20人の家族葬の費用相場と内訳を公開。人数で変わる項目は?

ご家族の通夜・葬式準備
20人の家族葬の費用相場と内訳を公開。人数で変わる項目は?

この記事はこんな方におすすめです

20人で家族葬を行う場合の費用の相場を知りたい
参列者の人数によって抑えられる費用を知りたい
20人で家族葬をおこなう場合の総額の費用相場は、100万円前後です。会場使用料など葬儀の基本的な費用は参列者の数が変わってもあまり増減しませんが、会食や返礼品にかかる費用は人数によって変動します。20人で家族葬をおこなう場合の総額の費用相場と内訳、人数で変わる項目とそれぞれの費用相場、家族葬向けのプラン例を紹介します。

家族葬は20人でもできる?

家族葬に人数の決まりはなく、参列者20人でおこなうことは可能です。人数の規模は家族のみの数人から、友人を交えて数十人となる場合もあります。平均人数は10〜30人ほどなので、20人は家族葬のごく平均的な人数と言えるでしょう。
家族葬には規模が小さい印象がある人も多いようですが、お葬式の内容や流れは大規模である一般葬とさほど変わりません。親族が中心になるのが基本のため、比較的自由度の高いお葬式があげられます。
近年では、コロナ禍の影響により小規模な葬儀を検討する人が増え、家族葬は特に注目されている形でもあります。20人で葬儀を考えているなら、まずは家族葬で検討してみるのがおすすめです。

20人の家族葬|費用相場と内訳

葬儀を執りおこなうには、斎場の利用や用具の準備にかかる基本的な費用に加え、参列者へのおもてなしの費用や、宗教者へのお礼が必要です。家族葬の費用相場と内訳を紹介します。
今回の費用相場については、鎌倉新書「第5回お葬式に関する全国調査」を参考にしています。

家族葬の費用平均

家族葬にかかる費用の総額は100万円前後が平均です。葬儀の形式や内容によって費用の大部分が決まるので、人数はあまり全体の費用には影響しません。例えば、人数は少なくても斎場や祭壇などを豪勢にしたいとなれば費用がかかりやすく、反対に人数を増やしても儀式などを省略したシンプルな葬儀で良いという場合は費用が安くなるケースがあります。

内訳①葬儀の基本料金

葬儀の基本料金とは、葬儀をおこなうにあたり必要となる費用や施設の使用料などです。家族葬の場合、基本料金は838,900円です。規模に合わせてコンパクトな斎場を選ぶと費用を抑えられるケースはありますが、細かな人数の増減による変動はあまりない部分です。

内訳②参列者のおもてなし費用

参列してくれた人へのおもてなしとして、「会食」や「返礼品」の費用が発生します。
会食費としては「通夜振る舞い」や「精進落とし」があります。
<通夜振る舞い>
通夜の後におこなう会食のことを通夜振る舞いと言います。1人当たり3,000〜5,000円が相場なので、20人の場合は6〜10万円ほど。

通夜振る舞いは食事が目的ではなく、故人の思い出話をする際のつまみとして用意します。そのため複数人で気軽に手に取れる寿司桶や、オードブルなどの大皿料理でふるまうのが一般的です。

<精進落とし>
葬儀や火葬の後におこなう会食が精進落としです。1人当たり3,000〜5,000円が相場で、20人の場合は6〜10万円ほどとなります。

通夜振る舞いと違い参加者の人数がはっきりしているので、1人ずつ食べられる仕出し弁当や懐石料理を用意するのが一般的です。宗教者を呼ぶ場合は、宗教者の分も用意するか、不参加なら御膳料として5,000円〜20,000円程度包むのがマナーとされています。

精進落としの流れとマナーについては、こちらの記事を参考にしてください。
返礼品としては「会葬御礼」と「香典返し」があります。
<会葬御礼>
会葬御礼は通夜や告別式に足を運んでもらったお礼として、参列者全員に渡します。相場は1人当たり500〜1,000円ほどで、20人の場合は1〜2万円ほどとなります。コーヒーやお茶・お菓子・タオル・ハンカチなどの日用品、最近ではギフトカードなどを配る例が多いようです。

<香典返し>
香典返しとは、香典を包んでくれた人へのお返しとして用意するものです。香典の3〜5割程度をお返しするのが一般的で、1人当たり3,000円〜5,000円、20人の場合は6〜10万ほどが相場です。品目としてはお茶や海苔などの食べ物、石鹸・洗剤などの日用品がよく選ばれます。最近ではカタログギフトも人気です。
もともとは後日渡すものでしたが、近年では葬儀当日に渡すケースが増えています。

おもてなし費用は、人数分の用意が必要なので、人数に応じての変動が最も大きい項目と言えます。家族葬では会食を省略したり、返礼品は不要としたりすることもあり、その場合、費用は発生しません。
なお、参列者が少ない分、もらえる香典の額が減るので、葬儀費用に補填できない可能性があることには注意が必要です。

