四十九日法要の服装マナーの基本。メイク・髪型・アクセサリーも確認して

お葬式のマナー・基礎知識
四十九日法要の服装マナーの基本。メイク・髪型・アクセサリーも確認して

この記事はこんな方におすすめです

四十九日の服装マナーを知りたい人
四十九日のメイクや髪型・アクセサリーのマナーを知りたい人
故人が亡くなって四十九日目におこなう、四十九日法要。四十九日の期間に故人が極楽浄土に行けるか決まると考えられています。法事は遺族として、または参列者として、立場によっても参列の服装マナーは異なります。四十九日法要の服装マナーと、メイクや髪型・ネイルなどの身だしなみマナーを紹介します。

四十九日法要について

四十九日法要は亡くなって四十九日目の法要で、お寺やご自宅・斎場・ホテルなどでおこなわれるのが一般的です。

四十九日法要の概要

四十九日法要とは故人が亡くなって四十九日目の法要です。人は亡くなると七日ごとに裁きを受け、四十九日後に極楽浄土へ行けるかが決まると言われています。その最後の裁きとなる四十九日目に、盛大な法要により供養する行事です。

四十九日法要をおこなう場所

四十九日法要の場所に決まりはありませんが、代表的なのは以下の3つです。
<お寺>
お寺は設備や必要な道具がすべて揃っています。法要後に納骨するのであれば、移動の手間がなく親族や参列者の負担も少なく済みます。
<ご自宅>
ご自宅での場合は会場をおさえる必要がなく、施設料金もかかりません。ただし、準備や片付けを自分たちでする必要があり、やや負担が大きくなります。
<斎場やホテル>
参列者が多い場合は斎場やホテルを利用するのも、ひとつの方法です。人数や予算に応じてプランを選べ、準備や片付けは施設でするため負担が少なく済みます。

四十九日法要の服装

四十九日法要において、遺族は準喪服を着用するのが一般的。身内だけでおこなう場合も準喪服を着用するのが良いとされています。一般参列者は遺族より格式の高い喪服を着ることのないよう、略喪服が基本です。

最も格式が高い「正喪服」

喪服の中で最も格式が高いのが正喪服です。遺族は参列者よりも軽装にならないようにすべきですが、昨今では正喪服の着用は主流でなくなっています。
<正喪服>
和装 洋装
男性 黒の紋付羽織袴 ・黒のモーニングコート
・白のレギュラーカラーシャツ
・黒のベスト
・コールパンツ(グレーに黒のストライプが入ったものが一般的)
・黒のネクタイ
女性 染め抜き五つ紋が入った黒無地の着物 黒の長袖ワンピースまたはアンサンブル、スーツ
詳しく知りたい場合は下記を確認してみてください。

あらゆる弔事で着用できる「準喪服」

あらゆる弔事で着用できるのが準喪服です。準喪服は親族や参列者が着用するものですが、最近は喪主や遺族が着用することも増えています。
<準喪服>
男性 ・シングルまたはダブルの黒スーツ
・白のワイシャツ
・黒のネクタイ
女性 黒のワンピースやアンサンブル、パンツスーツ

参列者が着用する「略喪服」

喪服のなかで、最も格式が低いのが略喪服です。参列者は遺族や親族よりも格式の高い喪服を着ることはマナー違反にあたります。案内状に「平服でお越しください」などの記載がある場合は、略喪服で参列するのが基本です。
<略喪服>
男性 ・ダークスーツ(黒・紺・グレー)
・白シャツ
・ネクタイ(地味な色)
女性 ワンピースやアンサンブル、パンツスーツ
(黒・紺・グレーなど落ち着いた色)
女性の略喪服は、派手でなければ柄が入っていても問題ないとされています。平服については下記の記事を確認してみてください。

子どもは年齢に合った服装を

子どもの服装は格式を気にする必要はありません。年齢に合わせた服装で参列してください。
<乳幼児>
黒や紺など地味な色の服を着用します。靴下やタイツは黒か白。幼稚園の制服がある場合は制服で参列します。
<小学生〜高校生>
制服で参列するのがおすすめです。制服がない場合は黒や紺の制服のような服を着用します。男の子は黒・紺・グレーのブレザーとズボン、女の子はブレザーとスカート、またはワンピースなどがふさわしいでしょう。男女ともにブラウスやシャツは白または黒を選んでください。
<大学生>
大人と同じく正式な喪服を着用します。

身内だけの法要は場に合わせて

身内だけで四十九日法要をおこなう場合でも、準喪服が基本。親族が参列する場合やお坊さんを呼ぶ場合もあり、特別な行事であることから、常識的な服装を心がけてください。親族間で了解があれば、略喪服や私服での参列も容認されます。

