家族葬が増えているのはなぜ?最後のお別れに選ばれる理由と注意点

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家族葬が増えているのはなぜ?最後のお別れに選ばれる理由と注意点
最後のお別れに「家族葬」を選ぶ人が増えています。家族葬とは、親しい人たちでゆっくりと最後の時間を過ごせる、家族のためのお葬式です。家族葬が増えている理由は、社会背景と個人事情の両面にあります。この記事では、家族葬が支持される理由とともに、メリットや注意点、お葬式の流れや葬儀社の選び方もあわせてご紹介します。

家族葬が増えている理由(1)社会背景

平成29年「公正取引委員会」の調査によると、【葬儀の種類別の年間取扱件数及び年間売上高】で、家族葬が増加傾向にあることがわかります。

今後もこの傾向は続くといわれていますが、家族葬が増える理由には何があるのでしょうか。ここでは、家族葬が広まった理由のひとつとして社会背景を紹介します。

家族葬が広まった社会背景①高齢化

家族葬が広まった背景の1つとして考えられるのが、社会全体の高齢化です。高齢になるほど社会との関わりが薄くなったり、親しくしていた人も少なくなったりしてしまうものです。

特に、老人ホームなどに入居している高齢の人は、社会との接点があまりなく接するのは家族のみということもあるでしょう。

このような状況で亡くなってしまう場合、逝去を伝える相手がほとんどいないこともあります。縁の遠い参列者を招くよりは、家族葬でゆっくりと送ってあげたいと望む家族が増えるのは、当然といえるのではないでしょうか。

家族葬が広まった社会背景②感染症の流行

2020年の新型コロナの流行で行動制限が課されていたこともあり、身内のみ少人数でおこなえる家族葬を選択する人が増えました。家族葬ホールはコンパクトな施設が多く、1日1組限定の施設もあり、他者との三密が避けられるためよく選ばれるようになりました。

家族葬が広まった個人事情③経済的理由

円安からの物価高の影響で支出をなるべく抑えようとする動きがあります。比較的小規模である家族葬は参列者のおもてなし費用(飲食接待費、返礼品など)の出費を抑えやすくなります。経済的に有利なことから選ばれています。

家族葬が増えている理由(2)利用者の変化

家族葬を選ぶ人が増える理由には、利用者の心境や環境の変化も大きく関わっています。お葬式と言えば会社やご近所にも周知する公なものでしたが、家族や親しい人のみなどプライベートなものに変化してきています。

家族葬利用者の変化①価値観

人々の価値観が多様化している現在、葬儀の見栄えや規模を気にするよりは、小規模でも心のこもった家族葬が良いと考える人も増えています。

家族葬利用者の変化②故人の意向

書籍やインターネットなどで終活や葬儀に関する情報も手に入りやすくなり、自分の葬儀の準備をする人が増えています。

事前に準備をする人は、少子高齢化が進み核家族が増加する中で遺していく家族に大きな負担をかけたくないと考える傾向にあります。家族に迷惑をかけないように、と小規模かつ安価でおこなえる家族葬が積極的に選ばれています。

家族でのお別れの時間がしっかりとれる家族葬を選ぶことで、一家揃って満足できるお葬式ができ、家族の費用や手間などの負担も減ります。

家族葬利用者の変化③経験者の意見

家族葬のファミーユが家族葬専用ホールを日本で最初にオープンさせてから20年以上が経ち、家族葬を経験された参列者が増えていることも増加の一因になっています。インターネットの口コミなどでも体験談などが発信されており、家族葬の良さに触れる機会が増えています。

最後のお別れに家族葬を選ぶメリットと注意点

選ぶ人が年々増え、現在お葬式の主流になっている家族葬。選ぶときのメリットと、気にしておくべき注意点についてもお伝えします。

家族葬を選ぶメリットとは

家族葬をおこなう最大のメリットは、家族が故人としっかり向き合える時間を持てることです。一般葬の場合、参列者への対応などに追われて家族は疲弊してしまうこともあります。しかし、身内だけの家族葬なら、最後にゆっくり故人を偲ぶことができるでしょう。

また、形式にとらわれないのも家族葬の魅力です。故人の意向を反映した「その人らしい」葬儀がおこなえます。家族も「よいかたちで送ってあげられた」という満足感を得やすいことも魅力です。

