初盆に香典は必要?金額相場や香典袋に関するマナー、ふさわしいお供え物を紹介

お葬式のマナー・基礎知識
初盆に香典は必要?金額相場や香典袋に関するマナー、ふさわしいお供え物を紹介

この記事はこんな方におすすめです

初盆に香典は必要か知りたい
金額の相場や香典袋のマナーを知りたい
故人が亡くなって初めて迎える初盆には、手厚い供養がおこなわれます。法要に参加する際には、香典やお供え物を持参するのがマナーです。この記事では初盆の意味や香典の金額相場、香典袋に関するマナーを解説します。香典を包まない場合のふさわしいお供え物も紹介するので、参考にしてみてください。

そもそも初盆(新盆)とは?

初盆とは、故人が亡くなって四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆のこと。地域によっては、新盆(にいぼん・しんぼん)と呼ばれることもあります。お盆には亡くなった人の霊が家族のもとに戻ってくるといわれ、初めて迎える初盆は、特に手厚く供養します。
初盆には、遺族や親族、故人が生前に親しかった友人などを招き、お寺や自宅などで法要をおこなうのが一般的です。しかし近年では、家族だけで済ませるケースも増えてきています。
初盆(新盆)で何をするのかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

初盆に香典は必要?

初盆は2回目以降のお盆よりも、念入りに供養がおこなわれるため、初盆の法要に招かれた際には香典を持参するのがマナーです。昔から初盆には近親者が提灯をお供えする風習がありますが、現在では提灯を飾るスペースを確保するのが難しいという事情から、現金を包むケースが増えています。現金を包む場合は「御提灯代」や香典を持参して法要に参列します。

初盆の香典の相場

初盆の際に包む香典の金額は、故人との血縁関係や年齢、親交の深さによって変わります。初盆の香典の相場を紹介します。

故人が親・兄弟の場合

故人が親・兄弟である場合の初盆の香典は、10,000円~30,000円が相場です。贈る側の年齢が高いと金額も高くなる傾向があります。故人が親の場合は、香典とは別に兄弟で「白提灯代」を包むことも。「白提灯代」の相場は、5,000円〜20,000円程度です。

故人が祖父母・叔父・叔母の場合

故人が祖父母や叔父・叔母などの親族であれば、5,000円~10,000円を包むのが一般的です。親・兄弟よりも血縁関係が遠くなるため、香典の金額も少なくなりますが、生前の親交の深さによって包む金額を決めると良いでしょう。

故人が友人・知人の場合

故人が友人や近所の人、職場関係の人などの知人である場合、5,000円~10,000円が相場です。故人との生前の付き合いの深さや関係性によっては金額が変わります。
なお、会食に参加する場合は、親族・友人・知人といった関係性を問わず、上に紹介した金額に一人5,000円~10,000円プラスするのが無難です。地域によっても相場が違うので、周囲の人に確認をしてみましょう。
法要別・年齢・関係性別の香典の相場は、こちらの記事で詳しく解説しています。

初盆の香典袋に関するマナー

初盆の香典袋の表書きは、通夜や葬儀の場合と異なる点もあるため、香典袋を選ぶときや表書きを記入するときには気を付けましょう。ここでは、初盆の香典袋に関するマナーを紹介します。

香典袋は不祝儀袋を使う

香典袋は水引が「結び切り」または「あわび結び(あわじ結び)」になっている不祝儀袋を使います。これらの結び方は、一度結んだらほどくのが難しいため、不幸を繰り返さないという意味で不祝儀袋に使われています。
黒白の水引の香典袋を使うのが一般的です。包む金額が50,000円以上と大きい場合は、双銀の水引が付いた香典袋、5,000円以下の場合は水引が印刷された中袋のない封筒がふさわしいでしょう。
ただし、関西では四十九日以降は黄白の水引の香典袋を使うところもあるので、親戚などに地域とその家の慣習を確認しておくと安心です。

初盆の表書きは「御仏前」または「御佛前」

通夜・葬儀の際の香典には、仏教の多くの宗派で「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」または「御佛前」と書きます。故人の霊は四十九日を過ぎると仏になると考えられているためです。しかし、浄土真宗などの宗派では、通夜・葬儀の際にも「御仏前」「御佛前」と書くので注意が必要です。

宗派がわからない場合には宗旨宗派を問わない「御供物料」とすると良いでしょう。
また、初盆の場合に使うペンは黒墨を用います。ただしボールペンやサインペンではなく、毛筆や筆ペンを使うのが望ましいです。お返しを辞退する場合は、不祝儀袋の裏面に辞退する旨を書きましょう。

新札は避け向きをそろえて入れる

お札は新札を避け、向きをそろえて入れるのがマナーです。弔事では、お札の肖像画を裏面にし、また、下向きに入れて、顔が見えないようにして入れることでお悔やみの気持ちを伝えるという考え方があります。ただし、ご葬儀から時間が経過している法事では数えやすいように表向きにするという考えもあります。お札の入れ方は時期や、相手の捉え方によっても変わるため、向きをそろえておけば表書きほど気にする必要はありません。

