神道の法事「神事」は、仏教と何が違うのか？
お葬式のマナー・基礎知識
神道と仏教は、儀式の種類や内容はもちろん、マナーも違います。とくに神道の法事にあたる「神事（しんじ）」は、仏教の法事に比べて参列する機会も少ないため、もし招かれたら不安になることも多いでしょう。ここでは、神事の内容や注意点などを詳しく解説していきます。
神道の法事「神事」の種類
故人を極楽浄土に送るためにおこなわれる仏式と違い、神式（神道）の葬儀は故人を家に留めて守護神とするための儀式です。
そのため、神道のさまざまな儀式は、家や墓前、納骨堂の礼拝所などでおこなわれます。
厄払いや祝福などの祭りごとをする場所であり、神聖な場所とされている神社では神式の法事「神事」がおこなわれることはありません。
そのため、神道のさまざまな儀式は、家や墓前、納骨堂の礼拝所などでおこなわれます。
厄払いや祝福などの祭りごとをする場所であり、神聖な場所とされている神社では神式の法事「神事」がおこなわれることはありません。
霊祭・式年祭
「霊祭」は、神式の法要に当たる儀式のこと。故人の死後100日目までに当たる儀式を霊祭、または「霊前祭」といいます。故人の御霊を慰め鎮めることが目的です。
また、亡くなって1年目の命日以降の儀式を「式年祭」と呼びます。
霊祭や式年祭は、自宅もしくは墓前でおこなわれるのが一般的です。
また、亡くなって1年目の命日以降の儀式を「式年祭」と呼びます。
霊祭や式年祭は、自宅もしくは墓前でおこなわれるのが一般的です。
翌日祭と十日祭
「翌日祭」は、葬儀の翌日におこなわれる儀式です。自宅の霊璽（れいじ）やお墓に対して、無事に葬儀が終わったことを報告します。
霊璽とは、祖先の霊を移す依り代となるもの。仏式の位牌にあたります。また、神式では亡くなってから10日目にあたる「十日祭（とおかさい）」、30日目にあたる「三十日祭（さんじゅうにちさい）」などがおこなわれます。
仏式でいう初七日法要にあたる儀式で、神主が祝詞（神主が神前で唱える言葉）奏上をおこない、招待された親族や友人が玉串奉奠（たまぐしほうてん）をします。
玉串奉奠とは、仏式の焼香のようなもので、玉串を神前に捧げ礼拝する儀式です。その後は、献杯、会食をして故人を偲びます。
霊璽とは、祖先の霊を移す依り代となるもの。仏式の位牌にあたります。また、神式では亡くなってから10日目にあたる「十日祭（とおかさい）」、30日目にあたる「三十日祭（さんじゅうにちさい）」などがおこなわれます。
仏式でいう初七日法要にあたる儀式で、神主が祝詞（神主が神前で唱える言葉）奏上をおこない、招待された親族や友人が玉串奉奠（たまぐしほうてん）をします。
玉串奉奠とは、仏式の焼香のようなもので、玉串を神前に捧げ礼拝する儀式です。その後は、献杯、会食をして故人を偲びます。
五十日祭
「五十日祭（ごじゅうにちさい）」は、仏式でいう四十九日にあたります。遺族が故人の冥福を祈って喪に服す忌服（きふく）期間を終えるタイミングです。
五十日祭では、葬儀の際に神棚や祖霊舎（それいしゃ）に貼った白い紙をはがす「清祓いの儀（きよばらいのぎ）」という儀式をおこないます。
故人の霊璽を祖霊舎に移す「合祀祭（ごうしさい）」も合わせておこなわれることが多いです。代々の祖霊とともに故人の霊が一家の守護神になります。祖霊舎とは、仏壇に当たるもので、祖先の霊を祀る神棚のことです。
五十日祭では、葬儀の際に神棚や祖霊舎（それいしゃ）に貼った白い紙をはがす「清祓いの儀（きよばらいのぎ）」という儀式をおこないます。
故人の霊璽を祖霊舎に移す「合祀祭（ごうしさい）」も合わせておこなわれることが多いです。代々の祖霊とともに故人の霊が一家の守護神になります。祖霊舎とは、仏壇に当たるもので、祖先の霊を祀る神棚のことです。
百日祭と式年祭
故人の死後100日目になると「百日祭（ひゃくにちさい）」がおこなわれます。仏式の法要でいうところの百箇日（ひゃっかにち）です。
百日祭以降は、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭と式年祭があり、それ以降は5年おきに御霊祭があります。百日祭では神前に物を備える献饌（けんせん）、祝詞奏上（のりとそうじょう）、玉串奉奠がおこなわれ、親族や友人などを招いて献杯、会食の場を設けるのが通例です。
百日祭以降は、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭と式年祭があり、それ以降は5年おきに御霊祭があります。百日祭では神前に物を備える献饌（けんせん）、祝詞奏上（のりとそうじょう）、玉串奉奠がおこなわれ、親族や友人などを招いて献杯、会食の場を設けるのが通例です。
神事の注意点
一般的な仏式の法事に馴れているからといって、ついついその流れで神事にのぞんでしまうと意外なマナーの違いに驚いてしまうかもしれません。
仏式の法事と変わらない点もありますが、神式独自のマナーなども存在するため、十分注意しておきましょう。
仏式の法事と変わらない点もありますが、神式独自のマナーなども存在するため、十分注意しておきましょう。
基本的なマナー
神式の法事にあたる、神事や霊祭でも、仏式と同じように料理が準備されます。
そのため、案内状には必ず返信するようにして、代理出席の場合も事前に連絡をしておきましょう。