家族葬で気をつけたいこと

家族葬で気をつけたい項目として、親族をどこまで招くかということがあります。招く人を限定しすぎると、葬儀後の弔問客が増える可能性があります。

さらに、「あの人は呼ばれたのに、自分は呼ばれなかった」などの不満がでることもあります。故人と縁が深かった人にはきちんと声をかけるようにし、お呼びしない人には近しい家族だけで葬儀をおこなう旨をきちんと報告しましょう。

家族葬とは?流れと費用も

近年、「身内だけ」、「親しい者だけ」で葬儀をおこないたいという希望から近親者だけでゆっくりと過ごせる「家族葬」を望む人が増えています。家族葬は一般的なお葬式とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、家族葬の概要や流れ、費用を解説していきます。

最後のお別れは小規模のお葬式で

家族葬は、一般葬と比較すると小規模でおこなわれるのが一般的です。明確な定義はありませんが、参列者は1~30人程度になることが多いです。一般葬と比べると「私的」な面が強いため、ご近所の方や会社関係者といった「公的なつきあい」に限られる人には、遠慮してもらうことが多いようです。
同じく小規模のお葬式として「密葬」がありますが、こちらは秘密のお葬式という意味合いが強く、後日改めて本葬やお別れ会が開かれることもあります。

かつては大会社の社長や役員、著名人の葬儀など、葬儀参列者が多くなると見込まれる場合に密葬がおこなわれましたが、最近は家族葬を選ぶ人も増えています。

流れは通常のお葬式と同じ。ただし挨拶状には注意

宗教者や火葬場の状況にもよりますが、家族葬もいわゆる普通の通夜・葬儀を2日かけておこなうお葬式の流れとほぼ同じです。通常、火葬までの段取りは次のようになります。

【1日目】
・臨終
・納棺

【2日目】
・お通夜

【3日目】
・葬儀式
・告別式
・出棺
・火葬

ただし、近年は葬儀の簡略化を望む人も増えているため、臨終の日に通夜を行いその翌日に告別式と火葬をおこなうことも珍しくはありません。

また、家族葬をおこなった後は、お葬式に招かなかった方々に挨拶状を出す必要があります。出す時期に決まりはありませんが、四十九日の法要後や納骨後が一般的でしょう。

挨拶状では、「逝去のお知らせ」、「連絡が遅れたことへのお詫び」、「故人がお世話になったことへの感謝」を記します。時期的に年末が近いなら、「喪中はがき」で代用することも可能です。

家族葬の費用やプラン

家族葬や一般葬など形式にかかわらず、葬儀には以下の3つの費用が必要です。

①葬儀社に支払う費用
②寺院に支払う(宗教者に支払う)費用
③飲食接待費

ただし葬儀規模や形態、宗教や宗派によってかかる費用は異なります。ちなみに、2022年度の葬儀社に支払う費用の全国平均額は約115万円です(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」データを元に算出)。

葬儀にかかる費用を事前にきちんと把握しておきたいなら、葬儀社が提案するさまざまなプランを検討し、見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。

例えば、家族葬を専門におこなう「家族葬のファミーユ」では、「火葬式プラン」、「家族葬セットプラン」、「オリジナルプラン」の、大きく3つのプランをご用意しています。

火葬式プランは、お迎えの車や棺など火葬に必要なもののみが揃えられています。

家族葬セットプランは、シンプルな木の祭壇から、華やかな生花祭壇、故人を清められる古式湯灌が付いたものまで多種多様。

オリジナルプランでは、葬儀の前後をしっかりとサポートし、故人ならではの祭壇やゆかりのあるお食事など、故人と家族の理想のお別れが実現できます。故人の人柄を反映できるため、記憶に残る、世界にひとつだけの葬儀が叶います。
「どの葬儀プランが故人や家族の希望に合っているか」という判断は、葬儀のプロでなければ難しい場合もあります。

価格帯も約10万円台~165万円(税抜)までと幅広く、個々のニーズに合わせて選べます。ただし、エリアによって利用できるセットプランは異なるので、どのプランが利用できるかを事前に確認してください。

