おひとりさまの意味とは。老後の不安の解消方法と楽しみ方

終活
おひとりさまの意味とは。老後の不安の解消方法と楽しみ方

この記事はこんな方におすすめです

おひとりさまの老後に備えておくべきことを知りたい人
おひとりさまの老後の楽しみ方を知りたい人
同居する人がいない、1人で生活する人を指す「おひとりさま」。高齢のおひとりさまも増加していて、老後の過ごし方について不安に思っている人もいるようです。この記事では、おひとりさま意味や老後の懸念点、備えておくべきことをくわしく解説。老後の楽しみ方も併せて紹介しています。

おひとりさまの意味と実態

理由はさまざまですが、近年、おひとりさまの状態にある人は増加しているようです。まずは、おひとりさまの意味や実態について見ていきます。

おひとりさまとは同居する人がいない状態のこと

おひとりさまとは、誰とも同居せず1人で暮らしている状態のこと。独身のほか、パートナーとの死別や離別など、おひとりさまになる理由はさまざまです。特に男性・女性の区別はありません。

おひとりさまを取り巻く実態

結婚がそれほど重視されなくなってきている昨今、1人で生きることを選択する人も増えています。
おひとりさまは子どもやパートナーがいないことで教育費や生活費はかからないものの、病気や高齢になった際に世話をしてくれる人がいないといった心配があります。そのため、老後の収入や生活費を試算し、貯蓄をしておくことが必要です。
また、65歳以上のおひとりさまも増えていて、経済的な不安を抱えていたり、社会から孤立してしまったりなどの問題もはらんでいます。そのため、保険や医療をはじめ、行政サービスなどの知識をあらかじめ収集しておくことも重要です。

老後をおひとりさまで迎える際の懸念点

おひとりさまの人生は、特に健康状態が悪くなったときに不安が募るもの。医療や保険はもちろん、自身の遺産についても考えておく必要があります。老後をおひとりさまで迎える懸念点をピックアップしました。

1.経済面での懸念

おひとりさまで老後を迎えるには、老後の収入やかかる生活費を把握し貯金を心がけることが重要です。そもそもの収入減で住居費や食費・光熱費の占める割合が増えることで、家計の圧迫も懸念されます。そのうえ、これまでかかっていた住居費や食費に加え、医療費やそれに伴う交通費がかさむことも考えられます。
また、いつ心身の不調が訪れるかも分からず、老後の収入や貯金が大きく減る可能性もあります。

2.手続き面での懸念

賃貸契約や施設入所、病院での入院や手術の際には、身元保証人を求められることが多くあります。おひとりさまは身元保証人が見つからずに困ってしまい、業者にお願いするケースもあるかもしれません。また、自身が亡くなった後のお墓の手続きや、財産処分の手続きをする人がいないことも考えられます。
そのほか、資産管理に関しても加齢による視力・脚力の低下や認知症などの影響を受け、これまでどおり自身だけで預金を引き出したり振り込みをしたりが難しくなる事態も危惧されます。

3.メンタル面での懸念

おひとりさまの老後で心配なのが、メンタル面です。1人で過ごしていると新しく挑戦することや覚えることも減り、気力が低下してしまいやすくなります。
仕事を定年退職すると社会との関わりも自ずと減り、環境が変化して孤独感を抱く場合も。世帯はおひとりさまでも、友人や地域・社会とのつながりを大切に生きていくことが大切です。

不安解消!おひとりさま老後に備えておくべきこと

高齢になってからは、1人では対処できないことも増えるもの。おひとりさまの老後をなるべく不安なく過ごすために、今できることを見つけ、備えをしておいてください。

1.身元保証人を探しておく

懸念点でも触れたように、契約や入院・手術の際など、身元保証人を求められる場面は多くあります。親族がいなかったり、関係が良くなかったりすると、いざというときに困りかねません。
最近は身元保証会社に頼めたり、社会福祉協議会がサービスを提供していたりもします。万が一の際に困らないよう、事前に探しておくことをおすすめします。

