【タイミング別】長男が喪主を務める場合の挨拶例文4選
ご家族の通夜・葬式準備
この記事はこんな方におすすめです
長男が喪主を務める場合の挨拶のポイントを知りたい
長男が喪主を務める場合の挨拶例を知りたい
喪主は通夜や葬儀・告別式の終了後と会食の前後で、参列者に向けて挨拶をおこなうのが一般的です。故人の長男が喪主を務める場合は、挨拶に家族ならではのエピソードを添えるのがポイントです。この記事では、喪主の挨拶の基本に加え、長男が喪主を務める場合のポイントやタイミング別の例文、喪主を決める際のよくある疑問を紹介します。
目次
喪主の挨拶の基本と長男が務める場合のポイント
長男が喪主を務める場合、挨拶では参列者へのお礼に加え、故人の生前のエピソードを盛り込むのがおすすめです。喪主の挨拶の基本と注意点、長男として意識したいポイントを紹介します。
挨拶の基本構成
喪主の挨拶では、参列者にわざわざ出向いてもらったことへのお礼と、これまでの厚誼(こうぎ)へ感謝の気持ちを伝えます。基本的な構成は下記の通りです。
<挨拶の基本構成>
- 故人との関係の紹介
- 参列のお礼
- 故人の人となりがわかるエピソード
- 結びのお礼
挨拶は長くても3分くらいまでにおさまるようにシンプルにまとめます。家族葬で参列者が身内だけといった場合などは、故人との関係の紹介は省略しても構いません。
もし不安ならカンペを用意しても。カンペはスマホなどのメモ機能を使うのではなく、便箋などの紙に書いた方が印象良く見えます。カンペの作り方については、こちらの記事を参考にしてください。
喪主挨拶でカンペを使っても良い?カンペの作り方や例文を紹介
葬儀で喪主を務める際、参列者への挨拶が必要です。参列者へのお礼や伝えたいエピソードなどをメモしたカンペを用意しておけば、当日落ち着いて挨拶をおこなえるでしょう。この記事では、喪主挨拶でカンペを使っても良いか、カンペの作り方、挨拶のタイミング、カンペに書いておきたい挨拶例、よくある疑問について紹介します。
注意したい言葉遣い
葬儀の挨拶では、忌み言葉を使わないように注意する必要があります。忌み言葉とは、「浮かばれない」「迷う」「4(死)・9(苦)」などの不吉とされる言葉や、「益々」「いよいよ」「たびたび」など不幸が重なることを連想させる重ね言葉などを指します。ほかにも会食の際には、「お開き」「乾杯」などのお祝いの場で使用する言葉をつい使ってしまいやすいので気を付けてください。葬儀では、乾杯ではなく「献杯」を使用すると良いです。
また、宗派ごとに死への捉え方が違うので使用する言葉の確認が必要です。例えば、「冥福」「お悔やみ」などは宗旨宗派によっては使用しません。
ポイントは自分の言葉で話すこと
喪主の挨拶にはある程度決まった定型文がありますが、故人の長男として自分の言葉で気持ちを伝えることが大切です。形式にこだわったり立派なことを話そうとしたりする必要はなく、生前の故人の姿が思い浮かぶような日常的なエピソードを交えた方が、参列者の心に響きやすくなります。
喪主として長男が挨拶をするタイミングは?
喪主として挨拶をおこなうタイミングは大きく4回あり、誰が喪主を務める場合でもタイミングは変わりません。
<挨拶のタイミング>
- 通夜終了時
- 通夜振る舞いの前後
- 葬儀・告別式終了後の出棺の際
- 精進落としの前後
故人を偲ぶ気持ちや参列者への感謝を伝えることが喪主挨拶の目的のため、家族葬など小規模な葬儀でも基本的には挨拶をおこないます。参列者が親族だけなら、通常より肩の力を抜いた挨拶で構いません。
【タイミング別】長男が喪主を務める場合の挨拶例文4選
ここでは、タイミング別に喪主の挨拶の例文を紹介します。母親が亡くなり、長男が喪主を務めることになった場合を例としています。
1.通夜|終了時の例文
通夜終了時の挨拶は、参列のお礼の後に故人の臨終時の様子に触れ、通夜振る舞いの案内をするという流れが多いようです。
<例文>
「故人〇〇の長男△△です。遺族を代表し、ご挨拶を申し上げます。
本日はみなさまお忙しいなか、通夜にお集まりいただきありがとうございます。母は昨年から体調が思わしくなく、入退院を繰り返しておりましたが、昨日〇時頃、息を引き取りました。私ども家族全員で看取ることができたのがせめてもの救いでございます。みなさまからの生前のご厚誼には深く感謝しております。
この後、ささやかですが別室にて食事の席を用意しております。どうぞ召し上がりながら、母との思い出話をお聞かせいただければと存じます。本日は誠にありがとうございました。」
2.通夜振る舞い|開始・終了時の例文
通夜振る舞いでの挨拶は、開始時に通夜参列のお礼、終了時に翌日の葬儀の案内をします。
<開始時の例文>
「先ほどは母〇〇の通夜へのご列席ありがとうございました。ささやかではございますが、食事の用意をしております。お時間の許すかぎり、母の生前のお話をお聞かせいただけますと幸いです。」
<終了時の例文>
