仏壇の飾り方の基本。宗派による違い、特別な日の装飾も

法事・法要
仏壇の飾り方の基本。宗派による違い、特別な日の装飾も
ご先祖様の位牌を置いて、毎日手を合わせる仏壇。基本的な仏具の飾り方がある一方で、宗派によって置くものや配置方法などが異なります。こちらの記事では、基本的な仏壇の飾り方とともに、宗派の特徴、特別な日のしつらえも紹介します。ぜひ日々の生活に取り入れてください。

仏壇を購入したらすること

簡単な仏壇の説明と、購入後に必要とされる供養の仕方を説明します。

仏壇とは何か

仏壇は、ご先祖様や亡くなった親族の位牌などを納める小さな箱です。家の中でご本尊を祀る小さなお寺とも言われます。「壇」には、祭りなどをおこなう場所、一段高い場所、仏像や供物を置く場所という意味があります。大切なものを置く仏壇には1段、2段と、高さの違う段があり、2~3段あることが多いです。

必要な仏具を揃える

仏壇には、自分の宗派の仏様である本尊(ほんぞん)を置き、位牌(いはい)を納めます。それ以外にもいくつか仏具を揃えます。

基本の仏具は、三具足(みつぐそく)と呼ばれる3アイテムで「花立(はなたて)・香炉(こうろ)・燭台(しょくだい)」です。その他の仏具としては、茶湯器(ちゃとうき)、仏飯器(ぶっぱんき)、仏器膳(ぶっきぜん)、高杯(たかつき)、線香差し、火消し、りん(りん台)などが挙げられます。

必要な仏具は、宗派や地域、仏壇の壇数によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

開眼供養をする

僧侶に読経してもらうことで、本尊や位牌に魂を入れる儀式のことを開眼供養(かいげんくよう)と呼びます。これは仏壇本体にではなく、本尊と位牌に対しておこなう儀式とされています。開眼供養をして初めて、位牌と本尊に仏様や祖先、あるいは故人の魂がうつります。

自分の信仰するお寺の、菩提寺(ぼだいじ)がある場合は、そのお寺の僧侶に供養をお願いするのが通例です。自宅に僧侶を招いて読経してもらいます。または、位牌と本尊をお寺に持ち込みます。

【基本】仏壇の飾り方

仏壇の飾り方は宗派によって異なります。まずは、基本の飾り方をおさえていきます。

1.本尊を中央に安置する

最初に、最上段の中央に本尊を安置してください。宗派の決まりで本尊が掛け軸の場合は、中央奥の壁にかけます。本尊の両脇には、その宗派の祖師や高僧などのフィギュアである「祖師像(そしぞう)」を祀ります

2.位牌を安置する

位牌は本尊を隠さないように配置します。本尊と同じ段にする場合は、本尊の右か左に位牌を安置します。一段下に置く場合は、正面から見たときに本尊が隠れないように注意してください。

3.仏飯器・茶湯器・仏器膳・高杯を安置する

位牌の1つ下の段には、仏飯器・茶湯器・仏器膳・高杯を置きます。

仏飯器は仏やご先祖様へ供えるご飯を入れる容器のことで、茶湯器は水やお茶を入れる湯呑を指します。仏飯器や茶湯器を載せる台を仏器膳と言います。また、高杯は、果物やお菓子などを載せるもので、小さいお皿でも代用できます。

これら4つを仏壇に安置する際は、まず中央に仏器膳を配置します。その上に仏飯器と茶湯器を載せ、左右に高杯を置いたら完了です。

4.三具足などを安置する

仏壇の1番下の段には、前述した三具足(=花立・香炉・燭台)を安置します。本尊に向かって左側に花立、真ん中に香炉、右側に燭台の順で並べてください。その他、お線香をあげる時に鳴らす「りん」や火消し、線香差しなども同じ段に置きます。

【宗派別】仏壇の飾り方

本尊は宗派によって異なります。したがって、仏壇の飾り方に特徴がでやすくなります。今回は、浄土宗・浄土真宗・真言宗における仏壇の飾り方を見ていきます。

真言宗

本尊は大日如来(だいにちにょらい)です。仏壇を飾る際は、まず上段中央に本尊を安置してください。右には弘法大師(こうぼうだいし)を、左には不動明王(ふどうみょうおう)を祀ります。他に信仰している仏がいる場合は、そちらでも大丈夫です。

真言宗はさまざまな宗派に分派しています。仏壇の飾り方が基本形とは異なる場合もあるので、心配な人は菩提寺に確認すると間違いありません。

浄土宗

本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)です。彫刻も仏画も、立像(=立っている姿)が基本で、背中にサーフボードのような華やかな装飾が施された「舟阿弥陀(ふなあみだ)如来」を飾ります。

飾り方は、まず阿弥陀如来を最上段の中央に安置します。そして、仏壇に向かって左に法然上人(ほうねんしょうにん)、右に善導大師(ぜんどうだいし)を祀ります。お供え物は、同じく左に果物を、右にお菓子を置くようにしてください。

