一日葬のメリットとデメリットとは。後悔しない葬儀のために

わたしのお葬式
一日葬のメリットとデメリットとは。後悔しない葬儀のために

この記事はこんな方におすすめです

一日葬について知りたい人
一日葬を選択しようと考えている人
お通夜を省略し葬儀・告別式と火葬を1日でおこなう一日葬。親族であっても何日も集まることが難しい昨今、新型コロナウイルスの影響もあり、一日葬を選択する人は増加しています。この記事では、一日葬のメリット・デメリット、どのような人に向いているかを解説し、一日葬で後悔しないためのポイントを紹介します。

一日葬のメリット

お通夜をおこなわない一日葬には、お葬式にかかる時間が減る、遺族や参列者の負担が減る、費用が抑えられる、といったメリットがあります。

お葬式にかかる時間が減る

一般的なお葬式では、2日にわたってお通夜、食事、葬儀・告別式、火葬などがおこなわれ、長い時間がかかるものです。そのため、遺族や親族が高齢であればあるほど負担がかかってしまいます。
一日葬であれば、1日で葬儀・告別式と火葬が終わるため、お葬式のスケジュールは1日だけみておけば良くなり、準備の負担も軽減されます。ただし、火葬場の混雑状況によっては、安置の時間が1週間から10日かかる場合もある点には注意が必要です。

遺族や参列者の負担が減る

一日葬は1日で火葬まで終わることから、離れた地に住む参列者でも日帰りができます。宿泊費や旅費が必要なくなるほか、泊まる場所を探す手間も必要ありません。一日葬は、遺族だけではなく参列者にとってもメリットがあると言えます。
一日葬には、遺族と参列者双方の手間や負担を軽減するメリットがあるのです。

費用が抑えられる

一日葬のほとんどは、お通夜を省略する形式でおこなわれます。通常はお通夜と葬儀・告別式を2日にわたっておこなうため、会場や料理は2日分必要です。一日葬の場合はお通夜が省略され、1日で葬儀・告別式と火葬をおこなうので、その分の式場代やお通夜の返礼品・飲食などの費用が軽減されます。

一日葬のデメリット

さまざまな負担を軽減できる一日葬ですが、一方で、参列できない人が出る可能性・周囲から反対される可能性がある、弔問対応が増えることがあるといったデメリットもあります。

参列できない人が出てくる

1日で葬儀・告別式を終わらせることから、故人と別れる時間をゆっくり取れないデメリットがあります。一日葬は朝や昼間から開始されることが多く、仕事や学校がある人はお別れができないことも考えられます。
その点、通常の葬儀・告別式では、2日間のうちどちらかだけ参列してもらうことが可能です。

周囲から反対される可能性がある

一日葬は比較的新しい形式のため、伝統的な形式を重視している人からは理解されにくいというデメリットもあります。
日本でよくおこなわれる仏教のお葬式は、お通夜と葬儀・告別式をセットでおこうのが一般的です。そのため、菩提寺や親族、参列者から反対される可能性があります。一日葬をおこなう場合、遺族や親族でしっかり話し合って決めなければ、後からもめる原因になりかねません。

葬儀・告別式後に弔問客が増えることがある

一日葬は通常の葬儀・告別式よりも日が限られているため、参列できる人も限られます。そのため、亡くなったことを後から知った人が、弔問のために自宅に行きたいと希望することも考えられるでしょう。
弔問対応は遺族がおこなうため、葬儀・告別式後の負担を考えるとデメリットになると言えます。
一日葬の詳しい形式については、こちらの記事でも紹介しています。

どういう人が一日葬に向いている?

一日葬には一長一短があり、すべての人に向いているわけではありません。一日葬に向いているのは、葬儀・告別式の費用を少しでも抑えたい、かける時間や参列者の負担を減らしたい人です。

葬儀・告別式はしたいが費用は抑えたい人

お別れの場は設けたくても、何らかの事情があり葬儀・告別式にあまり費用をかけられない人もいるでしょう。そんな人には一日葬が向いていると言えます。
地域や宗派、参列人数により差はありますが、第5回お葬式に関する全国調査(2022年)によると、お通夜ありの一般葬の場合の平均費用は110.7万円です。一日葬の場合は、式場代や飲食代、返礼品がすべて一日分でよくなるため、一般葬よりも費用を抑えられます。

