【例文付き】通夜での喪主の挨拶のポイントと注意点

ご家族の通夜・葬式準備
【例文付き】通夜での喪主の挨拶のポイントと注意点
通夜で挨拶をおこなう喪主は、翌日に葬儀・告別式も控えています。やるべきことが多く、悲しみと責任で頭が混乱してしまうこともありえます。まずは通夜の挨拶をしっかりとすませて、喪主としてすべきことをひとつずつ乗り越えていくことが大切です。本記事では、通夜挨拶の例文や感謝の気持ちを伝えるコツを紹介します。

通夜挨拶の目的と注意点

通夜の1日だけでも、いろいろな挨拶があり、それぞれに目的が異なります。ここでは、最も重要な通夜の挨拶「喪主の挨拶」の目的と注意点をお伝えします。

目的①通夜に参列してくれたことへの感謝の気持ちを伝える

通夜の挨拶で大切なのは、参列者が故人のために参列してくれたことへのお礼と、今までの感謝を伝えることです。また故人が亡くなった後も、変わらぬお付き合いをしていただくようお願いします。
通夜は葬儀・告別式ほど厳粛ではないので、それほど形式にこだわる必要はありません。

目的②葬儀・告別式の場所と時間、通夜振る舞いを知らせる

通夜の挨拶に必ず入れておきたいのが、翌日に執りおこなわれる葬儀・告別式の場所と時間のお知らせです。あらかじめ訃報には明記されていますが、通夜の場でも再度お知らせします。送迎バス・タクシーなどの用意がある場合には、あわせて集合場所なども伝えておくといいでしょう。

参列者への軽いお食事「通夜振る舞い」の席を用意している場合には、お誘いの言葉も加えます。

通夜挨拶をする上での注意点

通夜の挨拶は、長くても3分以内を目安にします。参列者へのお礼や葬儀・告別式の案内を中心に、簡潔にまとめます。また、「重ね言葉」や「忌み言葉」は避けます。「たびたび」「重ね重ね」「再三」などの重ね言葉は不幸が重なることを、「四」「九」などの忌み言葉は「死」や「苦しみ」を連想させるため、使用してはいけません。

通夜と葬儀・告別式の挨拶の違い

昔は通夜と葬儀・告別式の両方に参列するのが一般的でしたが、近年ではどちらか一方にしか参列しない人も多くなっています。そのため、挨拶の内容は同じでも問題ありません。

通夜の挨拶を葬儀・告別式と同じ内容にする際は、次の2点に注意しましょう。1点目は、葬儀・告別式の案内を必ずいれること。2点目は、短くまとめることです。

通夜の挨拶を短くするには、故人にまつわるエピソードを入れすぎないようにします。故人や親族を代表して参列者へ挨拶する最後のタイミングは葬儀・告別式です。長めの挨拶はそこでします。

通夜挨拶に失敗しないための準備とポイント

大切な人の死は家族に深い悲しみを与えます。気持ちの整理もつかない中、喪主として挨拶を述べなければならないのは辛いことです。しかし、忙しいなかで足を運んでくれた参列者に感謝の気持ちを示すためにも、事前の準備が重要です。時間が限られているので、できることを紹介していきます。

通夜の流れを把握しておく

通夜では喪主の挨拶をすることだけで頭が一杯になってしまいそうですが、全体の流れを把握しておくことも大切です。僧侶の出迎えから読経、参列者の焼香や通夜振る舞いなどすべきことがたくさんあります。一連の流れを把握しておくことで、その状況に応じた適切な挨拶や対応をすることができます。

本番前に誰かにチェックしてもらう

できれば、喪主の挨拶文は事前に誰かにチェックしてもらいましょう。経験者などに事前にチェックしてもらうことで、自分では気づかなかった点を指摘してもらえる場合があります。また、参列者の前で挨拶をすることが不安な場合には、実際に声に出して練習することが効果的です。少し気持ちが落ちついてくるかもしれません。

メモを利用する

喪主の挨拶文を作るには、葬儀社のHPや書籍などに掲載されている例文が参考になります。
女優や俳優のように、原稿を全て暗記する必要はありません。メモを手に、要所要所を確認しながらでも大丈夫です。特に、葬儀・告別式の時間や場所などの伝達事項は、必ず入れましょう。大事なことを伝え忘れないようにすることの方が大切です。

通夜の挨拶あれこれ。例文と気持ちを伝えるコツ

通夜では誰かが訪れるたびに、その状況に合わせた挨拶をします。あらかじめ、通夜の流れをイメージしておくと、慌てずに済みます。通夜の一連の挨拶とその例文、そして、気持ちを伝えるコツを紹介します。

僧侶への挨拶

僧侶が通夜に来た時には『お忙しい中、ご足労いただきありがとうございます。通夜を予定通り始めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。』と通夜会場までご案内しましょう。
通夜での読経が終わった後のには『本日は心のこもったお勤めをいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に通夜式をおこなうことができました。〇〇も安心していることでしょう。こちらは、ほんの気持ちですがどうぞお納めください。』とお布施を渡します。

弔問客に対する挨拶

通夜に参列してくださった弔問客へは次のように感謝の言葉を伝えます。『本日はお忙しいところ、お越しいただきましてありがとうございます。生前は〇〇が大変お世話になりました。おかげさまで最期は安らかに息をひきとりました。』
また、当日お手伝いをしてくださる方にも次のように挨拶します。『本日はお世話になりますが、よろしくお願いいたします。何かございましたら、遠慮なくおっしゃってください。』

通夜振る舞い前後の挨拶

通夜振る舞いは、故人と最後の食事をともにするという意味があります。通夜に来てくださった人に食事やお酒を振る舞って、同時に故人を偲んでもらうものです。

通夜振る舞いの開始時には、以下のように挨拶をします。
『本日は、お忙しい中足を運んでいただきましてありがとうございました。〇〇の生前中には格別のご厚情をいただき、誠にありがとうございます。
皆様方がお集まりくださいまして、〇〇も喜んでいることでございましょう。
明日の葬儀・告別式は〇時からの予定でございます。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
なお、ささやかではございますが別室にお食事、お飲み物などのご用意をさせていただいております。どうぞお召し上がりいただき、○○との思い出話などを語っていただけたら幸いでございます。
本日は誠にありがとうございました。』

また、通夜振る舞いの終了時には、次のような挨拶をします。
『本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。おかげさまで、滞りなく通夜を執りおこなうことができました。思い出話は尽きませんが、夜も更けてまいりました。皆様におかれましては、お気をつけてご帰宅ください。本日は、誠にありがとうございました。』

なお、通夜振る舞いは、約1時間程度で切り上げるのが一般的です。

気持ちを伝えるコツ

通夜や葬儀・告別式の挨拶では、故人のためにわざわざ足を運んでくださった方へ、感謝の気持ちをしっかり伝えたいものです。
挨拶文の中に次のような内容を盛り込むと、自分の気持ちが伝わりやすくなります。故人が生きていたらこう伝えるであろうという感謝の言葉、故人と喪主とのエピソード、そして、喪主の立場から周りへの感謝の気持ちです。

通夜の挨拶は要点を押さえて簡潔に

喪主として通夜の挨拶をするとき、あれこれと胸に去来するものがあるでしょう。そんなときも忘れてはならないのが「参列者への感謝の気持ち」「葬儀・告別式の場所と時間」「通夜振る舞いへのお誘い」の3点です。この内容を入れながら、参列者の胸に響く挨拶を心がけましょう。