三回忌法要とは?お布施の相場と準備の手順

法事・お墓
三回忌法要とは?お布施の相場と準備の手順
三回忌法要は、故人の冥福を祈り、その霊を慰めるためにおこなう年忌法要(ねんきほうよう)のひとつです。この記事では、三回忌法要はいつどのようなことをするか、お布施の相場、御前料、お車代などの費用、当日までの準備を紹介します。家族のみでおこなう場合についての注意点も紹介します。

三回忌とは?

まずは三回忌の意味すること、いつやるのか、法要には誰を呼ぶかをお話しします。

三回忌とは、年忌法要のひとつ

三回忌は、故人が亡くなって満2年目の命日におこなう年忌法要(ねんきほうよう)です。一周忌の翌年におこないます。

年忌法要とは故人のあの世での幸せを祈る儀式のことを言い、三回忌でも他の法事と同じく、僧侶の読経、参列者の焼香、お墓参り、会食などをします。

今年、三回忌を予定しているならば、その方が亡くなったのはちょうど2年前ということになります。“3回忌”とするのは諸説ありますが、亡くなった日が1回目の忌日、丸1年目が2回目の忌日、丸2年目が3回目の忌日であると言われているためです。

故人が亡くなってからおこなわれる主な法要のスケジュールは下表の通りです。三回忌は3年後と勘違いしていると、案外早く来るように感じられます。
ちなみに、故人が亡くなってから1年以内の定められた日におこなうのが忌日法要、1年経過してから1年から数年おきに営むのが年忌法要です。

三回忌はいつおこなうべき?

三回忌は基本、故人の命日におこないます。ただし、参列者にとって平日では都合がつかず集まりにくいため、休日を選ぶことが多いようです。その場合、法要の日時は命日より前に設定します。

三回忌の会場

三回忌法要の会場は菩提寺、自宅、葬祭ホールなどが中心ですが、昨今では霊園に併設されている法要室を利用する人も増えています。

三回忌に親戚は呼ぶ?

多くの場合、三回忌の法要までは親戚・親族や故人と親しかった人を招きます。年忌法要の際、何回忌まで親戚を呼ぶか悩む人も多いでしょうが、七回忌以降は家族と近い親族だけなど、招く人を絞る場合が多いようです。

なお、招待された時の香典の相場やお供え物については、三回忌の参列マナーの記事でご確認ください。

三回忌のお布施と他の費用

三回忌の法事には、僧侶へのお布施、会場費用、会食費、香典やお供え物へのお返しといった費用がかかります。法事の参加人数によって、金額は変動します。

お布施の相場

三回忌のお布施の一般的な相場は、30,000円~50,000円程です。寺院によっては「お気持ちで」と言われることもあります。表書きは「御布施」とし、不祝儀袋ではなく白い封筒や奉書紙に包みます。

三回忌に関わらず僧侶にお布施として包む金額は、特に決まっているものではありません。法要の規模や寺院によって異なるため、まずは寺院に問い合わせてみるとよいでしょう。

また、寺院以外の場所に僧侶を招く場合は、送迎のあるなしに関わらず「お車代」を渡すのが一般的です。僧侶が会食を辞退したときには「御膳料」も包みます。お車代は5,000円~10,000円程、御膳料は5,000円~20,000円程が相場です。

僧侶への渡し方やタイミングは、下記の記事で確認ください。
家族の葬儀や、故人を偲ぶ法要で僧侶に渡すお布施。金額が明示されていないため、いくら渡せばよいのか悩むのではないでしょうか。また、葬儀や法要はなにかと慌ただしいので、渡すタイミングに迷うこともありますよね。この記事では、お布施の意味、相場、渡すタイミングなどを詳しく解説します。

香典へのお返しの相場

法要に参列された方からいただいた香典(ご供物料)の返礼品の準備も必要となります。半返しが妥当と考えられていますが、会食費を含めて半返しである場合もそうでない場合もあります。高額な御供物料に対しては半返しせず、1/3~1/4程度におさめても問題ありません。

具体的には、3,000円から5,000円ほどのお菓子や海苔、石鹸、タオルが選ばれています。

家族だけで三回忌をするときの注意点

三回忌は家族だけでもよい?

これまで三回忌までは家族に加えて、親族や故人と親しかった人を招くことが多くありましたが、最近では家族だけで三回忌をすることも増えてきました。

もし三回忌をごく内輪だけでおこなうならば、前もって親族へ丁寧に話をし、理解してもらうことが大切です。また、七回忌以降は招く人を絞る場合が多いようです。

法事の服装

親類縁者を呼ぶときも家族だけの法事でも、三回忌以降の服装は平服(略喪服)が基本となります。正式には準喪服を着るとよく言われますが、実際には略喪服であることが多いです。

女性は、黒、紺、グレーのワンピースやセットアップスーツ、アンサンブルなどを選び、一連のパールのネックレスといったシンプルなアクセサリーを身に着けます。男性は紺やグレーのダークスーツ、子どもは制服があれば制服を、ない場合はシャツに黒や紺のパンツやスカートを合わせます。

何からすべき?三回忌の準備

三回忌の法要は招待客が多くなることから、準備も早めに取りかかりたいものです。では、準備はいつ何をすればよいのか、手順を確認しておきましょう。

日時を決める

まずは法要の日時を決めます。僧侶の都合もあるため、まずは候補日をいくつか挙げて、菩提寺に相談します。2ヶ月前までを目処として早めに連絡しましょう。

案内状を送り出欠を取る

案内状は、招かれた側が日程調整できるように余裕を持って手配します。1ヶ月前までを目安に発送するとよいでしょう。

案内状には「誰の三回忌か」「日時と場所」を明記し、会食があるかどうかも記載しておくと丁寧です。出欠を取るには返信用はがきを同封するか、往復はがきの返信欄を使います。近親者には電話連絡でもよいでしょう。

会食の手配をする

法要に集まってくれた人へのお礼として、食事(お斎)の手配をします。
食事の内容に特に決まりはなく、予算や人数に合わせて会場を選びます。法要の会食には鯛や伊勢エビなど慶事の食材を避けるため、あらかじめお店に「三回忌法要で利用する」ことを伝えておくと安心です。自宅で会食をする場合は、仕出し弁当や寿司などが便利です。

返礼品の手配をする

三回忌に招かれた人は、香典(御供物料)、もしくはお供え物を持参するのが一般的です。そのお礼として、返礼品を手配しておきます。

返礼品には「不祝儀が残らないように」という意味合いで、食品や消耗品などの「消え物」がよいとされます。持ち帰る際に重くないお茶や海苔、菓子類などが主流です。避けた方がよいものとしては、お祝いに贈られるお酒や、殺生を連想させる肉・魚などがあります。

三回忌は事前の準備をしっかりと

一周忌と並ぶ大切な年忌法要とされる三回忌。規模が大きくなることも多いので、準備は余裕を持って計画的に進めたいものです。宗派や地域によってルールやマナーが異なる場合もあるため、事前によく調べてしっかりと準備しましょう。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーなどを担当。