家族葬に呼ぶ人はどこまでの範囲?決める基準とトラブルを防ぐコツ

ご家族の通夜・葬式準備
家族葬に呼ぶ人はどこまでの範囲?決める基準とトラブルを防ぐコツ

この記事はこんな方にオススメです

喪主になる予定がある
家族葬にどこまで呼ぶべきか知りたい
家族葬とは、家族や親戚、友人などの近しい人たちが一緒に故人をお見送りするお葬式です。家族葬の参列者にどこまで呼ぶのか明確な決まりはありませんが、葬儀の規模や血縁関係の濃さといった選ぶ目安はあります。
そこで今回は、家族葬に呼ぶ範囲の具体的な決め方や連絡方法、呼ばない人とのトラブルを防ぐコツ、どこまで呼ぶかに関するQ&Aなどを紹介します。
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【家族葬にはどこまで呼ぶ?15秒で早読み】
●家族葬の呼ぶ範囲に決まりがないが、身内のみが多い
●葬儀は三親等まで呼ぶことが多く、家族葬も同様に考えると良い
●10名の家族葬では身内が中心、20名では近しい親族まで、30名では故人の従姉妹や義理の甥姪など広く親戚を呼び友人なども招く

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トラブルにならない家族葬の範囲の決め方などは、記事詳細をご確認ください。

【基本】家族葬にどこまでの範囲を呼ぶ?

家族葬にどこまで呼ぶかには決まりがなく、家族の親戚づきあいや交友関係を把握しておくことが大切です。しかし、どんなに仲の良い親子であっても、相手の交友関係を完全につかんでいる人はまれかもしれません。そこでこちらでは、家族葬にどこまでの人を呼ぶか迷ったときの判断基準を提案します。

家族葬に呼ぶ人の範囲には決まりがない

家族葬は名称に“家族”がついていますが、呼ぶ人の範囲に「どこからどこまで」や「何親等以内」、「友人・知人は呼ばない」といった決まりはありません。いったいどこまでの人に声をかけるかは、葬儀を執りおこなう遺族が判断します。
葬儀は、親、子、孫、兄弟姉妹など、三親等以内の血族に声をかけるケースが多いです。家族葬も同様ですが、呼ぶ人の決まりがないので、故人の友人知己に参列してもらう場合もあれば、親族でも、遠方にいるなどの理由から声をかけない場合もあります。
しかし、葬儀は故人とお別れする最後の場なので、参列したいと考える人は思いのほか多いものです。故人の意向といった特別な理由がない限りは、近しい人は葬儀に呼んだ方が無難です。

家族葬に親戚はどこまで呼ぶか

家族葬では、仮に親戚であっても葬儀に呼ばないこともできます。ただ、いくら仲があまり良くない、過去にトラブルがあったとはいえ、故人とお別れする最後の場である葬儀に呼ばないと「なぜ呼んでくれなかったんだ」と言われ、絶縁と受け取られる可能性も考えられます。
特に、親戚は葬儀後も関係性が続く間柄です。葬儀に呼ばないことで今後の付き合いに支障が出そうな場合は、念のため声をかけておいた方が良いでしょう。
<判断基準の一例>
父母の葬儀のときは兄弟姉妹まで・二親等以内、隣県のみ、高齢・通院者は除くなど

葬儀の規模(人数)によって判断する

どうしても「誰に声をかけるか」「どこまでの人を呼ぶか」決められないときは、初めに葬儀の規模(人数)を決める方法があります。
葬儀の規模 呼ぶ人の範囲
10名 故人の配偶者、子ども、親、孫
20名 上記+故人の兄弟姉妹、親友
30名 上記+故人のいとこ、甥や姪、趣味・仕事仲間
【10名での葬儀の場合】
10名以下の家族葬は、同居の家族が中心です。配偶者や子、孫といった直系の家族で執りおこないます。
故人の直系の兄弟、子、孫を中心に呼ぶ場合
【20名での葬儀の場合】
20名程度の家族葬では、家族に加えて故人の兄弟姉妹や近しい親戚、親友などへも参列範囲が広がります。
故人の兄弟、子、孫、その配偶者や子、親しかった友人を中心に呼ぶ場合
【30名での葬儀の場合】
30名以上の家族葬になると、三親等~四親等の親戚も招くような規模になります。故人の交友関係にも声をかけると良いかもしれません。
故人の兄弟、子、孫、いとこ、その配偶者と孫、友人を呼ぶ場合

家族葬にどこまで呼ぶか迷ったら

家族葬にて葬儀をすると決めた場合、家族・親族のみと範囲を限定する必要はなく親しかった友人や仕事仲間も呼ぶことはできます。決まった範囲がないとなると何を基準に呼んだらよいか迷ってしまうでしょう。
そこで家族葬にどこまで呼ぶか迷った場合の考え方を紹介します。

故人の希望を優先する

家族葬は「どこまでの人を呼ぶか」を遺族が決めやすい葬儀ですが、故人の遺志・希望を優先することが重要です。もし、遺言やエンディングノートがあるのならば、そこに記されている内容から参列者を決めます。遺言やエンディングノートが用意されていない場合には、「故人が最後に会いたいか」を考えて決めることが大切です。

もちろん、呼ばれる側の人たちにも事情があります。病気だったり遠方だったりする場合は、葬儀に呼ばれることが負担になってしまう可能性もあります。故人の遺志を尊重するとはいえ、先方の事情も考慮して決めてください。