神式の法要、法事では「他界」「冥福」「成仏」「供養」などの言葉は禁句です。
また、数珠も不要です。
拝礼の際の基本は、「二拝二拍手一拝（にはいにはくしゅいっぱい）」となっています。
そのため、案内状には必ず返信するようにして、代理出席の場合も事前に連絡をしておきましょう。
神式の法要、法事では「他界」「冥福」「成仏」「供養」などの言葉は禁句です。
また、数珠も不要です。
拝礼の際の基本は、「二拝二拍手一拝（にはいにはくしゅいっぱい）」となっています。
神道の法事での服装
神事や霊祭での服装は別段変わったものは必要ありません。
仏式の場合と同じように喪服を着用します。男性は黒のスーツに白シャツ、女性は黒のスーツやワンピースが一般的です。
靴下やバック、小物などは喪服と同じように黒で合わせ、派手なアクセサリーや小物は控えましょう。
結婚指輪以外のアクセサリーは着用しないのが無難です。
案内状に平服参列の旨がある際は、落ち着いた色のスーツやワンピースで大丈夫です。
仏式の場合と同じように喪服を着用します。男性は黒のスーツに白シャツ、女性は黒のスーツやワンピースが一般的です。
靴下やバック、小物などは喪服と同じように黒で合わせ、派手なアクセサリーや小物は控えましょう。
結婚指輪以外のアクセサリーは着用しないのが無難です。
案内状に平服参列の旨がある際は、落ち着いた色のスーツやワンピースで大丈夫です。
神事での独自の儀式
神事にはいくつか独自の儀式が存在します。
たとえば神棚や祖霊舎の扉を閉じて、白い紙を貼る儀式は「神棚封じ」と呼ばれます。死は穢れとされているため、神棚や祖霊舎に穢れがうつらないようにします。
また、「玉串奉奠」では、榊（さかき）の枝に紙をつけた玉串を神にささげ、亡くなった方の御霊を慰めます。仏式で言う焼香に当たる儀式です。
たとえば神棚や祖霊舎の扉を閉じて、白い紙を貼る儀式は「神棚封じ」と呼ばれます。死は穢れとされているため、神棚や祖霊舎に穢れがうつらないようにします。
また、「玉串奉奠」では、榊（さかき）の枝に紙をつけた玉串を神にささげ、亡くなった方の御霊を慰めます。仏式で言う焼香に当たる儀式です。
神事での香典
神事では、現金を包んだ香典か、落雁（らくがん）や果物を供物（くもつ）として持っていきます。
香典の書き方や金額については仏式とは異なる箇所がありますので、事前に確認しておきましょう。
香典の書き方や金額については仏式とは異なる箇所がありますので、事前に確認しておきましょう。
香典袋の書き方
神式での香典袋は、無地に白黒や銀の水引がかかっているものを使用します。
蓮模様は仏式のものになりますので、蓮の花の柄が入っていないものを選びましょう。
表書きは「御神前（ごしんぜん）」、「御玉串料（おたまぐしりょう）」などが一般的です。「御榊料（おさかきりょう）」や「御神饌料(ごしんせんりょう)」、「御供（おそな）」、そして、「幣帛料（へいはくりょう）」なども使われます。
神道にも宗派は存在しますが、仏式のように宗派によって表書きが違うなどの注意点はありません。
蓮模様は仏式のものになりますので、蓮の花の柄が入っていないものを選びましょう。
表書きは「御神前（ごしんぜん）」、「御玉串料（おたまぐしりょう）」などが一般的です。「御榊料（おさかきりょう）」や「御神饌料(ごしんせんりょう)」、「御供（おそな）」、そして、「幣帛料（へいはくりょう）」なども使われます。
神道にも宗派は存在しますが、仏式のように宗派によって表書きが違うなどの注意点はありません。
香典の金額
神式での香典の金額は仏式と同様に、故人との関係や参列者の年齢などによって決まります。
親族の場合は1万円から10万円が相場。
両親や兄弟の場合は3万円から10万円、知人の場合は3千円から1万円、上司や同僚の場合は5千円から1万円ほどが相場になっています。
親族の場合は1万円から10万円が相場。
両親や兄弟の場合は3万円から10万円、知人の場合は3千円から1万円、上司や同僚の場合は5千円から1万円ほどが相場になっています。
持参するお供え物について
神式ではお供え物のことを「神餞物（しんせん）」と呼び、お供えをすることを「献選（けんせん）」と言います。
主に食べ物をお供えしますが、個人が生前好きだった食べ物や餅、菓子、果物、酒などを持参するのが良いでしょう。
基本的に禁止されているものはありません。神式では仏式の葬儀のように花を飾る風習はないため、花は避けたほうが賢明です。
また、線香やロウソクなど仏式で用いられるものも、お供え物としては適していません。
主に食べ物をお供えしますが、個人が生前好きだった食べ物や餅、菓子、果物、酒などを持参するのが良いでしょう。
基本的に禁止されているものはありません。神式では仏式の葬儀のように花を飾る風習はないため、花は避けたほうが賢明です。
また、線香やロウソクなど仏式で用いられるものも、お供え物としては適していません。
神道の法事「神事」で慌てないためにも
神事は仏式の法事に比べると参列する機会が少ないため、周囲に知識がある人も少ないかもしれません。事前に流れやマナーを知っておくことが大切です。
いざというときに慌てることのないようにしましょう。
いざというときに慌てることのないようにしましょう。
