四十九日までにしてはいけないことは?【忌中の過ごし方】

法事・お墓
四十九日までにしてはいけないことは?【忌中の過ごし方】

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四十九日までにしてはいけないことを知りたい
忌中の過ごし方を知りたい
仏教では四十九日法要を迎えるまでの期間を忌中と言いますが、忌中の間にしてはいけないことがいくつかあります。本記事では、四十九日を迎えるまでは慎むべき行動を解説するとともに、四十九日法要の準備や当日の流れも紹介します。故人をしっかりと見送り、無事に忌明けを迎えられるよう参考にしてください。

四十九日までしてはいけないこと

親族が亡くなってから四十九日を迎えるまでは「忌中」とも呼ばれ、故人の死を悼んで身を慎む「喪に服す」期間です。そのため、おめでたいことなどは避けるべきとされています。しかしいつ身内に不幸が起こるかは、誰にも予想ができないことです。以前から決まっていた予定については、例外として参加しても良いといわれています。
忌中期間(四十九日)の数え方は、亡くなった日を含めて数えるのが一般的です。
ただし、関西地方は亡くなった前日から数えるとされています。

新年の挨拶

年賀状の送付や新年の挨拶、新年会への参加は控えます。新年の挨拶には、1年を無事に過ごせたというお祝いの意味もあり、身内に不幸が起きた人はこれに当てはまりません。喪中ハガキを送り、新年の挨拶ができないことを詫び、お年玉を楽しみにしている子どもには、ポチ袋以外の封筒に入れ、お年玉ではなく「お小遣い」として渡します。

神社への参拝

四十九日までは、神社への参拝も控えた方が良いでしょう。神聖な場所へ穢れを持ち込むことになってしまいます。地域によっては鳥居の手前で祈るのは良いとするところもありますが、地域や神社ごとで考え方が違うため、自分の地域ではどうなのか確認をしてみてください。

入籍や結婚式

四十九日までは、入籍や結婚式も控えた方が無難です。延期が難しく忌中の間に結婚式をおこなうケースもありますが、神前式の場合は事前にお祓いが必要です。婚姻届けを提出するだけであれば、両家の了承を得られれば問題ありません。
結婚式や披露宴への参加もできるだけ控えたいところです。四十九日を過ぎるまでは、祝いの席への参加はふさわしくないとされています。欠席をする場合は、後日にお祝いの品を贈って祝福の気持ちを伝えます。

七五三などの祝い事

七五三は神様に子どもの成長を感謝し、また神様と人とのつながりを深める儀式でもあります。祝いの席に死という穢れを持ち込むことになるため、七五三も四十九日を過ぎるまではしてはいけないとされています。七五三の他にもやむを得ず、成人式や結婚式などの人生儀礼に参加する場合は忌明けのお祓いを受けます。

お中元やお歳暮などの贈り物

穢れを移さない意味で、お中元やお歳暮などの贈り物も控えた方が無難です。贈り先の地域や風習により、相手の捉え方も異なるため、お中元やお歳暮の時期に四十九日までの忌中が重なった場合は、先方に詫びを伝えます。
また時期をずらして贈る場合は「暑中御見舞」や「残暑御見舞」または「寒中御見舞」などとするとよいでしょう。

四十九日を迎えるまでにやっておくべきことや過ごし方

四十九日を過ぎるまでは、遺族が悲しみの気持ちを整理する期間ですが、同時に供養や遺品の整理などしておかなければならないことも多くあります。事前に忌中の過ごし方、やるべきことを知っておけば、少しでも心に余裕が生まれるでしょう。

神棚封じをする

忌中の間は神棚を封じる「神棚封じ」という習わしがあります。49日といわず、これは死後すぐにやるべきことです。

神道において死は穢れとされ、穢れによって神様の力が失われないように神棚を封じて神様を守るという意味があります。神道においての忌中は、50日間です。家に神棚がある場合は、白い半紙やお札を貼り付け、この期間は拝礼やお供えも控えます。50日後に、自身を塩で清めて礼拝をし、貼っていた半紙やお札を取って、お供えをします。

