費用をすべて自己負担することになります。
香典を辞退することによって相手が不快に思う場合があることもデメリットの一つ。参列者や親族との関係性のほか、地域の慣習にも配慮した上で、香典辞退するかを検討してください。

家族葬の香典辞退は伝え方が大事

家族葬で香典を辞退する理由はさまざまですが、「故人の遺志である」ことを伝えると受け入れてもらいやすいでしょう。辞退する際は、相手の気持ちを汲み取り、配慮のある言葉や文章で伝えることが大切。香典を辞退することで葬儀費用の自己負担が増えることも念頭に入れつつ、葬儀社と相談して家族葬の準備を進めてください。

監修:1級葬祭ディレクター 安藤徹舟(あんどう てっしゅう)

接客から管理職まで葬儀社歴25年。「家族葬」の黎明期からお葬式の変遷を見てきた経験を活かし、新しい葬送サービスの開発を担当している。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)