2.物や財産を整理しておく

おひとりさまは、健康なうちに物や財産をある程度整理しておくことが大切です。体力がなくなってくると、物を動かしたり掃除をしたりするだけでも骨が折れます。そのままにしていると、自身が亡くなった後に遺品整理で遠縁の親族などに手間をかけさせてしまいかねません。また、財産は相続にも関わってきます。
最近では、フリマアプリも生前整理の手段の1つとして選ばれています。捨てるよりも誰かに使ってもらうことに嬉しさを感じる人も多いようです。

不動産や口座などは健康なうちに整理し、財産目録など状況をひと目見て分かるようにしておくと良いかもしれません。

3.貯蓄や資産を把握しておく

老後の収入や生活費を考慮し、自分の貯蓄が十分であるかを把握しておく必要があります。年金だけで生活できるとは限らないため、ある程度貯蓄をしておくと安心です。
老後の資金が足りないと感じた場合、働いているうちであれば「つみたてNISA」や「iDeCo」などで資産形成を、退職後であれば節約、年金の中からの貯金を心がけることがおすすめです。

4.施設やサービスを事前に調べておく

おひとりさまは、自分だけで暮らしていけなくなったときへの備えも大切です。1人で暮らしていると、急に病気になったり、動けなくなったりしたときにすぐに助けを呼べない可能性があります。
例えば安否確認や生活相談サービスを受けられる高齢者向け住宅は、バリアフリーで必要な設備も揃っていて、専門家によるサービスを受けられます。自宅で過ごす場合、緊急で助けを呼べたりセンサーで動きを感知したりしてくれる、高齢者向けの見守りサービスなども。元気なうちに、利用できそうな施設やサービスを調べておくと安心です。

5.エンディングノートを作成しお墓や葬儀の準備をしておく

終活で活用される「エンディングノート」には、緊急連絡先や自身の財産、医療、介護などについてあらかじめ記載しておくことが可能です。お墓や葬儀をどうしてほしいかなど、自身が亡くなった後のことについて残しておく人も多いです。
自身の判断能力が衰退したときや死亡したとき、依頼ごとをエンディングノートに残しておけば、自らの意思を第三者に伝えられる利点があります。エンディングノートに何を書けば良いかは、下記を参考にしてみてください。

老後をおひとりさまで楽しむ方法

老後に備えておきつつも、残された余生もできるだけ楽しんで暮らしたいものです。ここでは、おひとりさまの老後の楽しみ方を紹介します。おひとりさまが老後を楽しむためのヒントを見つけてみてください。

積極的に人とのつながりを持つ

おひとりさまが老後を楽しむには、周りの人や社会とのつながりを積極的に持つことが大切です。人と交流を持つことで孤独感がなくなり、何かあったときにも支え合えます。ボランティア活動などに参加して仲間を作るのもおすすめです。

趣味や習いごとを始める

仕事を退職して自由な時間が増えたら、これまでできなかったことに挑戦できます。園芸や手芸、釣りなど、1人で楽しめる趣味や習いごとに没頭するのに最適な時間です。
やってみたかったけどできなかったことに挑戦するのもおすすめ。趣味のサークルに参加したり、習いごとをしたりすれば、人と交流を持つことも同時に叶います。
また、お金を使わずにあるものを工夫して豊かに暮らす方法を紹介した本も出版されています。本を参考に、老後の暮らし方を考えてみるのも良いかもしれません。

健康に気を付けて生活する

仕事を辞めて高齢になると、外出する機会も自然と減ってしまうものです。筋力も衰えてしまうため、公民館やスポーツジムなどで足腰を鍛えておいたり、散歩など適度な運動をしたりしておくことをおすすめします。
そのほか、いざというときのために自身が加入している保険の内容を見直しておくことも大切です。

おひとりさま老後はしっかり備えて豊かに過ごそう

おひとりさまは一人でのびのびと過ごせる半面、自身に何かあったときに、すぐに対処してくれる人がいなくて困ることがあるかもしれません。万が一のときのために、独居と老後の懸念点をおさえ、あらかじめ備えておくことが大切です。健康なうちにできる準備をしておき、おひとりさまの老後を充実した時間にしてくださいね。