火葬まで心を込めてお別れしたい人

親族以外にも火葬まで参列してほしい、という人にも一日葬が向いています。
一日葬よりも費用をさらに抑えた火葬式では、火葬前のお見送りに人数制限がある場合も。また、時間もわずかなことがほとんどです。その点、一日葬であれば、火葬式に比べて丁寧にお別れができます。予算と同様に、参列者の数も事前に把握して形式を決めると良いでしょう。

親族・参列者の負担をなるべく軽減したい人

例えば親族に高齢の人が多い、遠方に住んでいる人が多いなどの場合、2日間かけておこなう通常の葬儀・告別式は負担になることもあります。その背景から、親族や参列者の負担を減らすために一日葬を選ぶ人も増えてきています。
逆にできるだけ多くの人に来てほしい場合は、通夜もおこなう通常の葬儀・告別式が適していると言えます。一日葬を選んで後悔することのないよう、費用や時間といった側面だけではなく、参列者やお別れの時間など、さまざまな面を考慮して決めると良いでしょう。

一日葬で後悔しないためのポイント

一日葬のデメリットを考慮せずに選んでしまうと後悔するケースもあります。後悔のないように、事前に準備をしたり話し合ったりしておくと良いでしょう。一日葬を選んで後悔しないためのポイントを3つ紹介します。

葬儀・告別式に呼ぶ人を事前に決めておく

一日葬は1日で葬儀・告別式から火葬までを終えるため、慌ただしい印象になりがちです。呼ぶ人を事前に話し合っておくことで、参列者の目安をつけられ、判断しやすくなります。その際は、故人に関わった遠方の人や高齢の人などにも考慮する必要があるかもしれません。
また、当日参列できない人は弔問に来られる可能性があります。事前に呼ぶ人を決めておくと、弔問対応の目安を把握することにもつながります。

菩提寺や親族に一日葬に対応できるかを確認しておく

本来の形式を重んじている場合など、菩提寺によっては、一日葬を受け入れてもらえない場合もあります。関係がこじれると供養や納骨をしてもらえなくなることもあるため、事前に必ず菩提寺に「一日葬に対応できるか」を確認しておかなければいけません。
また、菩薩寺だけではなく、家族や親族と一日葬についてしっかり話し合っておくことも大切です。まだまだ新しい形式であることから、話し合わずに一日葬をおこなうと、もめごとに発展してしまう可能性もあるので注意してください。

弔問対応の準備をしておく

一日葬は家族のみの小規模でおこなうケースも多く、基本的に参列者の人数は限られます。参列者が少ない分、弔問客が増える可能性がある点には注意が必要です。
亡くなったことを後から知り、弔問に伺いたいと希望される人も出てくるはずです。費用や時間の負担を軽くするために一日葬を選んだのにもかかわらず、後日の弔問対応に追われてしまい、かえって負担が大きくなるおそれもあるのです。
参列者の目安をつけた後に弔問対応についても親族と話し合い、事前に対応準備をしておくことをおすすめします。

葬儀のプロに依頼・相談する

家族葬のファミーユの首都圏エリアでは、葬儀プランがすべて一日葬で設定してあります。昨今のお客様のニーズに合わせて組み立てたもので、対応もスムーズです。

例えば、一日葬の前日に、供花の配置を含めて式場しつらえの確認をおすすめしています。前日に葬儀担当者に不安な点を相談したり要望を伝えることで、安心してお葬式を任せることが出来ます。当日後悔しないためにも一日葬のプロへの依頼や相談がおすすめです。

後悔しない一日葬をおこなうためにしっかり準備をしよう

一日葬には、お葬式の費用やかかる時間を抑えられる、遺族や参列者の負担を軽減できるメリットがあります。一方で、葬儀が1日で終わるため、関係者に理解されず反対される可能性がある、参列できない人が出てくることにより弔問対応が増えることがあるというデメリットがあるのも事実。一日葬は誰にでも適しているわけではないため、費用を抑えたいから、1日で終わらせたいからと深く考えずに選んでしまうと、後悔してしまう場合もあります。後悔のない一日葬をおこなうためには、事前の話し合いや準備が必要です。故人に寄り添い、納得のいく形で最後のお見送りをしてくださいね。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーの講師も務める。東京・神奈川・埼玉を中心に都市部の葬儀相談をおこなっている。