「本日はお忙しいなか、通夜振る舞いにまでご参加いただきありがとうございます。息子の私も知らなかった母の一面を垣間見ることができました。名残惜しくはありますが、夜もふけてまいりましたので、本日はこの辺りで終了とさせていただきます。
なお、明日の葬儀は◯時からお通夜と同じ〇〇斎場にて執りおこないます。どうぞよろしくお願いいたします。」
3.葬儀・告別式|終了時の例文
葬儀が終了し、出棺する際の挨拶例です。子どもの頃から見てきた故人の生前のエピソードを添えると、故人を偲ぶ気持ちがより深くなるでしょう。
<例文>
「故人〇〇の長男△△でございます。本日はお忙しいなか、母の葬儀にご列席いただきありがとうございました。たくさんの方から心のこもったご挨拶をいただき、母もさぞ喜んでいることでしょう。生前に賜ったご厚誼に、厚くお礼申し上げます。
母はどんなときでも私たち家族のことを第一に考えてくれ、たくさんの愛情を注いでくれました。母の優しい笑顔が今でも目に浮かぶようです。
昨年入院するまでは、趣味のハイキングを父とともに楽しんでおりました。闘病生活は苦しいものでしたが、最期は穏やかに迎えられたことが何よりの慰めです。
周囲の方への思いやりを大切にしてきた母のように、遺された私たちもみなさまへの感謝の気持ちを忘れずに日々を過ごしていきたいと思います。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」
4.精進落とし|開始・終了時の例文
精進落としの席では、要点は押さえつつも長くなりすぎないよう簡単な挨拶で済ませます。
<開始時の挨拶>
「本日はお忙しいところ、母の葬儀に駆けつけていただきありがとうございます。お陰さまで、無事に通夜・葬儀を終えることができました。
みなさまお疲れのことと存じます。感謝の気持ちを込め、ささやかですが食事の席を用意しております。故人との思い出話をしながら、お時間の許すかぎりおくつろぎください。
それでは、献杯の挨拶をさせていただきますので、ご唱和お願いいたします。献杯。」
<終了時の挨拶>
「本日は天気のすぐれないなか、最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。みなさまのお話を聞き、母がいかにお世話になっていたかということを窺い知ることができました。もっとお話を聞きたいところではありますが、時間になりましたので本日はこれにて終了とさせていただきます。改めまして、本日は本当にありがとうございました。」
長男以外が喪主を務める場合の決め方
喪主は、故人と血縁が深い順に選出するのが一般的です。慣習に倣うのであれば、優先順位は故人の長男・次男・以降の直系の男子、その次に長女・次女・以降の直系の女子、故人の両親、兄弟姉妹となります。
ただし、故人が遺言で喪主を指定している場合は、遺言の内容が最も影響力を持ちます。特に指定がなければ、最近は故人の配偶者が務める例が増えているようです。上記を踏まえて、遺族間でしっかり話し合って決めてください。
喪主の選び方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
誰が喪主になるべき?葬儀での喪主の役割や注意点を解説
喪主とは、葬儀の要ともいえる存在です。どのような人でも喪主になる可能性はありますが、そもそも喪主にはどのような役割が求められるのでしょうか。ここでは喪主の役割や選び方に加え、拒否したいときの対応などを解説します。
喪主の決め方に関するよくある質問
- Q
- 喪主は長男がやらなければいけない決まりはある?
- A
- 喪主の条件に決まりはなく、誰が務めても構いません。一般的には慣習に倣い血縁者が選ばれることが多いですが、最近では必ずしもそうではなくなってきています。例えば、複数人で務めるケースや、遺言によって血縁者以外が指名されているケースもあります。喪主に指名された人の事情を考慮して決めることが大切です。
- Q
- 親が離婚している場合の喪主の決め方は?
- A
- 親が離婚しても親子の血縁が切れるわけではないので、基本的には血縁の深い順で喪主を選びます。ただし、親子関係が希薄だった場合などは拒否することもできます。そういった場合はほかの親族や知人が務めるのが通例です。元妻に関しては、離婚した夫とは戸籍上他人となるため関わらない例が多いようです。
長男が喪主の挨拶をおこなうときは心温まるエピソードを添えて
喪主は遺族の代表として、通夜、葬儀・告別式の進行に合わせて挨拶をおこないます。挨拶の基本は、参列のお礼を伝えることです。故人の長男が喪主を務める場合は、家族からみた故人のエピソードを添えると参列してくれた人の心も少し温まるかもしれません。
監修:1級葬祭ディレクター 安藤徹舟(あんどう・てっしゅう)
接客から管理職まで葬儀社歴25年。「家族葬」の黎明期からお葬式の変遷を見てきた経験を活かし、新しい葬送サービスの開発を担当している。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)