【靴・かばん・アクセサリー】四十九日法要の服装

四十九日法要では、服だけではなく身につける靴やかばん・アクセサリーにもマナーがあります。非常識だと思われることのないよう、基本を知っておくことが大切です。

【靴】黒を選び飾り付きは避ける

靴は黒が基本で革製品でも問題ありません。しかし、黒であっても光沢が出るヘビ柄などのようなものは避けるのが無難です。
女性の場合、洋装では黒のパンプスを着用します。リボンやファーなどの飾り、ストーンやバックルといった光り物がついたパンプスは避けてください。かかとがないもの、つま先が尖っているものも良くないとされています。ヒールの高さに決まりはありませんが、ピンヒールやウェッジソールは避けるのが無難でしょう。
和装の場合は黒の草履を履きます。なお、妊娠中の人や足が不自由な人は、歩きやすい靴を選んでも失礼にはあたりません。
弔事で履くパンプスについて、下記の記事で詳しく紹介しています。

【かばん】黒・布製を選ぶ

かばんは黒のフォーマルバッグが基本。光沢がなく柄も入っていない、布製のものが良いとされます。ゴールドやシルバーなどチェーンがついたものは避け、取り外せるものなら取り外して持参してください。
革製品は避けた方が良いとされてきましたが、最近は光沢がないものであればマナー違反にはならない傾向です。

【アクセサリー】基本は結婚指輪のみ

アクセサリーは結婚指輪のみで、ほかは身につけないのがマナー。一連パールのネックレスは身につけても問題ありませんが、二連以上は「不幸が重なる」という意味に捉えられるため避けた方が安心です。一粒真珠のピアスやイヤリングは「涙」を表すとされ、身につけて問題ありません。
そのほか、ジェットやオニキスなど黒い宝石も許容されています。時計については、ベルトに光沢があるものや金具がついたものはつけないのが無難です。

服装以外にも気を付けたい身だしなみマナー

服装や靴・かばんなどのほかにも、メイクやヘア・ネイルなど、知っておきたい身だしなみマナーがあります。特に参列者の場合は、遺族に失礼のないようにすることが大切です。

【メイク】薄いメイクを心がける

メイクは薄めを意識します。ノーメイクは失礼にあたるため、あくまでもナチュラルメイクを心がけてください。
ファンデーションを薄く塗り、眉毛を整え、アイメイクやリップはナチュラルなカラーを選びます。派手な濃いメイクは避けるのがマナーです。

【髪型】長い髪はまとめる・色は黒が基本

髪が顔にかかる場合は、焼香時に邪魔にならないよう黒のゴムやヘアピンでまとめます。長い髪の毛は耳より下の位置でうしろにまとめてください。ショートやボブヘアの場合はそのまま下ろしていて問題ありません。
ワックスやヘアスプレーなどの整髪料を使う場合は、場に合った無香タイプを選びます。ヘアカラーは明るすぎない茶色であれば問題ありませんが、時間があるなら黒く染め直す、時間がなければヘアマニキュアなどで一時的に色をおさえた方が良いでしょう。

【ネイル】肌になじむ色なら問題ないが落とすのが無難

普段ネイルをしている場合は、可能な限り落として参列するのがマナー。クリアや肌になじむ色ならそのままでも容認される可能性もありますが、できれば落としてください。
簡単に落とせない場合は、上からベージュ系のネイルカラーを重ねて目立ちにくくするか、黒の手袋を着用して隠す方法があります。

【香水】強い香りは避ける

強い香りの香水は葬儀の場面には相応しくなく、遺族や参列者が弔いの場に集中できる様に配慮する必要があります。

四十九日法要の香典

最後に四十九日法要に参列する際の香典について紹介します。四十九日法要にも香典を持参するのが一般的です。

四十九日法要に香典は必要

基本的には、四十九日法要でも香典やお供え物が必要です。香典は法要にかかる費用を減らし、故人を供養するために使われます。喪主から「香典はいらない」と事前に連絡があった場合は、持参しなくても構いません。

四十九日法要の香典の相場

四十九日法要の香典の相場は故人との関係性や会食の有無によって異なります。明確な相場を表すのは困難ですが、一般的には1〜5万円程度です。死や苦を連想させる4,9の金額は避けてください。
詳しい相場や香典のマナーは下記の記事で紹介しています。

基本マナーをおさえた服装で四十九日法要に参列しよう

四十九日法要では、遺族は準喪服を、参列者は略喪服を着用するのが基本。また、服だけではなく、靴やかばん、アクセサリーにも気を配る必要があります。メイクやヘア、ネイルも派手さをおさえ、遺族に失礼のないようにすることが大切です。四十九日法要へ参列する際は服装マナーをしっかり確認し、香典を持参することも忘れないようにしてくださいね。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了