亡くなる前の予兆・前兆とは?そのとき家族にできること

お葬式のマナー・基礎知識
亡くなる前の予兆・前兆とは?そのとき家族にできること
人が亡くなる前には、予兆・前兆が見られると言われています。大切な人との別れを感じるのは辛いものですが、残される家族は心の準備が必要です。この記事では人が亡くなる前に起きる予兆・前兆とともに、残された時間で家族ができること、亡くなったときに備えて準備しておくことを解説します。

人が亡くなる前に体と心に起きる予兆・前兆

人が息を引き取る前には、体や心にさまざまな変化が起きます。どんなものがあるか把握しておくことで、近くで見守るときに落ち着いて対応でき、少しは心の準備ができるかもしれません。亡くなる前に心と体に起きる予兆・前兆を解説します。

食事をすることが難しくなる

亡くなる前になると、噛む力や飲み込む力が衰えるため、食事がしにくくなり、水分もとれなくなります。そのため、体重も減少していきます。無理矢理食事をさせるのは本人にとっても辛いこと。食事をするのが–難しそうだと感じたときは、医師に相談することをおすすめします。

呼吸・心拍数・血圧が不安定になる

呼吸や心拍数、血圧が不安定になるのも人が亡くなる前の予兆・前兆の1つです。死の直前には、呼吸をすると痰が絡んだようなコロコロと音が鳴る「死前喘鳴(しぜんぜんめい)」が起きる人もいます。
辛そうに見えるかもしれませんが、本人は苦痛を感じていない場合が多いとされています。このとき、体の末端から血の気が引いて冷たくなるため、布団などで温めてあげてください。家族は見守るのが辛く感じる場面ですが、自然なことと理解しておくことも大切です。

排泄の調節が困難になる

身体機能の衰えとともに、自力で排泄の調節をするのが困難になってきます。やがて臓器の働きが悪化したり、尿管が詰まったりして排泄が止まってしまう場合もあるため、注意しなければいけません。症状に気づいたら放置せずに、医師を呼び必要な処置をしてもらいます。

長時間眠る

以前と比べて睡眠時間が長くなっている場合は、最期のときが近づいている可能性があります。お見舞いに行っても、起きていることが少なくなっているかもしれませんが、無理矢理起こさないようにしてください。

せん妄を引き起こす

亡くなる前になると、脳の働きも低下します。それが原因で、幻覚や幻聴の症状があるせん妄を引き起こす場合があります。そのほか、急に大声を出したり、手や足をバタバタさせたりなどの症状があらわれる人も。
せん妄は薬の副作用でも引き起こす場合があるため、原因が特定できれば症状を和らげることが可能です。
ただしこれらの症状が出ても回復することはあります。

まれにあると言われる亡くなる前の不思議な予兆・前兆

亡くなる前になるとまれに、「お迎え現象」と「中治り現象」という不思議な予兆・前兆が起きると言われています。これらが起こる原因ははっきり解明されていません。どんな現象なのかそれぞれ解説します。

あの世にいる人が現れる「お迎え現象」

既に亡くなっている人が自分を迎えにきたと錯覚することを、「お迎え現象」と言います。人だけではなく、亡きペット、失われた故郷の風景などに誘われる人もいます。

これは、死期が近づくと呼吸が乱れやすくなり、脳に酸素が行き渡りにくくなるために見る幻覚と考えられています。本人には見えているため、家族は否定せずに受け入れることが大切です。

一時的に身体機能が回復する「中治り(なかなおり)現象」

意識がなくなりかけてくる、食べ物が飲み込めないなど、死が迫っているように見えていた人の症状が一時的に回復することを「中治り現象」と言います。その原因は、脳が長く生きようとして、幸福感を生み出すホルモンが分泌されるためと考えられています。「中治り現象」が起きれば、もう一度話せる可能性があるため、家族にとっては嬉しい現象ですね。

亡くなる前の予兆・前兆があらわれた人に家族ができること

大切な人が危篤状態となった場合、亡くなる前に何かしてあげられることがないか考える人もいるはずです。こちらでは亡くなる前の予兆・前兆があらわれた人に家族ができることを紹介します。

