家族葬は3人でも可能?流れや費用は変わる?

ご家族の通夜・葬式準備
家族葬は3人でも可能?流れや費用は変わる?

この記事はこんな方におすすめです

3人での家族葬を検討している人
3人での家族葬の流れや費用を知りたい人
近しい親族のみで葬儀をおこなう家族葬。もともと家族葬は少人数で営むことが多いですが、家族の形によっては参列者を3人だけにしたい場合もあるかもしれません。家族葬は3人でできるのか、その場合の流れや費用の目安、注意点と、家族葬以外の葬儀形式について紹介します。
まず家族葬の費用目安を知りたい人は、下記よりご確認ください。お住まいの地域や参列者の人数別の費用一覧ページです。

家族葬とは親族を中心におこなうお葬式のこと

家族葬は人数が少ない分、規模は小さな印象ですが、お葬式の内容や流れは大規模である一般葬とさほど変わりません。ただし基本的に親族が中心で参列者同士の気心が知れているため、比較的自由度の高いお葬式があげられます。
家族葬は、故人や家族の願いや想いを反映しやすい葬儀形式と捉えると良いでしょう。

家族葬は3人でもおこなえる?

結論から言うと、3人でも家族葬はおこなえます。しかし、人数が少ないからといってかかる時間やセレモニーが大きく変わることはありません。3人の家族葬について詳しく確認します。

家族葬は3人でもあげられる

家族葬に人数制限の決まりはなく、3人でも問題ありません。親子だけで、兄弟姉妹で、子どもたち3人でなど、大切な人のお見送りに人数は関係ありません。

平均的には10~20人が多いようですが、極端な例で言うと、100人集まったとしても、斎場に入れれば家族葬は可能です。

人数だけではなく、呼ぶ親族の範囲にも特に決まりはありません。

参列者が少ない場合は人手を葬儀社に任せる

3人で葬儀をしようと考えると「手続きの人手は足りるのか」、「出棺時、位牌や写真を持つ人数は足りるのか」、「そもそも柩を運び出せるのか」といった不安を抱くかもしれません。

こういった不安がある場合は、たいてい葬儀社がサポートしてくれます。ぜひ葬儀スタッフに相談し、安心して葬儀にのぞんでください。

セレモニーは大きく変わらないが手間は減る

3人でおこなう家族葬でも、セレモニーの内容は人数の多い家族葬や一般葬と大きく変わりません。その他の葬儀形式と同じく基本的には通夜も告別式もできるため、かかる時間もそれほど変わりません。

斎場(式場)や火葬場などの費用は他のお葬式と同様にかかりますが、参列者への返礼品、お食事代などは少額になります。また、一般参列者がいない状況では、受付や案内が簡略できる分、手間も少なくなるでしょう。

3人の家族葬の流れ【通夜・告別式をする場合】

3人で家族葬をおこなう場合も、基本的には一般葬と同じ流れです。ここでは、3人での家族葬の流れを紹介します。一般参列者がいないため、遺族が来客対応などの必要はありません。

ご逝去〜安置・納棺

ご逝去後、まずは葬儀社へ連絡します。病院で亡くなった場合など、その日のうちに安置場所に移動させる必要があるためです。
一般的に、ご遺体の安置には葬儀場の安置室を利用します。安置室を利用した葬儀社にそのまま葬儀を依頼することが多いです。
葬儀社が決定したら、親族へ家族葬をおこなうことを連絡し、葬儀当日に向けて打ち合わせをして、葬儀の日程・場所を決めます。通夜の前に納棺の儀をして、お化粧や死装束などの身支度を調えて棺に納めます。

通夜

家族葬でも、一般葬と同様に1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式をおこなうことができます。通夜は18時ごろに開始することが多いようですが、近しい方3人などであれば、少し早めることができるかもしれません。通常の家族葬では、喪主から順に焼香をおこない、喪主が挨拶をして閉式となりますが、3人の場合は参列者が家族のみのことが多いため、喪主による挨拶は省略される場合もあります。
その後、通常の葬儀では通夜振る舞いと呼ばれる会食をしますが、家族葬では省略することも。地域の慣習にもよりますが、3人のような少人数の場合はおこなわないことが多いでしょう。
一日葬の場合は、通夜はしません。

葬儀・告別式

通夜の翌日には葬儀・告別式をおこないます。火葬の時間によっても異なりますが、葬儀・告別式は午前10時ごろに開始することが多いです。
読経の後、喪主、遺族、参列者の順に焼香をしていきます。焼香が終わると、故人とお別れする最期の時間です。柩の蓋を開け、別れ花を入れてお見送りをします。

