氏神とは何?言葉の意味と、あなたの氏神神社の調べ方も

お葬式のマナー・基礎知識
氏神とは何?言葉の意味と、あなたの氏神神社の調べ方も
氏神(うじがみ)とは、同じ地域に住む人々が信仰する神道の神様のことです。その氏神を信仰する人々のことは氏子(うじこ)と呼びます。時代の変化とともに、氏神という言葉の意味は変わりつつあります。本記事では、氏神の意味と氏神神社の調べ方、お参りするタイミングなどを紹介します。

現代における氏神の意味と氏子との関係

「氏神さま」や「氏神さん」などと呼ばれるその地域の神様、氏神。まずは現代における氏神の意味と、氏神を語る上で欠かせない氏子について解説します。

氏神の意味

氏神は、自分の住むエリアにある神社、または神道の神様のことを指し、その地域に住む人々を守ってくれています。辞書には、「同じ氏族の神様」、「同じ氏族が信じる神様」、「土地を守る神様」の3種がある、と書かれています。

神道において、故人は没後50年間は家を守る神となり、それ以降は地域を守る氏神になると考えられている地域もあるそうです。氏神は、氏社(うじやしろ、うじしゃ)と呼ばれる神社で祀られています。

氏神と氏子

その地の氏神を信仰する人々のことを氏子(うじこ)と呼びます。古代では、氏神を祀るために団結していた同族の人たちを氏人(うじびと)と呼んだそうです。氏神は彼らの信じる神であったり、祖先神であったりしたとされています。それが中世以降になると、現在のように地縁のある神様とその信者を含めて、氏神、氏子と呼ぶようになったと伝えられています。
氏子・氏神と現在もなじみ深い慣習はお祭りではないでしょうか。神社によって氏子区域というものが決められていて、担げるお神輿のチームなどが変わります。この場合の氏子になる条件は、その地域に住み、神社のお祭りに参加することです。
お宮参りも身近な慣習のひとつと言えます。子どもがお宮参りをすることで、その神社の氏神から認められ、氏子の仲間になれると考えられています。ただし、氏神や氏子に対する考え方は地域や神社によってさまざまです。

氏神神社でお葬式はできるか

氏神神社ではお葬式はできません。しかし、神道でのお葬式はできます。

まず氏神さまへ逝去の連絡をします。これは電話で大丈夫です。直接赴いて報告したいときには、世話役や近隣の人に頼みます。喪に服す必要があるご家族や親族は穢れによるものから直に神社に入れないためです。

神道のお葬式(神式葬儀)についてもっと詳しく知りたい人は下記の記事をご確認ください。

氏神の本来の意味と変化

現代は、自分の住む土地を守る神様を氏神とすることが多いのですが、本来の意味は異なります。氏神という考え方ができた当時の意味と、時代とともに変化した考え方を解説します。

本来は一族が祀る神様を指していた

現在の日本は核家族化が進み、祖父や祖母と一緒に暮らす三世代世帯が減少傾向にあります。しかし古代の日本人は、一族で同じ土地に住み子孫を残していました。つまり、一族と土地の関係性が現在よりも深かったのです。
そのため本来の氏神は、一族のご先祖様、または氏に由緒のある神様を指します。このことから、自分の家系の氏神を知ることは、自分や家族のルーツ探しに通じるかもしれません。

時代とともに鎮守神(ちんじゅがみ)との区別が曖昧に

一族が同じ土地に住んでいた時代にお参りしていたのは、その土地にある神社です。その神社は居住地の土地を守っている鎮守の神であり、子どもたちを守る産土神(うぶすながみ)でもありました。
しかし、時代が流れるとともに人々の移動が増え、同じ土地に住む一族は減少。それに伴い、血縁よりも地縁が重視されるようになっていきます。そうした変化により、氏神と鎮守の神や産土神の区別が曖昧になりました。これらが理由で、現代における氏神は一族が祀る神様ではなく、居住地の鎮守の神という意味合いが強くなっていると考えられています。もちろん、両者を信奉する人もいます。

自分の氏神神社の調べ方

本来の氏神は一族が祀る神様を指すため、引っ越しをしても変わりませんでした。しかし、現代における氏神は居住地を守る神様という意味合いが強くなっているため気になる人もいることでしょう。自分の住む土地の氏神神社を調べる主な方法を紹介します。