内訳③宗教者へのお礼

僧侶などに葬儀を依頼した場合はお礼を包みます。感謝の気持ちを表すものなので、金額に決まりはありませんが平均では20万前後となります。ほかにも宗教者に対しては戒名料やお車代・御膳料などが必要になる場合もあります。
葬儀の規模には関係しないので、参列者の人数による変動はありません。また、無宗教葬とした場合は不要です。
家族葬でのお布施の相場は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

家族葬の費用を抑えたいときに見直すポイント

家族葬の費用を抑えたいときには、参列者1人ごとに費用が発生する項目を見直してみることをおすすめします。

参列者の人数を見直す

家族葬の場合、基本的に招かれた人が葬儀に参列します。そのため参列者の人数を見直すことで斎場の規模を小さくしたり、会食や返礼品の個数を抑えたりすることで費用を軽減することができます。

「会食」や「返礼」のおもてなし費用を見直す

費用を抑えるためには、おもてなし項目にあたる「会食」や「返礼品」の内容を見直すことも検討してみてください。ひとつひとつのグレードを下げれば、一人当たりの単価も下がるので総額を抑えることができます。
ただし、単に費用を抑えることだけを考えず参列していただいた方に対する感謝の気持ちを忘れずに選択することが大切です。

【20人の家族葬向け】葬儀のプラン例と費用相場

葬儀の費用は形式やグレードによっても変動します。最後に、家族葬向けのプラン例と費用相場を紹介します。

葬儀プランに含まれる内容

どのプランにも基本的に含まれているものとしては、安置に必要なドライアイス、衣裳・枕飾りなどの用具一式、位牌、役所への手続き代行などが挙げられます。そのほかは、グレードによって変わるところがほとんどです。
■シンプルなプランの内容
シンプルな葬儀プランでは、基本項目に加え、棺や骨壷、遺影写真、故人を搬送するための車の手配などが追加されます。
■標準的なプランの内容
標準的なプランでは、斎場スタッフの増員や司会の手配が加わる場合が多いようです。
■プランに含まれないもの
斎場や火葬場の利用料は含まれていないところが多いので要確認です。

シンプルに済ませたいなら:一日葬プラン

通夜を省略して葬儀・火葬を1日で済ませるのが一日葬です。家族葬形式のシンプルなプランでは30万円くらいから対応しています。標準的なプランでは70万円前後が相場です。
■基本的な流れ
  • 前日まで:病院から搬送→安置→葬儀の打ち合わせ
  • 一日葬当日:納棺→葬儀・告別式→出棺・火葬
法律の定めにより死亡確認後24時間以上の安置が必要なので、一日葬であっても安置の時間や準備を含めると数日にまたがります。
一日葬の詳しい流れは、こちらの記事で紹介しています。

小規模でもしっかりお見送りしたいなら:二日葬プラン

葬儀・告別式の前日に通夜をおこなう旧来型のスタイルが二日葬で、相場は40〜80万円ほどです。プラン内容は一日葬と基本的には同じで、通夜の儀式が追加されます。一日葬に少し費用をプラスするだけで実現可能なので、規模を抑えてもしっかりお見送りしたい人におすすめです。
■基本的な流れ
  • 1日目(安置後):納棺→通夜
  • 2日目:葬儀・告別式→出棺・火葬

お別れの時間を大切にしたいなら:オリジナルプラン

オリジナルプランは、故人や遺族の意向を葬儀に取り入れられるワンランク上のプランです。相場は100〜180万円ほどで、特別なオプションを加えられたり、イメージに合わせた祭壇や棺を選べたりします。故人への思いを形にし、お別れの時間を大切にしたい遺族から選ばれています。
■オプション例
  • 棺・祭壇などのグレードアップ
  • メモリアルフォトやパネル・ムービーの作成
  • おもいで年表の作成
  • 参列者へふるまう料理の準備
  • 音響の演出
  • 湯かんの儀

費用をなるべく抑えたいなら:火葬プラン

通夜や葬儀などの儀式を省略し、火葬のみをおこなうのが直葬・火葬式と呼ばれる形式です。葬儀社のプランでは病院へのお迎え〜安置・出棺までのサポートを受けられ、相場は10〜40万円ほど。なるべく費用や葬儀にかかる負担を減らしたいという場合に向いていますが、葬儀に最低限の内容であるため、追加したい項目があれば別途費用が必要になります。
■直葬の当日の流れ
  • 納棺の儀→出棺→火葬
直葬の詳しい流れはこちらの記事を参考にしてください。
地域や人数による家族葬の費用の目安はこちらを参考にしてください。

費用の内訳を把握して20人の家族を検討しよう

参列者20人は、家族葬の平均的な人数です。費用は葬儀の形式や内容によって変わりますが、人数の影響を受ける項目としては会食費や返礼品があります。人数によってもらえる香典の金額も変わるので、内訳をしっかり確認して決めるのが大切。なお、葬儀の内容や費用相場は地域によっても異なるので、独自の慣例がある場合はそちらも考慮してください。