MRTラジオ25年選手として、「さげもん教室」の講師
として、宮崎の地で人生100年の絆を結び育みたい

ラジオパーソナリティ
坂井 淳子さん

ラジオパーソナリティ
坂井 淳子さん

MRTラジオの人気番組「GO!GO!ワイド」のパーソナリティとして、老若男女に親しまれている坂井淳子さん。平成16(2004)年からは「家族葬のファミーユ」が主催する「文化講演会」の司会のほか、故郷・柳川の伝統的なつるし雛の作り方を楽しく学ぶ「さげもん教室」の講師なども務めていただいています。就職を機に宮崎へ移り住んだ当時の印象や、現在のラジオパーソナリティとしての活動、ファミーユでの活動を通じて感じる地域への思いなどを語っていただきました。

宮崎の
“ハイパーローカル・アナ”
を目指して

エフエム宮崎の第1期アナウンサーとして就職したのを機に、福岡県柳川市から宮崎県に移り住みました。当初は同じ九州でも、県民性の違いに驚いたことを覚えています。福岡は遠慮のない開放的な人が多い一方で、宮崎は自然が豊かで畜産業が盛んな土地柄もあってか、地域のつながりを大切にされる印象がありました。ですから、私が驚いた以上に、宮崎の人たちは他所から来た私に対して、戸惑うことが多かったのではないかと思います。

そこで私は、宮崎の“ハイパーローカル”になることを目指しました。まずは宮崎弁を覚えて、ラジオの番組でも話していって。3年くらい経った頃には、すっかり馴染んでいきました。

ラジオパーソナリティは大勢のリスナーに語りかけているようで、そのつながりは不思議と「線」であるように感じます。私が語った言葉を、リスナーのお一人、お一人が摘み取って、ご自身の心に結んでくださる。だから、ラジオでは嘘がつけない。いくら取り繕っても、パーソナリティの本質が透けて見えてしまうんですよね。それが怖くもあり、醍醐味でもあると思っています。

宮崎の“ハイパーローカル・アナ”を目指して

そんな中で、MRTラジオの「GO!GO!ワイド」のパーソナリティを20年にわたって務めているのは、私にとっては奇跡のように感じます。番組も私自身も、宮崎のリスナーの皆さんに育てていただいているんですよね。

新婚時代の葬儀風景と
ごぼうのささがき

「家族葬のファミーユ」とご縁ができたのは、前身の綜合葬祭株式会社みやそう時代から続く「文化講演会」の司会を務めることになってからです。それ以来、「終活セミナー」の司会や、故郷・柳川の伝統的なつるし雛を作る「さげもん教室」の講師なども務めています。

ファミーユは地域密着で「ご家族によりそうお葬式」を掲げて企業活動をされていますが、その志に共感してさまざまな取り組みでご一緒させていただく中で、思い出すことがあります。それは、結婚して間もない頃に体験した、隣人のご葬儀です。

当時はまだ地区でお見送りする風習があって、「出立の膳」と呼ばれる故人との最後の会食の準備に参加しました。ばら寿司の具になるごぼうのささがきを何百本も作る中で、故人との思い出話や、地区のお祭などの話を聞かせていただいて。「あんたはどこの出身ね? ダンナさんはどげんな人ね?」と質問されたり、「そのごぼうの切れ端、もうちょっと使えるよ、最後まで使わんと」と教えていただいたり。ご実家を離れて暮らしていた故人の娘さんも帰郷されて、故人の生前の暮らしぶりや最期の様子を語らったり。

家族葬のファミーユでの仕事

そうして、ご葬儀を通じて、故人やご家族の思い出に触れ、地域の人たちと交流する。ご葬儀というのは、故人とのお別れの場ではあるものの、家族の絆が結ばれ、コミュニティが育まれる場でもあることを学びました。そんな原体験もあり、「家族葬のファミーユ」でのご葬儀にまつわる仕事にもやりがいを感じています。