神社本庁などに問い合わせをする

最も手軽なのは、神社本庁を筆頭とした各庁に問い合わせをする方法です。全国の神社8万社をまとめる神社本庁が東京の代々木にあり、各都道府県の神社庁も存在します。神社本庁のホームページには、各都道府県の神社庁の電話番号が記載されています。居住地の神社庁に電話をすれば、氏神を教えてくれるでしょう。
いきなり電話するのはためらわれる場合は、ホームページをよく調べてみましょう。郵便番号から氏神を検索できたり、住んでいる市にある神社名と電話番号が記載されていたりと、調べるのに便利なサイトも多いです。まずは、居住地の神社庁のホームページを確認してみてはいかがでしょうか。

近くの神社に聞いてみる

引っ越しをしたときは、近所に何があるのか知るために散策することもあるでしょう。その際は、近所に神社がないか確認をしてみてください。もし神社があれば、電話か口頭で「氏子の地域はどこでしょうか」と聞いてみるのも1つの方法です。自分の住んでいる地域の名が出てくれば、その神社が氏神を祀っていることが分かります。

地図で神社を調べる

引っ越し先の近隣住民に氏神神社を聞く方法もありますが、見ず知らずの人に聞くのはなかなか難しいかもしれません。自分で調べるしかない場合は、地図で神社を探す方法があります。インターネット上で閲覧できる地図を活用すれば、自宅にいながら神社を探せます。
ただし、自宅から近い神社だからといって、そこが必ずしも氏子の区域とは限りません。地図で神社の場所を確認できたら、最終的には神社に確認することをおすすめします。

氏神神社にお参りをするタイミング

自分の氏神神社が分かったら、さっそくお参りしてみてはいかがでしょうか。氏神と良いお付き合いをするために知っておいて損はない、お参りのタイミングを紹介します。

お参りの頻度に決まりはない

基本的に神社への参拝回数は決まっておらず、氏神神社も例外ではありません。それに加え、氏神神社へのお参りの頻度に関する考え方は、地域によって差があるのが実情です。
また、参拝回数は、多ければ多いほど良いわけではありません。大切なのは、まっすぐな気持ちを神様に伝えること。お参りは神様へ気持ちを伝えたいときに行けば良いのです。ですので、氏神神社へのお参りも、例えば年に1回でも問題ありません。

初詣や人生儀礼は氏神神社でお参りを

仮に氏神が安産の神様で、お願いしたいのが合格祈願の場合は、学問の神様を祀っている神社へお参りする人もいるかもしれません。しかし、本来は地域を守る氏神にお願いをするのが理想です。
お参りの頻度に決まりがないとはいえ、1年の幸せを願う初詣、七五三や安産祈願、厄払いなどの人生儀礼は、氏神神社で特別な想いを込めておこなってはいかがでしょうか。

氏神神社を含む神社の分類について

氏神神社はその土地に住む人々を守っていますが、実は日本全体を守っている神社が存在します。それは、三重県にある伊勢神宮です。こちらでは、氏神神社を含む神社の分類について解説します。

伊勢神宮は特別な存在

三重県にある伊勢神宮では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀っています。天照大御神は、日本の国土だけでなく、国民を守っている特別な存在。昔は国を守っている伊勢神宮と、一族を守っている氏神神社以外に参拝することは禁じられていたほどです。

その他は氏神神社と崇敬神社に分類される

伊勢神宮以外の神社は、大きく分類すると氏神神社と崇敬(すうけい)神社の2つに分けられます。氏神神社は既に紹介した通り。一方の崇敬神社とは、個人の信仰やお願い事などによって崇敬される神社のことで、健康祈願や安産祈願、合格祈願などをする神社が該当します。氏神神社と崇敬神社に違いはあるものの、両方を信仰しても構いません。

時代の変化とともに、氏神は地域を守る存在に

本来、氏神は同じ名字を持つ一族が祀る神様を指していました。しかし、現代では多彩な意味を持ち、その土地に住む人々を守る存在と考えられています。自分の住む土地の氏神神社にお参りをすれば、その土地にさらに愛着がわき、今以上に住み良くなるかもしれませんね。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーなどを担当。