四十九日法要で使える挨拶例。簡潔に感謝を伝えるコツとは

法事・お墓
四十九日法要で使える挨拶例。簡潔に感謝を伝えるコツとは

この記事はこんな方にオススメです

先日葬儀を終えた方
49日法要で挨拶をしなければいけない遺族
四十九日法要では、参列してくれた人に感謝を伝えるために、挨拶をおこなうタイミングが事前に1回、当日に3~5回ほどあります。この記事では、四十九日法要を執りおこなう施主向けに、挨拶の基本や案内状の書き方、そして法要当日の挨拶例や法要後の会食での挨拶例を流れに沿って紹介します。円滑に法要を終えられるよう、ぜひチェックしてみてください。

四十九日法要の挨拶の基本とコツ

四十九日法要の挨拶は感謝を伝えるのが基本ですが、同時に次の予定の案内をする役割もあるのでタイミングも大事です。挨拶の基本とおこなうタイミング、簡潔に伝えるコツを紹介します。

四十九日の挨拶の基本

多くの仏教宗派では、故人の命日から49日目に極楽浄土に向かうとされています。その際に執りおこなう四十九日法要は、故人へ祈りを捧げるとともに、遺族の喪が明ける重要な法要です。法要での挨拶は、貴重な時間を割いて集まってくれた人に、感謝を伝えるためにおこなうのが基本です。


挨拶をするタイミング

四十九日法要で挨拶をする一般的なタイミングは以下の通りです。地域の風習などがある場合は、そちらに倣うようにしてください。
【法要事前(法要の1ヶ月前くらい)】
  • 参列してほしい人に、日程のお知らせを記載した案内状を送る
【法要当日】
  • 法要の始まりを告げる挨拶
  • 法要の締めと会食の案内(会食がない場合は締める)
  • 僧侶へのお礼の挨拶
【法要後の会食】
  • 食べ始める前の挨拶
  • 献杯の挨拶
  • 会食の締めの挨拶

挨拶で簡潔に感謝を伝えるコツ

挨拶は必要以上に長くならないよう、簡潔に伝えるのがポイントです。そのためには、参列者への謝意と、故人への敬意など伝えたい気持ちをすっきりまとめるのがコツ。すべて暗記する必要はなく、当日は挨拶の内容を紙に書いて、手元を見ながら話しても失礼には当たりません。

【事前の挨拶】四十九日法要の案内状の書き方・送り方

法要の日程が決まったら、参列者へは案内状を送付してお知らせします。四十九日法要の案内状の書き方と文例、送り方を紹介します。

四十九日の案内状の書き方と文例

文面は縦書きで句読点は付けず、文字サイズを揃えるのが基本です。文章の構成は以下を参考にしてください。
【基本の構成】
  1. 時候の挨拶(省略可)
  2. 法要のお知らせ
  3. 法要の日程
  4. 返信のお願い
基本の構成を元にした、実際の文例を紹介します。
【文例】
拝啓 □□の候 皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと拝察いたします
さてこの度 左記日程にて亡父□□(故人の名前)の四十九日忌の法要を営むことになりました
つきましてはご忙中誠に恐縮ではございますが ぜひともご臨席の程お願い申し上げます 謹白


日時 令和〇年〇月〇日(□曜日)午前〇時より
場所 □□寺 千葉県□□市◯丁目〇〇
電話 〇〇〇―〇〇〇―〇〇〇〇
なお法要後は粗宴を用意いたしております

施主の住所 氏名
※お手数ながら ○月○日までにご返信賜りたくお願い申し上げます
四十九日の案内状_返信イメージ
四十九日案内状_往信のイメージ

案内状の送り方

案内状は往復ハガキを使用するか、封筒に返信用ハガキを入れて送付します。会食を予定している場合は準備が必要なので、法要の2週間くらい前までに返信をお願いするとスムーズでしょう。返信用のハガキには、出席・欠席に◯を付けてもらうよう記載し、表面には施主の住所・氏名をあらかじめ記入しておきます。

【当日】四十九日法要での挨拶例

四十九日法要の当日は、法要の開始と終了のタイミングで挨拶があります。会食の席を用意している場合はその案内と、僧侶へのお礼も忘れないようにしてください。当日の挨拶例をパターン別に紹介します。