初盆にふさわしいお供え物

初盆では、仏壇のお供え物として基本の五供(ごくう・ごく)や故人が好きだったものの中から選ぶのがおすすめです。五供とは香・灯燭・花・浄水・飮食の5つを指します。初盆にふさわしいお供え物を紹介します。

お線香

お線香は法要にかかわらず、日々の供養に使われるため、数が多くても困りません。お線香には大きく分けると二種類あります。「杉線香」は煙の量が多く、お墓参りなど外での使用に向いています。
もうひとつは「匂い線香」で、伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)などの香木から作られたものや、桜・ラベンダーなど花の香りがするものなど種類もさまざま。マンションなどでも使いやすい煙や香りの少ない微煙香(びえんこう)もあります。
お線香の種類については、こちらの記事を参考にしてください。

ロウソク

ロウソクもお線香と同じように、法要や日々の供養に使われるので喜ばれます。線香と蝋燭をセットで贈るのもおすすめです。蜜蝋を使ったものや花の絵柄が入ったものは、お盆のお供え物としてよく選ばれています。

提灯

初盆では昔から、故人の家族は白提灯を用意し、親戚や故人と親交が深かった人などは絵柄の入った盆提灯を贈る風習があります。現在は盆提灯を飾るスペースを考えて「御提灯料」としてお金を包むケースも増えているようです。
初盆の提灯については、こちらの記事で解説しています。

お菓子

お菓子の詰め合わせも、初盆の法要での参列者や親族へ配れるため好まれるお供え物です。常温保存が可能で、日持ちするものを選びましょう。和菓子や焼き菓子を個別に包装したものや、ゼリー・羊羹などの水菓子がおすすめです。

果物

果物も初盆にふさわしいお供え物です。故人や遺族が好きなもので、常温保存できて日持ちがしやすいものを選ぶことが大切。円=縁という意味を表す丸い果物、例えば、りんごやぶどう、みかんなどがよく選ばれています。

お花

お花は白を基調にした優しい色合いのものを選ぶのが一般的。菊の他にキキョウ、ヤマユリなどお盆の時期に咲く花がよく供えられます。トゲのあるものや日持ちがしないもの、香りが強いものは避けましょう。
仏壇のお供え物としてふさわしいものは、こちらの記事でも紹介しています。

初盆のお供え物を贈る際のマナー

初盆を品物で贈る場合にも、押さえておきたいマナーがあります。かけ紙とお盆の時期についてのマナーを確認しておきましょう。

かけ紙を付けて贈る

初盆のお供え物には、かけ紙を付けるのがマナーです。一般的には黒白の「結び切り」または「あわび結び(あわじ結び)」のかけ紙が使われますが、関西などでは黄白が使われることもあるため確認しておきましょう。
表書きの言葉は、「御仏前」「御供物」「御供」「初盆(新盆)御見舞」などが使われます。香典と同じように、表書きの下に黒墨の毛筆または筆ペンでフルネームを書きます。
かけ紙のマナーについては、こちらの記事も参考にしてください。

地域のお盆の時期を確認して贈る

初盆のお供え物を贈る場合は、地域のお盆の時期を確認してから贈ることが大切です。全国的には8月13日~16日をお盆の時期とする地域が多いですが、関東や北海道、沖縄などでは旧暦の7月13日~16日にお盆の行事をおこなう地域もあります。お供え物を持参したり、宅配便などで送ったりする場合は、お盆の時期を確認し法要がおこなわれる前に届けましょう。

初盆の合同供養祭

初盆で故人を供養したいと思っても、遠方に住みお墓参りが難しい、または初盆の迎え方がわからないといったこともあるでしょう。そういう場合は、お盆の時期におこなわれる合同供養祭に参加するのもひとつの方法です。ファミーユでは今年も8月初旬に札幌市内の家族葬ホールホールで合同供養祭を予定しています。故人やご先祖様をお盆に供養したい方は、地域の合同供養祭に参加してはいかがでしょうか。

初盆の香典やお供えものはマナーを確認して用意しよう

初盆は故人が亡くなってから初めて迎えるお盆であるため、念入りに供養がおこなわれます。初盆の香典は紹介した金額を目安に、故人との血縁関係や親交の深さによって決めると良いでしょう。お供え物を贈る場合は、故人が好きだったものや五供から選ぶのが望ましいです。香典袋の書き方やお供え物の贈り方のマナーを押さえつつ、故人を偲ぶ初盆を迎えましょう。

監修:1級葬祭ディレクター 安藤徹舟(あんどう てっしゅう)

接客から管理職まで葬儀社歴25年。「家族葬」の黎明期からお葬式の変遷を見てきた経験を活かし、新しい葬送サービスの開発を担当している。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)