できる限りたくさん語りかけて感謝を伝える

睡眠中でも周囲の音が聞こえている場合があります。そのため一緒に過ごせる時間は、できる限りたくさん話しかけるのが良いと言えます。思い出話やこれまでの感謝の気持ちなどを話すと、きっと伝わるはずです。声で誰かが近くにいると感じ、孤独感や死への不安を和らげる効果もあるとされています。手を握りながら話しかけてあげると、より伝わりやすくなることでしょう。

ただし、心地よさそうに眠っているときは起こさないようにしたいです。
また意識がなくなった後も、比較的聴力は残っていると言われています。大切な人の意識がなくなっていくのを見るのは辛いですが、家族の声を聞くと安心できるはずです。もっと感謝の気持ちを伝えたかった……と亡くなった後で悔やまないように最期まで声をかけて、きちんとお別れすることが大切です。
注意点として、睡眠中や意識がなくなった後に、本人の近くでほかの家族と亡くなった後のことなど、ネガティブな会話をしないように気を付けてください。

気持ち良く過ごせるようにする

最期のひとときを気持ち良く過ごせるようにしてあげることも、家族ができることの1つです。タオルで汗を拭いて清潔にする、水で濡らした綿棒で渇いた口を湿らせる、ベッド周りを整えるなど、気が付いたことをしてあげてください。語りかけながら手足をマッサージしてあげるのもおすすめです。可能な場合は、本人が好きな音楽をかけてあげるのも良いかもしれません。

今後について医師や家族と話し合いをしておく

今後の治療について、家族が判断しなければいけない場合もあります。医師から危篤状態と告げられた場合、数十分から数日後に亡くなることが大半です。なかには回復するケースもありますが、いつ亡くなってもおかしくない状態と言えます。特に「もしものとき、延命治療はしないでほしい」などの本人の意向があれば、ほかの家族と確認し、医師に相談しておくことが大切です。

ひとりで無理をしない

家族の最期が迫っていると考えると、緊張状態が続きます。心身ともに疲れてしまうため、無理しすぎてはいけません。危篤状態が長引き、疲れが出た場合は休むように心がけてください。不安で眠れない場合は、横になるだけでも体が休まります。可能であれば付き添いは複数人で交代しておこない、ひとりで看病をしている時でも無理をしないことが大切です。

亡くなったときに慌てないための備え

身近な人が亡くなった後は、すぐに葬儀の準備などをしなければいけません。しかし、悲しみの中で冷静な判断ができないことが考えられるため、事前準備をしておくと安心です。亡くなったときに慌てないよう、早めにおこなっておきたい備えについて解説します。

連絡する人のリストを作成する

危篤や訃報の連絡は、すぐにおこなう必要があります。そのときになって誰に連絡するか悩んで時間がかかったり、連絡すべき人をもらしてしまったりしないように、連絡する人のリストを事前に作成しておくと安心です。
リストには名前と連絡先のほか、連絡する順番も記入しておきます。またリストを作成すると同時に、携帯電話にも連絡先を登録しておくのがおすすめです。

もしものときのお金を準備する

人が亡くなった後は、さまざまなお金がかかります。口座名義人の死亡確認がおこなわれると、金融機関の口座が凍結されます。亡くなった人の口座から現金を引き出したいなら、事前準備が必要です。もしものときにかかる主な費用は以下のとおりです。
  • 病院に入院していた場合は医療費の清算
  • 葬儀、火葬などの費用(事前相談で見積もりをとっておくと良い)
  • お布施
  • 家から病院までの交通費
  • 遠方からの参列者の交通費
保険に加入している場合は保険会社に連絡し契約内容を確認しておくと、もしものときスムーズです。
お葬式の費用については、以下の記事で詳しく解説しているので確認してみてください。

亡くなった後にやることを確認する

身近な人が亡くなってすぐは、葬儀の準備や死後の手続きなどで慌ただしくなります。そのため、亡くなる前の予兆・前兆があらわれたと感じたら、早めにやることを意識・リスト化することが重要です。参考までに、葬儀だけでどれほどの負担があるか、「やることリスト」の記事もご覧になってください。

亡くなる前の予兆・前兆を知り、できることをして感謝を伝えよう

誰もが大切な人との別れは辛いものですが、後悔がないようにできることをして感謝を伝えることが大切です。また、亡くなる前の予兆・前兆を知っておけば、万が一のときの準備も事前に始められます。心の準備をしながらも、少しでも長く一緒に幸せな時間が過ごせると良いですね。

この記事の監修者

瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。