花祭壇でお別れを。好きな花に囲まれた最後にするために

わたしのお葬式
花祭壇でお別れを。好きな花に囲まれた最後にするために
お葬式の祭壇を生花や造花で飾ったものが花祭壇(はなさいだん)です。祭壇とは故人の遺影やお花、お供え物を飾る台で、幅は約2.5mのものを中心に、約1m~5mほどのものがあります。儀礼的な一般葬に比べて自由度の高い家族葬が増えている今、自分が好きな花を取り入れたり、故人が生前好きだった花を飾る花祭壇の人気が高まっています。

祭壇を設ける意味と花祭壇の概要

祭壇は、葬儀の象徴的かつ中心的なものです。まず初めに、葬儀会場に祭壇を設置する意味と、花祭壇の概要から紹介します。

祭壇とは

祭壇とは、葬儀会場の最奥に設置される台のことです。お供え物や遺影などを飾り、故人の安らかな眠りを祈ります。台の幅は約1m~5m、高さも1段~3段ほどと数多くあり、プランや式場の広さによって選べるサイズが異なります。白木祭壇や生花祭壇など、使用する素材、飾るモチーフなどによって種類もいくつかあります。

花祭壇とは

名前の通り花で飾った祭壇のことで、生花祭壇(せいかさいだん)とも呼ばれます。どの宗教宗派でも利用できる上、無宗教でも使用可能です。生花ではなく造花が飾られる花祭壇もあります。

花祭壇に使用する花と宗教宗派の関係

古くから、日本の葬儀の祭壇には樒(しきみ)という植物が用いられてきました。しかし、近年では季節に関係なく手に入ること、花自体も強く長持ちすることから、菊の花が選ばれることが増えました。
これまで花祭壇に飾る花は、宗教上の決まりを重視して選ばれてきましたが、最近は寛容になってきています。時代が変わり、海外の花が多く輸入されるようになったことも、葬儀でさまざまな種類の花が使用されるようになった理由の1つです。
とはいえ、日蓮正宗の葬儀では今でも樒以外の植物の使用は認められていません。創価学会の友人葬では、近年になって花飾りが認められましたが、本尊の周りは樒で飾ることもあります。
また、神式の葬儀では榊(さかき)を主に使用するほか、キリスト教式ではカーネーションなどが使用される傾向にあります。このように、宗教上の理由で飾る花が制限されることもあります。

近年は花祭壇が人気を集めている

以前は仏式の葬儀と言えば、以前は仏式の葬儀と言えば、木に彫刻が施された、お神輿や城門のような白木祭壇(しらきさいだん)が一般的でした。しかし時代が変化し、故人や家族の意向を重視する家族葬が増えるとともに、花祭壇を選ぶ人も増加しています。また都市部では1日葬などが増え、遠方から僧侶を呼ばなくなったことにより、白木祭壇でなければならないという制約が減ったことも花祭壇が選ばれる理由の1つと考えられます。
家族葬は家族や親族、親しい友人など、故人と近い人でおこなう葬儀なので、自由度が高いのが利点です。故人らしさを演出したい、故人の好きな花で祭壇を飾りたいと考える遺族の要望に花祭壇はマッチします。思い入れのある花で飾られた花祭壇は温かい雰囲気も感じられます。ただし、生花には旬の季節があるので、真冬にはヒマワリの生花ではなく造花を求めるのが正しい選択です。

花祭壇の種類

花祭壇には、生花祭壇・造花祭壇・折衷祭壇(せっちゅうさいだん)の3つがあります。こちらでは、それぞれの特徴や価格を紹介します。

生花祭壇

名前の通り、生花を使用したものが生花祭壇です。花祭壇を希望する多くの人がこちらを選択しています。メリットは、生花をたっぷり使うことで祭壇を華やかに飾れること。その一方で、花期ではないものや珍しい花、大量の花を使用すると費用が高くなります。使用する花によって変動しますが、価格の目安は30万円からです。
また、最近では生花メインでその中に造花を組み込む祭壇も少しずつ増えてきています。例えば、近くにある花は手に取れるように生花を使い、祭壇の奥にあって手で触れられない部分には造花を使用します。遠目で見た分には生花祭壇とほぼ同じなので、区別がつきにくい点が特徴です。

