葬儀保険は必要?加入のメリット・デメリットや選び方

終活
葬儀保険は必要?加入のメリット・デメリットや選び方
葬儀保険とは、葬儀費用の一部あるいは全部をまかなうために必要に応じて加入する保険のことです。通常の生命保険で葬儀代を受け取れるものもありますが、死亡保障に特化した少額短期保険を指すことが多いです。本記事では、用途が葬儀に限定される少額短期保険を中心に、加入のメリット・デメリット、納得のいく保険の選び方、葬儀にかかる費用の相場等を紹介します。

葬儀保険とは何か、詳しく知る

自分がこの世を去った後、残された家族に葬儀費用で負担をかけたくないと考える人は多くいます。そういった人のための選択肢のひとつが葬儀保険です。まず初めに、葬儀保険の内容を詳しく紹介します。

葬儀保険とは

葬儀保険は自分の死後に支払われる保険金を、葬儀に充てるために加入するものです。死亡時に葬儀代が支払われる一般の生命保険と、契約期間が短く保障内容を葬儀費に限定した少額短期保険があります。

加入する際は、葬儀保険を扱う会社と契約を結びます。一般の生命保険は保険会社と、少額短期保険は保険業者と契約を結びます。

葬儀保険は、「お葬式保険」や「終活保険」、「死亡保険」という商品名で取り扱われることもあります。

少額短期保険をもっと詳しく

少額短期保険は2006年の4月の保険業法改正に伴い誕生しました。比較的少ない金額から加入でき、保険期間が1年または2年と短いものが少額短期保険です。月々の保険料は安いと数百円のため、「ミニ保険」と表されることも。

この葬儀保険の保険期間は1年間で、支払われる保障金額は最大でも300万円までです。保険金は請求してからすぐに支払われるため、葬儀費用の一部に充てやすいとされています。

なお「ペット保険」や登山での遭難に備える「レスキュー保険」など少額短期保険にはさまざまな種類があります。

葬儀保険の種類

生命保険も少額短期保険も、受け取る保険金が定額のものと、支払う保険料が一定のものの、大きく分けて2種類があります。自分に適したタイプを選択することが大切です。それぞれの特徴を解説します。

1.保険金定額タイプ

契約を更新するごとに保険料が段階的に上がっていくものの、死亡した際に支払われる保険金は定額なタイプです。例えば、受け取る金額が100万円の場合、49歳までは月々の保険料が1,500円、50歳から70歳までは2,000円、71歳から80歳までは3,000円などに増加します。こちらのタイプは、葬儀費用のうち一定額は自分でまかないたいと考える人に向いています。

2.保険料一定タイプ

契約している間は、毎月支払う保険料が変わらないのが、保険料一定タイプです。毎月の保険料が3,000円の場合、亡くなった際に支払われる保険金が年齢に応じて変わります。例えば、49歳までは200万円、69歳までは150万円などと、年齢が上がるにつれて受け取り額は下がっていきます。

葬儀保険(少額短期保険)のメリット・デメリット

ここからは少額短期保険の葬儀保険について、メリットとデメリットの両方を分かりやすく解説します。

メリット

葬儀保険のメリットは、主に次の3つです。
①高齢でも加入しやすい
一般的な生命保険は、契約前に医師の診断などを含めた審査に通る必要があります。そのため、一般的な生命保険の死亡保険金を自分の葬儀費用にするのは、なかなか難しいかもしれません。その点、葬儀保険は保険金を葬儀費用に充てることを目的としているので、高齢の人でも加入しやすくなっています。
②支払う保険料が割安なことが多い
先述したように、葬儀保険は少額短期保険であるため、支払う金額が抑えられている傾向にあります。保険金定額タイプは年齢が上がればその分保険料も上がりますが、1年ごとに更新していく掛け捨てタイプのため、通常の保険と比較すると割安なことが多いです。
③保険金の支払いが早い
通常の生命保険は審査などに時間がかかるので、実際に保険金を受け取るまでにある程度の日数を要します。それに対し葬儀保険は、書類が到着したら原則は翌営業日に保険金が支払われるというスピーディーな対応が魅力。どんなに遅くても、5営業日以内には支払われることが多いようです。