まり、菊、ウサギ…
家族を思い会話が生まれる
さげもん作り

私が講師を務める「さげもん教室」をきっかけに、ファミーユのホールを訪れてくださる方も多くいます。

まり、菊、ウサギ…家族を思い会話が生まれるさげもん作り

「さげもん」は私の故郷・福岡の柳川の伝統的なつるし雛で、女の子の初節句を祝って飾られます。もともとは、柳川藩の奥女中が、着物のはぎれで子どもたちのおもちゃを作ったのが始まりといわれています。下げ輪には、7つの飾りを1列につないだものを、7列作って結びつけ、中央には柳川まりを2個つるします。人生50年といわれた昔、娘や孫娘の幸せと長寿を願って、51個の飾りをさげたのだそうです。

飾りの一つひとつに意味があり、その願いを込めて、1針ずつ縫っていく。例えば、元気にピョンピョン飛び跳ねるウサギ、子どもの守り神となる犬、不老長寿を願う重陽の節句にちなんだ菊の花や、縁起物の松竹梅。すべての飾りを作るまでには、1年くらいかかることもあり、完成したときの喜びと達成感はひとしおです。

私がファミーユで「さげもん教室」を開いたり、自身でも教室を主宰するようになったのは、娘のように可愛がってきた愛犬を亡くしたことがきっかけでした。悲しみを少しでも癒したい、愛娘のために祈りたい。そんな思いでさげもんを作ったところ、友人から「孫のために作ってみたい」といわれて教え始めたんですね。

まり、菊、ウサギ…家族を思い会話が生まれるさげもん作り

ファミーユの「さげもん教室」では、初心者でも簡単に作れるウサギや桜、桃などを、和気あいあいとおしゃべりを楽しみながら作っています。教室のあとはホールを見学されたり、終活の相談をされたりもして。ご葬儀の場としてのホールが、コミュニティの場としても活用されているのは、地域社会にとって、心強い存在になっているのではないかと思います。「見守られている」「頼れる」と感じられる場所が身近にあることは、安心感につながるはずです。

「がんばんないよ」の
声が力になる、
ファミーユのイベント

私の父は、問題行動のある少年少女たちを見守り、更生を支える保護観察司をしていた関係で、どんな子どもでも我が子同然に付き合い、常に気にかけていました。良いことがあれば「よかったね」と褒め、悪いことをすれば「ダメだよ」と叱り、心配な様子があれば「大丈夫?」と声をかける。家族や地域ぐるみで見守ることの大切さを、ことあるごとに話していました。

日々の暮らしの中に、人を思いやる気持ちや言葉があふれていれば、生きる力になっていく。私も、ファミーユのイベントに参加してくださった方から「ラジオをいつも聞いとるよ、がんばんないよ(がんばってね)」と声をかけていただくと、とても元気をいただきます。今では私自身も「がんばんないよ」と声をかけて、人を励ますようになりました。

「がんばんないよ」の声が力になる、ファミーユのイベント

昔から大切にされてきたことを、ごく当たり前に、大切にしていきたい。最近よく、そんなふうに思います。さまざまな場面で「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉を耳にするようになったからかもしれません。

「SDGs」というとなんだか大仰に聞こえますが、特別なことではないんですよね。ものを大切にする、人を思いやる、家族や地域の絆を育んでいく。そうした小さな日々の営みが、持続可能な社会につながっていくのではないでしょうか。

余ったはぎれを使って作るさげもんにも、ものを大切に、家族を大切に思う心が息づいています。そんな故郷・柳川のさげもんを、第二の故郷である宮崎でも伝えられていることは、とてもうれしく、光栄なことだと思っています。今はコロナ禍の影響でその機会が減っていますが、状況が落ち着いて、再開できる日を楽しみにしています。

山内要

坂井淳子(さかい・じゅんこ)さん

福岡県柳川市出身。筑紫女学園国文科を卒業後、エフエム宮崎に入社し、第1期アナウンサーとして活躍。結婚を機に退職後は、フリーランスのラジオパーソナリティ、アナウンサーに。現在はMRTラジオで平日午後に放送される長寿番組「GO!GO!ワイド」で週3日パーソナリティを務めるほか、「人生100年、今からはじめる終活の時間」なども担当。「家族葬のファミーユ」が主催する「文化講演会」では平成16(2004)年より司会を務めるほか、故郷・柳川の伝統的なつるし雛を制作するワークショップ「さげもん教室」の講師なども務め、好評を博している。

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