浄土真宗

大きく分けて本願寺派と大谷派に分かれている、浄土真宗。それぞれ本尊は同じ阿弥陀如来ですが、飾り方には若干の違いがあります。

まず、本願寺派の本尊は仏像と掛け軸のどちらでも構いません。ただし、こちらから見て右に親鸞聖人(しんらんしょうにん)、左に蓮如聖人(れんにょしょうにん)の掛け軸を必ず祀ります。

一方の大谷派は、仏像ではなく仏画、もしくは掛け軸の本尊を祀るのが一般的です。そして向かって右に「十字名号(じゅうじみょうごう)」、左に「九字名号(くじみょうごう)」の掛け軸を祀る場合もあるようです。

本願寺派と大谷派の共通点は、立派に飾るための荘厳具(しょうごんぐ)である瓔珞(ようらく)と、照明用の仏具である菊輪灯(きくりんとう)を吊るすところです。また、水を入れてから樒(しきみ)の葉を差す華瓶(けびょう)も用意します。

仏壇の特別な飾り方

お盆や初盆(はつぼん)、命日といった特別な日は、仏壇の飾り方も変わります。お盆・初盆・命日の飾り方を紹介します。

お盆

お盆の時期は、この時期限定の棚を用意します。盆棚(ぼんだな)や精霊棚(しょうりょうだな)と呼びます。置く位置は仏壇の前方部です。

飾る際は、最初に“真菰(まこも)”という植物から成るゴザを盆棚に敷きます。位牌を仏壇から取り出し、中心になるように最上段の奥に安置します。位牌の前には小さなお膳の御霊具膳(おりょうぐぜん)を置き、精進料理(しょうじんりょうり)を供えてください。

お盆特有のお供えものとして“水の子”があります。これは、さいの目に切ったキュウリやナスを水が入った器、または蓮の葉の上に置いたものです。器の上には“百味五果(ひゃくみごか)”と呼ばれる夏が旬の果物や野菜、お菓子などを供えます。

精霊棚の手前には、ろうそく立てや香炉、りんを置きます。その他、あかりとして盆棚行灯(あんどん)または盆提灯を仏壇の両脇に置いてください。数は一対もしくは二対です。家族やご先祖様の霊は行灯のあかりを目印に帰ってくるとされています。

初盆(新盆)

家族が亡くなって四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆を初盆(はつぼん)、または新盆(にいぼん・しんぼん・あらぼん)と呼びます。初盆は故人が初めて里帰りをする大切な行事。そのため、通常のお盆とは過ごし方や仏壇の飾り方が若干異なります。

まず、初盆ならではの仏具には、故人をお迎えする白提灯があります。白木で作られた「白紋天(しろもんてん)」とも呼ばれるものが有名です。通常の盆提灯とは違って色絵は入っていませんが、白い模様が入っているものはあります。白提灯は1つだけ用意し、玄関や軒先、または仏壇の近くに吊るして飾ります。

また、初盆でも精霊棚を用意します。飾り方は通常のお盆と大きな差はありませんが、初盆は初めてのお盆ならではのお供え物が主に3つあります。

1つ目は精霊馬です。馬はご先祖様の乗り物で、こちらの世界に少しでも早く帰ってこられるよう準備します。

2つ目は、ご先祖様が帰るときに使う精霊牛です。お供え物を牛の背に載せ、こちらの世界をゆっくり楽しみながら帰ってもらいたい、という願いが込められています。精霊馬はキュウリ、精霊牛はナスを使って見立てます。

3つ目はそうめん。これは、麺をご先祖様が乗る精霊馬の手綱に見立てています。生麺のまま束で供える、茹でてから汁の中に入れて供えるなど、地域などによって違いがあります。

命日

お盆とは違い、命日の仏壇の飾り方はいつもの日と大きく変わりません。そのままでも構いませんが、命日だけは三具足を“五具足(ごぐそく)”にして少し豪華に飾ってみてはいかがでしょうか。五具足とは、花立と燭台を1つずつ増やし、それぞれを対にしたもの。つまり香炉は1つ、花立と燭台が2つで計5つです。

花立にはいつもより立派な花束を飾り、仏壇周りを華やかにするとご先祖様も喜ぶかもしれません。花屋に故人の好きだった花の種類や色を伝え、オリジナルの花束を作ってもらうのも良いですね。

また、命日には仏壇の掃除をするのがマナーとされています。日頃から掃除をしている場合でも、命日などの特別な日は特に念入りに普段は手が届かないような部分もきれいにしたいところです。

正しい飾り方をした仏壇の前で礼拝し、故人を偲ぶ

はじめて仏壇を購入したときには飾り方が分からなくても無理はありません。本記事で紹介した基本的な飾り方と宗派別の飾り方を参考に、仏具を正しく安置してください。開眼供養をした後は、仏壇の前で礼拝をして故人をゆっくり偲びましょう。