デメリット

一般の生命保険と同じく、葬儀保険にも“保険の責任開始期”が設けられています。これは、保険金などの支払いといった契約上の責任を、保険業者が開始する時期のこと。この時期を迎えて、初めて契約内容が適用されます。
つまり、この時期を迎える前に亡くなってしまった場合は、保険金は支払われません。保険の責任開始期は会社によって異なるので、契約内容をよく確認しておくことをおすすめします。
また、葬儀保険は掛け捨てなので、一部を除いて解約返戻金(かいやくへんれいきん)がないところもデメリットと言えるかもしれません。

納得できる葬儀保険の選び方

葬儀保険の加入を検討しているときは、保険業者の情報と選択するプランの種類をよく確認することが大事。納得のいく保険に加入するために知っておきたい、選び方のポイントを2つ紹介します。

安心できる会社を選ぶ

生命保険を扱う保険会社は、保険業法によって生命保険契約者保護機構に加入しています。そのため、仮に保険会社が破綻した場合でも、契約者はある程度まで保護されます。
しかし、少額短期保険は保護機構の対象ではありません。現在は、契約者保護の観点から保証金の供託(きょうたく)が義務付けられていますが、例外の規定もあり、必ず保護されるとは限りません。
そういった事態に陥らないように、葬儀保険を探す際は事前確認が大切です。まず少額短期保険業者として登録されているかを金融庁のホームページで確認してください。また、事業運営内容をはじめとした会社情報を確認することも重要です。不明点はカスタマーセンターや金融庁の金融サービス利用者相談室に電話をしてみて、安心のできる保険業者と契約することが大切です。

自分に適した保険金と保険料のプランを選ぶ

少額短期保険の葬儀保険で支払われる保険金は最大で300万円ですが、なかには数十万円に設定できるプランもあります。金額を高く設定すると、その分毎月支払う保険料も高くなります。とはいえ、低く設定してしまうと、葬儀費用を思ったようにまかなえないかもしれません。
葬儀保険を選ぶ際は、自分が亡くなったときの葬儀をどのようにしたいのかを考え、必要な予算を計算しておくと良いでしょう。併せて、毎月いくらまでなら保険料を支払えるのかも重要です。自分に適したバランスの良いプランを選ぶことをおすすめします。

葬儀にかかる費用を理解する

葬儀保険の必要性に関連する、葬儀にかかる費用と払う立場になる人について解説します。

葬儀費用を払う人

法的な決まりはありませんが、基本的には喪主が葬儀費用を負担することが多いです。喪主は故人と最も血縁関係が深い人が務めるのが一般的で、故人の配偶者や子どもが該当します。
実際のところは、葬儀費用は喪主1人だけの負担ではなく、故人の残した財産を元に親子や兄弟などで話し合って出し合うことがほとんどです。

葬儀にかかる費用の相場

2017年度に日本消費者協会がおこなったアンケート調査によると、全国の葬儀費用の平均額は約195.7万円です。この数値は全国を対象にしたものであり、地域や依頼する葬儀社などによって金額は異なります。
ちなみに平均額の内訳は、「葬儀一式の費用」が約121.4万円、「飲食接待費」が約30.6万円、「寺院に支払う費用」が約47.3万円です。家族葬にかかる費用は約115万円で、一般葬よりも80万円ほど安くなる傾向にあります。
費用の詳細に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

終活の一環として、葬儀保険への加入を検討してみては

民法が変わり、現在は故人の預貯金から葬儀費用を出すことも可能です。一方で、自分の葬儀を見据えた葬儀保険への加入は、家族への感謝の気持ちを表わす終活の一環になるかもしれません。葬儀保険は必須ではなく、人生最後のお金の使い道を考える選択肢のひとつです。

この記事の監修者

瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。