造花祭壇

造花祭壇は本物の花に似せて作った花を全体に使用したものです。シルク祭壇とも呼ばれます。造花なので季節ではない花で飾れたり、アート性の高いデザインを実現できたりします。また、花の傷みを気にする必要がない点や、生花よりも価格を抑えられるところも魅力。価格の目安は20万円からです。

折衷祭壇

折衷祭壇は、白木祭壇と花祭壇を融合させたものです。ベースは白木祭壇で、そこに花を組み込んでいきます。荘厳な白木祭壇と、華やかな花祭壇の良いとこ取りと言えるタイプです。白木祭壇と花の費用がかかるため、生花祭壇・造花祭壇よりも費用は高めになる傾向にあります。

ファミーユで扱う花祭壇のデザイン例

家族葬のファミーユでは、展開地域で異なる花祭壇を用意しています。今回は、宮崎と熊本エリアで扱っている花祭壇のデザイン例と、使用する花を紹介します。

宮崎のファミーユホール

ファミーユの宮崎エリアでは、白のスプレー菊を中心に季節の花をあしらったカラフルな花祭壇が特徴です。プランによって花の量や種類、色合いは異なりますが、ご希望の色合いで作成することも可能です。
また、四季の祭壇はそれぞれの季節をイメージできるようにしています。例えば、春であれば桜、夏はヒマワリ、秋はモミジなどです。

熊本のファミーユホール

ファミーユの熊本エリアでは、既定のデザインだけではなく、要望に沿った花祭壇も準備しています。季節の花を使用するのはもちろんのこと、故人との思い出の風景・場所や、好きだった文字をデザインしたもの、お好きな色合いなど、さまざまな想いに対応可能です。
また、季節をイメージした花祭壇も扱っています。春はピンクや黄色を基調とし、桜を使用することで、日差しがやわらかな季節にぴったりな花祭壇に。
夏はさわやかな白や紫を基調としてヒマワリを、秋はオレンジや赤を基調としてモミジを、冬は雪を連想させる白の花のみを使用するなど、それぞれの季節に合った花祭壇を作成しています。
いずれも季節を表現するために造花を使用していますが、可能な限りその季節に咲く花で飾れるように努めています。

理想の花祭壇を実現するには

理想の花祭壇を実現するために知っておきたい、プラン内容や希望する花がある場合の対応方法をファミーユへのオーダーを例に紹介します。

「らしさ」が出せるファミーユのオリジナルプラン

ファミーユのオリジナルプランは、祭壇が最大幅(約5m)となり、花を使ったデザインの中でも多くの選択肢があります。季節の祭壇や思い出の場所を模したアレンジも可能で、その人の人生を辿り、描きだすような花祭壇ができます。
過去には、ゴルフのグリーンを模したり、海の波を表現したりするなど、故人が好きだったものとして遺族の希望された個性的な花祭壇を実現したこともあります。
また、希望される花を使用した「華オブジェ」はもちろん、思い出の数々を飾る「思い出パネル」、思い出を映像にして家族や親しい人と振り返る「メモリアルムービー」など、花祭壇の他にも数々のサービスを用意しています。オリジナルプランに含まれるサービス内容は地域によって異なるため、担当者へお気軽にご相談ください。
花祭壇の料金は地域によっても異なります。どの葬儀社に依頼をしても、プラン価格が70万円~100万円以上になると、生花を使った豪華な花祭壇になることが多いです。上記はあくまで一般例なので、祭壇に含まれるお花の種類や内容は依頼前に担当者に確認してみると良いでしょう。

希望の花を使用したいときは相談を

取り入れたい花や色のイメージがある場合は、「こんな色の花が好き」「こんな祭壇にしたい」など、希望する花の種類や色、予算を担当者へ伝えます。
プランや希望する花祭壇だけでなく、葬儀に関することは葬儀担当者へ何でも相談してください。きちんとした葬儀社であれば、会話の中から「どんなお葬式にしたいか」を汲み取り、ご家族が故人ときちんと向き合えるお葬式を提案してくれることでしょう。

その人らしさを表現した花祭壇でお別れを

花祭壇は、花が好きだった故人への想いや「その人らしさ」を表現できます。個性と温かみを感じる花祭壇で、故人と最期のお別れをしてはいかがでしょうか。祭壇の種類や飾る花によって見た目や雰囲気は変わるので、希望する場合はどんなものにしたいのか葬儀社のスタッフに相談をしてくださいね。