出棺・火葬

柩を会場から運び出し、霊柩車にのせ火葬場へ向かいます。その際、喪主がお位牌を、故人と関係の深い人が遺影を持つのが一般的です。親族の車がある場合は、霊柩車を先頭にして向かいます。
火葬場に着いたら納めの儀をおこない、僧侶に読経をしてもらいます。火葬が終わるまでは控え室で待ち、終わったら骨上げに向かう流れです。

繰り上げ初七日法要・精進落とし

初七日法要は、一般的に命日から数えて7日目におこなう法要です。最近では、告別式と同日での実施が多くなっています。精進落としは、初七日法要の後に遺族がおもてなしとして提供する会食です。家族葬の場合は省略する場合もあります。
初七日については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

3人の家族葬の費用目安

家族葬は3人という少ない人数であっても、費用は一般的な家族葬と大きく変わりません。費用の目安や内訳を紹介します。

葬儀費用の目安

配偶者や子どもなど、家族のみで葬儀をおこなう場合の費用は80〜180万円程度です。
葬儀費用にも含まれる「お布施」については、下記の記事で紹介しています。

葬儀費用の内訳

葬儀費用の内訳は、葬儀にかかる費用(斎場や祭壇・火葬料など)、おもてなし費用(飲食代・香典返しなど)、寺院への費用(お布施など)の3つに分けられます。自宅でおこなう場合、会場費は不要です。
葬儀にかかる費用はプランで変動します。寺院への費用は一般葬・家族葬などで違いはありませんが、お通夜の有無など葬儀形式によっては高額になる場合もあります。参列者が少ない場合は香典による収入も少ないため自己負担が大きくなることもあるので注意が必要です。
具体的な家族葬の費用一覧は、下記よりご確認ください。

3人で家族葬をおこなう場合の注意点

3人で家族葬をおこなう場合は、注意すべき点があります。後々のことを考えて、家族葬を選択するかどうかの判断をしてください。

事前に親族の理解と同意を得る

3人で家族葬をしたいと考えたら、事前に近しい親族へ必ず相談します。親族を呼ばない場合、同意を事前に得ずに進めてしまうと、「私も参列したかったのに」と角が立つような事態に発展してしまうことがあるためです。
あらかじめ理解と同意を得るべき人を検討し、相談するのをおすすめします。また、葬儀終了後は無事終わった旨の連絡も忘れずに。

弔問対応に追われることがある

葬儀に呼ばなかった故人と親しい関係者が、葬儀後に弔問に訪れるケースがあります。急遽、香典返しを手配しなければいけなくなるなど、対応に追われることもあります。
葬儀が終わりホッとしていたところに、想定外の弔問客に慌ててしまわないためにも事前に香典返しを手配しておく、もしくは余裕がない場合は訃報に弔問辞退の旨を明記するなどで対応をしておくと良いでしょう。

葬儀プランに不要なものがないか確認する

プラン内に3人以上の食事代や返礼品などが含まれている可能性もあるため、省けるかを確認することも大切です。また、葬儀の内容次第では追加費用が発生する可能性もあり、結果的に出費が重なる危険性があるため、必ず事前相談をしておくことをおすすめします。

少人数でおこなうお葬式の形

最後に、3人でおこなう場合に選ばれることのあるお葬式の形を紹介します。3人で葬儀をおこなう場合、通夜や告別式のような儀式を2日かけておこなう必要はないかもしれません。

通夜をおこなわない「一日葬」

3人だけで葬儀をおこなうなら、家族葬の中でも通夜を省略する一日葬が適しているかもしれません。葬儀・告別式のみだとしても、故人とのお別れにひとり一人長めに時間がかけられます。
3人の家族に高齢の人がいる場合、1日ですべてが完結すれば体力的な負担も減らせます。告別式の前日に、故人との別れの時間をゆっくり持つことも可能です。

通夜や葬儀・告別式をおこなわない「直葬」

通夜や葬儀・告別式を省略し火葬のみをおこなう「直葬」は、簡潔で葬儀費用も抑えられます。
ただし、死亡届などの手続きは同様におこなう必要があります。

また、儀式をしないことで故人が亡くなったことを受け入れる気持ちの整理や区切りをつけにくい点には注意が必要です。

家族葬を3人でおこなう場合は注意点をしっかりおさえよう

家族葬は人数や呼ぶ人の範囲に制限がないため、3人でもおこなえます。ただし、人数が少ないからといって費用や手間が大きく減るわけではない点には注意が必要。3人の家族葬の流れは、一般的な葬儀と大きく変わりません。また3人でおこなうなら、家族葬の形式としては一日葬や直葬といった選択肢もあります。費用の目安や注意点を確認し、後悔のないお見送りにしてください。
現在お住まいの地域の具体的な家族葬プランの費用や、参列する人数別の費用は下記より確認できます。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了