【身内に不幸】職場への連絡、結婚式や初詣、旅行の返金はどうする?

お葬式のマナー・基礎知識
【身内に不幸】職場への連絡、結婚式や初詣、旅行の返金はどうする?
身内の不幸は誰にでも突然起こりえることです。会社や学校を休むことになるため、取り乱していても必要なところへの連絡はしなくてはいけません。この記事では、身内に不幸があった場合の職場への連絡の仕方、結婚式やお正月などの慶事はどうするべきか、予定していた旅行のキャンセルなどの対処方法をご紹介します。

身内に不幸があったときの職場への連絡の仕方

身内に不幸があり会社を休んで通夜や葬儀にかけつける場合、特にはじめてでは戸惑ってしまうかもしれません。もしものときのために、職場での忌引き休暇をとるポイントを紹介します。

上司への連絡はできるだけ口頭か電話で

身内の不幸が分かった時点で、直属の上司に連絡するようにしましょう。仕事の引き継ぎなど会社側がしなければならないことが出てくるため、できるだけ早く連絡するのがマナーです。その場合、口頭か電話で直接報告をするようにします。早朝や深夜の場合であればいったんメールで伝え、あらためて電話を入れるようにしましょう。

同僚や取引先へのメール

休んでいる間に誰かに仕事をお願いする場合は、上司と依頼する人にあらかじめ確認を取った上で、関係者にメールをしましょう。自分の代理で仕事をする人の名前を関係者に知らせることにより、混乱を避けることができます。また、緊急時の連絡先も明記しておきましょう。

取引先へのメールでアポイントなどを延期する場合は、取引先は状況を理解しながらも、この先の仕事に影響が出ないか心配だと推測できます。そのため上司と相談したり、場合によっては代理の担当者をつけることなどを知らせたり、最大限の努力の姿勢を見せるようにしましょう。

休みの取り方

多くの会社には忌引休暇の制度があり、慶弔休暇とも呼ばれます。これは労働基準法で決められたものではなく、会社が任意で定めています。あらかじめ会社の就業規則を確認しておくとよいでしょう。忌引休暇の申請は、口頭でよい会社もありますが、葬儀証明書などの書類提出が必要な会社もあります。

忌引休暇の日数は、おおむね以下の通りです。配偶者が亡くなった場合は10日間、親や子供など1親等は5〜7日間、兄弟姉妹や祖父母など2親等が2〜3日間、叔父や叔母など3親等や孫が1日というのが目安となっています。喪主を務める場合は、これに1〜2日間の休暇が加えられることも多いようです。学校の場合は、定められた期間は欠席扱いにはなりません。


身内に不幸があった場合の結婚式やお正月はどうする?

身内に不幸があった場合、しばらくの間喪に服します。しかし、目前に控えている結婚式やお正月などの慶事に対しては、どうすればいいのか迷うこともあるでしょう。ケース別に紹介します。

結婚式参加を予定していたら

結婚式への参加予定がある場合、キャンセルするのも申し訳なく、かといって喪中に参加していいか迷うこともあるでしょう。

喪中は、故人との続柄によって期間が異なります。両親や配偶者が13ヶ月、子供が3ヶ月~12ヶ月、兄弟姉妹や祖父母が3ヶ月~6ヶ月というように、かつての日本では服忌令(ぶっきりょう)という法律により喪に服す期間が決められていました。

現在でも喪中の間の結婚式への参加は控えるのが基本的なマナーです。忌明け(四十九日)であれば参加してもよいという風潮になりつつあります。喪中や忌中でも相手が気にせず、出席を熱望している場合もあるため、ケースバイケースと言えるでしょう。

自分の気持ちの整理がつかなければ欠席しても構いません。ただしお祝い事のため、欠席の理由としては「やむを得ない事情で」とお茶を濁すようにしましょう。相手方も察してくれるでしょう。

自分の結婚式を目前に控えていたら

自分の結婚式を控えているときに身内の不幸があった場合、式は喪が明けるまで延期するのが慣習となっています。ただし入籍のみを予定通り行い、式を延期するケースも少なくありません。また、四十九日の忌中を過ぎていればかまわないのでは?という考える人も多く、最近では予定通りおこなうことも一般的になりつつあります。

四十九日以内の忌中の結婚式に関しては、一般的でないため賛否両論です。予定日の1ヶ月前までの日程の変更のみであれば、無料で延長できる式場も多いため相談してみましょう。

とはいえ、結婚式を予定通りおこなう場合もあります。式直前であれば、式場のキャンセル料や、招待客の宿泊費用などが余分にかかり、出席者のすべてが休暇の取り直しをしなければならないなど大きな負担が生じます。また、結婚式が故人の強い希望だった場合は供養にもなります。いずれにせよ、両家でよく話し合いをすることが大切です。

年賀状や正月飾り、おせちなどお正月の行事

身内に不幸があったら、新年の挨拶を控えさせてもらうことを伝える「喪中はがき」を出すのが一般的です。正しくは「年賀欠礼状」と言い、相手が年賀状の準備を始める12月初旬までに届くように出します。

12月半ばを過ぎて身内に不幸があった場合は、相手に「年賀状を送ってしまった」と気を使わせることになるため、喪中はがきは出さないほうがよいでしょう。その場合、年明けに寒中見舞いとして出し、年賀状のお礼と出せなかったお詫びを述べましょう。

正月飾りやおせち料理など、めでたいとされるものは避けるのが一般的です。しかし、1年の厄を落とし長寿を願う意味で食べられる年越しそばは、めでたいものではないため問題ありません。

初詣は?神社やお寺への参拝

一般的に、忌中は神社やお寺にお参りしてはいけないと言われています。しかし、厳密にはこれは誤解なのです。

まず神道からみていきましょう。神道においての死は、「忌み嫌うもの」「不浄なもの」と捉えられています。神社での葬儀はできません。

一方で仏教においては、死は穢れという概念はなく、お寺で葬儀や法要もおこないます。忌中であろうとなかろうと仏様に手を合わせるべきだからです。初詣も慶事としてではなく、普通の参拝としておこなう分には問題ありません。

身内の不幸による旅行のキャンセルは返金可能?

旅行を予定していたものの、キャンセルできない時期になって身内に不幸があることも珍しくありません。飛行機やホテルによっては返金不可のところもありますが、諦めるしかないのでしょうか。

飛行機のキャンセル

身内の不幸のため旅行で乗る予定だった飛行機をキャンセルする場合は、JALやANAなどほとんどの航空会社でキャンセル料が免除になります。航空会社によって、死亡診断書や葬儀の礼状などの提出が求められます。また、LCCでは返金されない場合もあるため、まずは航空会社に確認をしてみましょう。

ホテルのキャンセル

ホテルのキャンセル料は、時期によって金額などが異なります。身内の不幸の場合、ホテル側の配慮によりキャンセル料を免除にしてくれる場合も少なくありません。まずは電話などで事情を話してみましょう。

突然の身内の不幸でも、周囲への配慮を忘れずに

身内に不幸があった場合、職場や属しているグループに迷惑をかけてしまいます。しかし、周囲を気遣い、すみやかな対応を心がけていれば、周りも「職場のことはいいから、早く駆けつけてあげて」と気持ちよく送り出してくれるのではないでしょうか。家族との最後のお別れがしっかりできるように、万が一の事態にも落ち着いて対処できる知識を身につけておきましょう。