毎日供養をする

仏教では、裁きを受けている故人の足元をろうそくの火が照らしているとの考えから、四十九日を過ぎるまでは灯りを絶やしてはいけないといわれています。現代ではろうそくから部屋の照明に変わっています。
なかには「忌中は電気をつけっぱなしにする」「お線香をあげ続けた方が良い」という話を聞いたことがある人がいるかもしれません。しかし現代生活では24時間電気をつけ続け、お線香をあげ続けるのは難しいケースがほとんどです。自分が家にいる間は部屋の電気をつけたり、LEDのろうそくで対応したり、朝と夜にお線香をあげれば問題ないでしょう。毎日お水を換え、遺骨と位牌を安置する後飾りという仮の祭壇に手を合わせて供養します。

本位牌(ほんいはい)を手配する

四十九日法要のときに、祭壇を中陰壇(後飾り祭壇)から仏壇に変える必要があります。葬儀に用いる白木の位牌は仮の位牌であるため、四十九日法要までに仏壇に安置をする本位牌の手配が必要です。本位牌にはいくつか種類があり、戒名を入れるのに2週間ほど時間がかかります。

遺品を整理する

親族や故人と親しかった人に形見分けをするため、四十九日までに遺品の整理をする人が多いです。故人が遺したエンディングノートや遺言書などを確認した上で進めていきます。遺言書がある場合は、親族の間で話し合いが必要な場合もあるため、四十九日法要で開示できるようにしておきます。遺言による相続や住まいの処分をする必要がなければ、時間をおいてから整理するのでも構いません。

四十九日法要の準備

仏教では四十九日の法要をもって忌中の期間を終えます。大切な四十九日法要を滞りなくおこなうために、余裕をもって準備を進めることが大切です。

①四十九日法要をおこなう日時を決める

四十九日法要の日にちを決めます。故人が亡くなってから、ちょうど四十九日目におこなうのが理想ですが、参列者の都合に配慮し、四十九日直前の土日にずらして集まりやすいようにするのが一般的です。目安となる日にちを決めたら法要をおこなう会場やお寺に依頼をします。会場やお寺の都合で、日にちを変更しなければいけないこともあるため、できるだけ早めに相談をします

②僧侶を手配する

四十九日法要では、僧侶にお経をあげてもらうため、法要を執りおこなう僧侶を手配します。菩提寺がある場合は、住職に連絡を入れて法要の依頼を。お世話になっているお寺がない場合は、葬儀社に依頼すると僧侶を紹介してくれることもあります。

③参列者に連絡を入れる

日時を決めたら、参列者に連絡を取り、法要の案内と出欠確認をして人数を把握します。近しい身内だけの場合は、電話で直接連絡しても構いませんが、それ以外の参列者には返信ハガキを添えて案内状を送ります。参列者にも都合があるため、できれば法要をおこなう一か月前には連絡を入れ、2週間前までに参列者の人数を把握するのが望ましいです。

④お斎(とき)の手配をおこなう

参列者の人数が決まったら、「お斎」と呼ばれる法要後の会食を手配します。仕出し弁当や大人数用のオードブルを用意したり、自宅で手料理をふるまったりと、参列者の人数にあわせた準備が必要です。僧侶がお斎を辞退された場合は、法要のお布施とは別に御膳料を渡します。近年では、お斎を省略し、喪主の挨拶後に返礼品を渡すケースもあります。

⑤返礼品を手配する

四十九日法要では、香典返しとは別に返礼品が必要です。志(こころざし)や粗供養(そくよう)、満中陰志(まんちゅういんし)の表書きに、黒白または双銀の結び切りの水引を使います。デパートなどでの購入時に依頼をすれば、表書きが印刷されたかけ紙をつけて包装してもらえます。
四十九日法要までに必要な準備についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。

四十九日法要の当日の流れ

四十九日法要の当日の流れは以下の通りです。
1. 一同着席する
2. 施主が開式の挨拶をおこない、僧侶が入場する
3. 僧侶による読経と焼香
4. 僧侶による法話
5. お墓参り、納骨
6. お斎
7. 施主の挨拶、閉式

忌中明けまでは慶事を慎み、法要の準備や供養を

四十九日までは忌中として、新年の挨拶やお祝い事への出席を控え、故人の供養に専念します。神社への参拝やお中元などの贈り物も死の穢れを持ち込むなどの考え方があることから、控えた方が無難です。忌中が明けるまでは、毎日供養をおこないながら慶事を慎み、四十九日法要に向けた準備を進めます。逝去後の手続きなどで多忙な期間なので、心身をいたわるようにしてください。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了