まずは気軽に葬儀社へ相談して会場やプランを確かめてみてはいかがでしょうか。
「家族葬のファミーユ」で取り扱いのある、主な家族葬プランと価格の一覧はこちらで見ることができます。

よい葬儀社を選ぶコツとは

葬儀は不慣れな人が多く、ほとんどを葬儀社におまかせするという人は少なくありません。これは一般葬でも家族葬でも同じことです。故人を負担なく送り、スムーズな葬儀をおこなうには、よい葬儀社を見つけることも大切です。ここでは、葬儀社を選ぶ際に注意したいポイントをご紹介します。

葬儀見積もりや費用の明確さは重要

良い葬儀社を見極めるポイントの1つは、事前の見積もりや費用説明が明確であることです。

いくらトータル費用が安くても、内訳が曖昧で「一式」とだけ記載されているような葬儀社に対しては、不安を感じることも。後から追加請求されれば、予算が足りずにトラブルにもなりかねません。

葬儀社を選ぶ際は、費用のすべてが明確であることが大切です。内訳やその項目が必要な理由をきちんと説明してくれる葬儀社を選びましょう。また、葬儀社を選ぶ際は総額ばかりに注目するのではなく「費用に含まれていないもの」もチェックしましょう。

担当者の対応も要チェック

満足のいく葬儀にするためには担当者の対応も重要です。遺族や故人の意向をよく聞き、そのうえで複数の提案をしてくれる人が望ましいでしょう。
押しつけがましかったり契約を急かしたりする人は、「家族に寄り添っている」とはいえません。故人を送るまでずっとお世話になるのですから、担当者の印象がよい葬儀社を選びましょう。

資格があるとより安心

たくさんの葬儀社から安心できる1社を見つけたければ、「有資格者がいるかどうか」という点も参考になります。葬儀関連の資格として「葬祭ディレクター」、「仏事コーディネーター」などがあります。これらの有資格者がいる葬儀社ならばおおむね安心です。
特に葬祭ディレクターは厚生労働省の認定資格です。この資格のある人は、葬祭業全般について一定の知識を持っているといえます。

最後のお別れだからこそゆっくり故人と向き合える家族葬で

自由度が高く故人や家族の気持ちに寄り添っておこなえるのが家族葬の魅力です。一方で、「どう段取りしてよいかわからない」という人も少なくありません。お葬式を望ましいかたちでするなら、話しやすくて丁寧に説明してくれる葬儀社を見つけることが大切です。

プロの意見を参考にすれば、葬儀の準備・進行はスムーズに進みます。雑事に気を取られず、ゆっくりと故人を偲ぶことができるでしょう。形式にとらわれない家族葬で、悔いなく最後のお別れの時を過ごしてください。

ファミーユからのワンポイントアドバイス

北義憲 (都市総合支社/1級葬祭ディレクター)
北義憲 (都市総合支社/1級葬祭ディレクター)

最近はネットなどの情報で、家族葬は簡単にできる、低価格で収まる、一般の方々にお知らせすると大変なことになる、といった考えをお持ちの方がいらっしゃいます。

しかし、わたしたちの考える家族葬とは、ご家族や親しい人々が故人様を囲んで「思い出」を振り返り、自然に湧き上がってくる故人様への「感謝」の気持ちを伝えあうものです。

また、故人様が懸命に生きてこられた「証」を記憶に刻み、そのプロセスで「家族の絆」が新たに生まれる。この新たな絆が家族を失った深い悲しみを癒す一助になっていく。そのようなご葬儀を真の家族葬だと考えています。

参列者数が増えたら葬儀費用が高くなるのではないか?と不安を抱く方もいますが、「多くの香典により葬儀代金の大半を賄うことが出来ました」との声もあります。

お世話になった方々にしっかり通知をしてご参列いただくことで、一堂に会するかたちで今までの御礼が伝えられます。葬儀後に訃報を知った方からの度重なる連絡に追われることも避けられます。

残された家族が困らないようにと考えたり、家族に心配な方がいらっしゃったりする場合は事前相談をお勧めします。きっと不安が解消されて、実際の葬儀打ち合わせにおいてもいろいろと判断し易くなると思います。

アドバイザープロフィール

北義憲
■家族葬のファミーユ 都市総合支社/1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
■休日は子供と一緒にDIYを楽しんでいます