どこまで呼ぶか迷ったときは声をかけた方が良い

参列者に決まりがないと分かると、どこまでの人に声をかけるべきかさらに迷ってしまうかもしれません。悩んだときは、「迷った人は呼ぶ」と決めた方が安心です。
葬儀に呼ばれないことを気にする、礼節を重んじるタイプの親戚の場合、もしくは参列しない理由が見当たらない場合も家族葬に呼びましょう。葬儀に参列しない人は、後日自宅へ弔問に訪れる可能性があります。その対応ができない場合も、初めから呼ぶことをおすすめします。

何が良い?家族葬に呼ぶ人への連絡方法

「そのとき」がやってきたら、家族葬に呼ぶ人へ訃報を伝えます。その際の連絡手段は電話が基本とされますが、メールまたはFAXという方法も。ここでは、なぜ電話が理想とされるのか、そして連絡する際の注意点などを紹介します。

訃報は電話で伝えるのが基本

訃報を伝えるのは電話が理想です。電話は相手と直接会話ができるため、すばやく・確実に訃報を伝えられます。
また、家族葬は近所の人や仕事関係の人を呼ばないことも多い葬儀形式です。その場合、亡くなったことを他言されると後々呼ばなかった人とのトラブルに発展する恐れがあります。無用なトラブルを避けるため、家族葬を考えていること、声をかける範囲は限定的なものであることなどを明確に伝え、誤解がないようにすることが大切です。時間帯などにはよりますが、文字で一方的に伝えるメールやFAXよりも、意思の疎通ができる電話が適しています。
訃報の伝え方はこちらの記事をご覧ください。

LINE・メール・FAXでもマナー違反ではない

訃報をLINEやSMS、メール、FAXで伝えることもマナー違反ではありません。例えば、耳が遠い人に電話をしても、葬儀に関する情報が正確に伝わらないことも考えられます。あまりに急な知らせなどで気が動転してしまう人もいるでしょう。そのようなときは、手元に残って読み返せるものの方が役立ちます。
ただ、年配者の中にはメールやFAXだと失礼だと感じる人もいるかもしれないので、相手によって対応方法を変えるのが無難です。
訃報を電話やメール・FAXで伝える際の例文やマナーは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

家族葬の声かけでトラブルを防ぐコツ

家族葬では、参列の声をかけない人に対する配慮や、逝去を伝えるタイミングが重要です。家族葬に呼ぶ範囲に関するトラブルを防ぐため、声をかけない人へ訃報を伝える際の注意点や、報告時の思いやりについて考えます。

呼ぶ人にだけ案内状を送る

家族葬は、葬儀に呼ぶ人だけに案内状を送付するのが一般的です。
理由は主に2つあります。1つ目は、葬儀前に訃報を伝えると「家族葬とはいえ、参列した方が良いのだろうか」と迷う人もいること。2つ目は、人づてに訃報が伝わり、葬儀当日に呼ぶ予定のなかった人が参列することが考えられるためです。相手に気を遣わせないためにも、そして料理や返礼品が足りないといった失礼な対応をすることにならないよう、呼ばない人には後日訃報を伝えます。
なお、家族葬では会葬や香典を辞退することもありますが、その場合は案内状にて事前に伝えることが大切です。

呼ばない人には後日訃報を伝える

家族葬に呼ばない人には、基本的に式を終えてから死亡通知を送って報告します。死亡通知の書面には、葬儀は家族葬で既に終えている旨と、事前に知らせなかったことへの謝罪を書きます。葬儀後の死亡通知は、生前のお礼を伝える「挨拶状」にもなるものです。葬儀に参列できなかった人だからこそ、故人との思い出や、亡くなる前の様子などを記して状況を伝えるのも良いでしょう。
また、訃報後に弔問を受けたり、お悔やみ状が送られてきたりするケースもあります。その場合は、できるだけ早く礼状を送るのがマナーです。
家族葬の事後報告について、詳しくは以下の記事で紹介しています。

故人との関係性によっては会葬辞退の案内を送る

葬儀に呼ばない人には後日訃報を伝えるのが一般的とはいえ、「生前から故人を気にかけていた人」や、「逝去したら知らせてほしいと言われていた人」など、故人と深い関りがあった人には、あらかじめ逝去を伝えた方が相手も気分を害さないものです。
その場合は、電話連絡をする方法や、「故人と遺族の意志により、近親者のみの家族葬を執りおこなう」「参列は辞退してほしい」旨を記した会葬辞退の案内状(訃報)を送る方法があります。会葬辞退の案内状を送る際は、会場や時間などの詳細は伏せます。
上記を含む家族葬のトラブルについては、下記記事で詳しく掲載しています。

家族葬の呼ぶ範囲についてのよくある質問

Q
家族葬で身内と言えば、どこまでですか。
A
身内にどこまでという決まりはありませんが、二親等以内の親族の場合が多く見られます。一親等は、親・子の家族が含まれ、二親等は兄弟・孫・祖父母を含みます。
Q
家族葬を30名以上でおこなうことは可能ですか。
A
家族葬に参列する人数についての決まりはないため30名以上でおこなうことも可能です。「30人の家族葬の費用は?」では家族葬を30人でおこなう家族葬の費用などについて詳しく解説しています。
Q
家族葬を5名以下でおこなうことは可能ですか。
A
5名以下でも家族葬をおこなうのは可能です。5名以下と少人数でお葬式の流れや注意点は「4人の家族葬は可能?」の記事で確認することができます。

家族葬にどこまでの人を呼ぶかは、故人の遺志を尊重しよう

家族葬にどこまでの人を呼ぶか、声をかける範囲に決まりはありませんが、故人の遺志を尊重することも大切です。もしもの時に「最期に会いたい人は誰か」を考えてみると、家族葬においても皆が納得できる素敵なお別れの時間を過ごせるはず。無用なトラブルを防ぐためにも、いまいちどご家族の中で「どの様な方に見送ってほしいか」を話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当