家系図を作って、ルーツ探しの旅へ。終活でも熱視線

終活
家系図を作って、ルーツ探しの旅へ。終活でも熱視線
自分のルーツが知りたい。そんな知的好奇心に動かされて、家系図を作る人が増えています。著名人の家族の歴史を探るNHKの番組「ファミリーヒストリー」や関連書籍も根強い人気です。家系図を手にお孫さんと旅に出るという人も。新たな終活の一環としても、家系図の注目度が上がっています。

家系図とは何?自分のルーツの探し方

家系図のあるお家はよほどの名家。実家やご自宅にあるという人の方が珍しいでしょう。家系図とはどのようなもので、欲しいときはどうすればいいか。予算もあわせてご紹介します。

家系図とは?

 家系図は、父母や祖父母、子孫、兄弟姉妹など、自分のルーツにつながる家族の名前を一覧表にしたものです。トーナメント表をさかさまにしたような図表が用いられ、先祖から子孫へと同じ苗字の一族がまとめて記されています。名前とともに、家紋や職業などが書かれている場合もあります。呼び方もさまざまで、系図や家系譜などとも呼ばれます。
平安時代の貴族や戦国大名など、古くからあるものは書状や巻物の形状で残されています。着物や甲冑と一緒に、歴史博物館やお城などで見られるでしょう。

家系図はどうやって手に入れるか

お殿様、お姫様ではないけれど、自分の家系図が欲しくなったらどうすればいいのでしょうか。

まず試せるのが、自力で作ってみることです。戸籍で、両親、祖父母をたどっていけば、ある程度は自分のルーツがわかり、家系図らしきものが作れます。ただし、古い戸籍は手書き、かつ、旧字体のため、読み解く技術を要します。家系図づくりにかける時間がたっぷりあって、戸籍を取得する労力を惜しまず、それを読み解く能力も身につけられれば、最も安いコストで自分の家系図が手に入ります。

時間も労力もかけられない人は、オーダーメイド(=業者に依頼する)が、いちばん簡単です。委任状とお金を用意するだけで、戸籍の取得から家系図への再現まで業者がすべて代行してくれます。

予算は、相場は、どのくらい?

家系図の金額は、調査する内容により千差万別です。
曾祖父母(おじいちゃん・おばあちゃんの父母)や、高祖父母(おじいちゃん・おばあちゃんの、さらに、おじいちゃん・おばあちゃん)くらいまでのシンプルなもので、数万円から十数万円かかります。
探偵に依頼して、遠い親戚や縁の薄かった親類を探してもらうような家系図ともなれば、100万円を超える場合もあります。あらかじめ調べたい内容、たどりたいご先祖様を決めて、予算の許す範囲で調査を試みるのがいいでしょう。

家系図づくりがわかる、セミナーを開催

家系図を作りたいときにどうすればいいのか、調べるだけでも大変です。そこで、家族葬のファミーユでは専門業者を招いた家系図セミナーを2020年2月に実施しました。企画理由や開催の模様をレポートします。

終活セミナーとして、家系図に注目した理由

2020年2月19日、都市型葬儀相談サロン『田町 葬儀スタンド』で「家系図をつくろう!~自分のルーツ探しの旅~」をテーマにしたセミナーを開催しました。
本セミナーを企画した金井英樹は、「ポジティブな終活、とりわけ新しい終活として、家系図をテーマに選びました」とその企画理由を話します。
「『田町葬儀スタンド』では万が一のお葬式のご相談・手配以外にも、日常でご心配される「終活」・「身じまい」などについて相談窓口となり、個別相談および無料セミナーを開催しております。
田町でのセミナーは今回で3回目です。これまで2回のテーマは相続の概要や対策といった身じまいに関する内容でしたので、今回はより前向きに終活に取り組めるような企画を立てました。家系図づくりはテレビ番組や雑誌などのメディアで話題でもあり、社会的な注目度の高さもあります。専門業者を交えて、家紋や名前の由来など家系図の面白さを読み解きながら、家系図づくりを楽しく学んでいただく内容になっています。50代以上の喪主世代はもちろん、働き盛りの20代~40代など幅広い世代の方々のご参考になれば嬉しいです」。

田町葬儀スタンドは、葬儀や終活の相談窓口です。このように、終活のお悩みを先取りしたようなセミナーを不定期で実施しています。

30代から60代までの男女が来場。新聞メディアも注目!