法要の始まり

法要の始まりは僧侶の声掛けではじまることが一般的です。ただし葬儀社に依頼している場合は担当者から開式の挨拶があります。

会食がある場合:中締めの挨拶

法要が終わったら、法要の締めの挨拶も施主が務めます。会食を予定している場合は、この後のスケジュールを一緒に伝えると、参列者を困らせません。
【例文】「おかげさまで、父の四十九日法要を無事に終えることができました。この後、心ばかりではございますが、別室にてお食事を用意しております。どうぞお時間の許す限り、ゆっくりおくつろぎください。」

会食がない場合:締めの挨拶

会食がない場合は、法要の終わりと参列者へのお礼を伝え締めます。
【例文】「皆様、本日はご多忙の中、亡き父の四十九日法要にお集まりいただきありがとうございます。おかげさまで滞りなく四十九日法要を終えることができました。父も皆様に会えて喜んでいると思います。皆様と共に粗宴を囲みたいところではございますが、遠方からお越しの方も多いため、これにてお開きとしたいと思います。本日は誠にありがとうございました。」

家族だけで法要をおこなった場合は、挨拶を省略したり簡素化したりする傾向があります。

僧侶への挨拶

法要を頼んだ僧侶へのお礼は、お布施を渡すタイミングで伝えると良いでしょう。事前にお寺に伺って渡す場合もありますが、最近では当日の法要前か後に渡すことが多いです。なお僧侶へ挨拶するときは、メモなどは見ずに手短に感謝だけ伝えるようにします。
【法要前の例文】「本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。この度の亡き父の四十九日法要、なにとぞよろしくお願いいたします。心ばかりのものですが、どうぞお納めください。」
【法要後の例文】「この度はお越しいただきましてありがとうございました。おかげさまで、父の四十九日法要を滞りなく終えることができました。父も喜んでいることと思います。心ばかりのものですが、どうぞお納めください。」

【精進落とし】四十九日法要後の会食時の挨拶例

法要後の会食では、開始と終了に加えて献杯時の挨拶も施主がする場合があります。それぞれの挨拶例を流れに沿って紹介します。

会食前の挨拶

食べ始める前に、参加のお礼と開始の合図、ゆっくり過ごしてほしい旨を伝えます。
【例文】「本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。おかげさまで父の四十九日法要を無事に終えることができました。心ばかりではございますが、父の思い出話をしながらお食事を召し上がっていただければと存じます。お時間の許す限り、おくつろぎください。」

献杯の挨拶

献杯の挨拶は、施主がする場合と、施主以外の親族などに頼む場合があるので、事前に打ち合わせや依頼が必要です。施主がする場合は、会食前の挨拶に引き続いておこないます。
【施主がする場合の例文】「それでは皆様お手元のグラスをお取りになってください。(みんながグラスを取るのを待つ)ご唱和をお願いいたします。父に献杯。」
献杯は故人を偲ぶために静かにおこなうもので、おめでたい席などでする「乾杯」とは異なります。乾杯と間違えて杯を高く持ち上げない、大きな音を出さないように注意が必要です。
また施主以外が挨拶する場合は、簡単な自己紹介や故人との思い出を簡潔に語り、献杯の音頭を取ります。詳しいマナーや挨拶例は下記の記事を参考にしてください。

会食の締めの挨拶

会食が終わったら、参加のお礼とお開きになる旨を伝えます。返礼品(香典返しの引き出物)の用意があるなら、その案内も加えます。
【例文】「本日はお忙しい中、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。なごり惜しくはありますが、そろそろ時間となりましたのでお開きとさせていただきます。これからも変わらぬご指導のほどよろしくお願いいたします。ささやかですが、お手元にお礼の品をご用意しました。お荷物になり恐縮ですが、よろしければお持ち帰りくださいませ。本日は誠にありがとうございました。」

四十九日の法要では、気持ちの伝わる挨拶を

大きな節目となる四十九日法要での挨拶は、参列者への感謝と故人への敬意を、要点を押さえて簡潔にまとめるのがコツです。故人との思い出などを盛り込むのも良いですが、あまり重たいムードにならないよう配慮が必要です。もし言葉に悩んだら、ぜひ今回の内容を参考にしてください。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーなどを担当。