セミナー当日は、会社帰りのサラリーマンや女性会社員、近隣にお住まいの方などが訪れました。男女比は約3:2で、世代も30~60代までと、実にさまざま。受講者の中には、実際に昔の戸籍を持っていて家系図を作りたいという人も。「人生100年時代の歩き方」というシニア向けコラムをお持ちの「日刊ゲンダイ」編集部も取材に訪れ、「終活」や「家系図づくり」への関心の高さがうかがえました。
人生100年時代の歩き方|日刊ゲンダイDIGITAL
「日刊ゲンダイ」は、講談社グル―プの(株)日刊現代が発行する全国ナンバーワンの即売紙。人気コラム「人生100年時代の歩き方」では、コロナ対策などの健康情報や相続といった終活の関連情報が読めます。

セミナーだから伝えられたこと

約45分間の家系図セミナーは実用性に富んだものでした。メディアで話題の家系図作成代行サービス業者「家樹」の稲留栄城専務が講師となり、家系図の魅力や作る意味、活用法などの実例を交えて紹介。次の段落では、具体的な内容にふれていきます。
第1部「家系図の魅力」
家系図の魅力をひも解く材料として、「作る理由」のベスト3があげられました。
気になる順位は、……。

第1位 自分用
第2位 祖父母・両親へのプレゼント
第3位 家族の記念品


自分向けに作りたいという人が最も多く、続いてプレゼントや家族の記念日のモニュメントとして、というニーズが明らかになりました。子供の歴史学習用や、終活・相続準備という役割も大きくなっているそうです。
第2部「家系図の作り方」
続いて紹介されたのが、家系図づくりの3ステップ。手順は以下のとおりです。

1、戸籍調査
2、江戸時代の文献、お墓、郷土資料などの分析
3、平安鎌倉時代まで「氏」を基に調べる


なかなかに地道な手法です。特に、古い戸籍の読み方には大きな反響がありました。大字(だいじ)[※1]やくずし字[※2]といわれる難読文字がモニターに映し出されると、受講者も自然と渋い表情に。家系図づくりには、やりがいと難しさが同居しているようです。

※1 大字(だいじ)…改ざん防止のために使われている漢数字。旧字体もあるため、読むだけでも難しい。
※2 くずし字…ひらがなや漢字の点画(点や線)を省略した文字。百人一首の歌のデザインなどで見られる。
第3部「家系図を作る意味」
最後に示されたのが、家系図を作る本当の意味や価値についてです。
「家族や祖先のことを見直すきっかけになるとともに、自分の意識や行動の変化にもつながる」、と稲留専務。「生きている間にいかなきゃいけない場所がある。一度は見ておかなければならない景色がある」とも。家系図を作ってから先祖ゆかりの地を旅するツアーの提案もあり、ポジティブなイメージでセミナーは締めくくられました。

家系図づくりの面白さが伝わり、あたたかい空気に

家系図は作るだけではない。新たな生きる指針になることが示され、受講者の反応もより一層あたたかなものに。セミナー後にも、質問をするためにその場に留まる人が多く、真剣に家系図を作りたいという熱気につつまれました。

セミナー終了後、稲留専務に家系図づくりの現状を聞きました。
家系図制作の家樹、稲留専務
「毎月、家系図作成の依頼件数は増加しています。当社ではご依頼をいただいてから早いもので2~3ヶ月で完成品をお渡しできます。
今は本籍地と戸籍の住所が離れている人も多いですが、昔は戸籍のある場所に親族で住んでいました。家系図づくりのために集めた戸籍は、ルーツをめぐる旅のガイドとしても役立ちます。家系図を作った後も、自分だけの聖地めぐりを楽しんでいただきたいです」。

旅行業者との提携もスタートしているとのこと。今後も利用者はますます増えそうです。
家樹
家系図作成代行サービスの全国展開。家族葬のファミーユとも連携して家系図事業を拡大中。

家系図が終活に果たす役割は?

家系図を作ったからといって、これまでの人生がすっかり変わるということはありません。しかし、知られざるルーツや遠い祖先の出身地が、自分の考え方や周りの見え方を変えることもあります。個人的な歴史の旅は、わたしたちの人生をもっと色鮮やかにするかもしれません。