日本人の99%がなる、火葬とは?詳しい内容や流れを解説

お葬式のマナー・基礎知識
日本人の99%がなる、火葬とは?詳しい内容や流れを解説
葬儀・出棺の後は、故人と最後のお別れとなる火葬です。日本では遺体を火葬場で焼くのが一般的ですが、その手続きや手順についてご存知でしょうか。その時になれば葬儀社がいろいろと手配をしてくれますが、やはり自分でもその流れを知っておきたいもの。本記事では火葬に関する知識や押さえておきたい流れについて紹介します。

火葬に必要な手続きや費用は?

遺体を火葬するには、定められたルールがあります。また、手続きも必須です。火葬について詳しくみていきましょう。

すぐに火葬はできるのか?

火葬はすぐにはできません。死亡が確認されてから24時間以内の火葬は法律で禁じられています。

また、火葬をするには、死亡届を提出し、火葬許可証を取得する必要があります。他にも、火葬場の予約や遺体の運搬の手配、24時間遺体を安置する場所も用意しなくてはなりません。

葬儀をせずに火葬をする「直葬」でも、24時間のご安置と火葬をおこなうための手続きは必要です。

火葬には「火葬許可証」が必要

火葬するには、「火葬証明書」を取得して、火葬場に持参する必要があります。証明書がなければ火葬を受け付けてもらえないので、葬儀前の手続きが不可欠です。

火葬後には、証印や日時を記入した火葬証明書が返却されます。これが、お墓にお骨を納めるときに提出する「埋葬許可証」にもなります。紛失しないように持っておきましょう。

火葬許可証の取得方法

火葬許可証は、故人の本籍地又は居住地の市町村役場へ死亡届を出すときに併せて申請するのが基本です。死亡届のように期限はありませんが、葬儀をした後にそのまま火葬することが一般的なので、一度に済ませることがほとんどです。

火葬許可申請書には、故人の氏名や本籍地・住所、生年月日などの基本情報と、死亡した日時や場所、死因などを記入します。書類に不備がなければ申請した窓口で証明書が即日発行されます。

費用は自治体によって異なります。紛失や汚損による再発行は有料になるので、受け取り後は大切に保管します。

火葬許可証の取得は、死亡届の提出とともに、葬儀社に代行してもらうことも可能です。

火葬に必要な費用は?

火葬をするには、遺体を焼却する火葬料の他に、遺族や参列者が待機するための待合室の賃料、骨壺代が必要です。

火葬料は遺体の年齢や、火葬場が市営か公営かによっても異なります。私営の方が高めですが、利用料金は一律で、葬儀社によって金額に差があるということはありません。また、市町村が運営している公営は、住民以外の利用は割高に設定していることもあります。

火葬が終わるまでには約40分から2時間ほどかかります。自宅や葬儀場から離れている場合や、故人を偲びながら待機していたいという場合は、火葬場の待合室が利用できます。費用は火葬場によって異なります。

骨壷については、火葬料に含まれていたり、持ち込みができたりとさまざまなケースがあります。

どのような場合でもひとりで悩まずに、葬儀社に確認しておくと安心です。

火葬するときに知っておきたいこと

火葬場に行くことはもちろん、遺体を伴って火葬に臨む経験は、通常それほど多くありません。そのため、火葬に立ち会うことになったら、気が動転して慌ててしまいそうだと心配な人もいるのではないでしょうか。ここではいざというときのために、知っておきたいことを解説します。

棺に入れていいもの・いけないもの

棺には故人の好きだったものや愛用していたもの、遺族や友人からの心尽くしの品物を入れます。燃えるものならば、何を入れても大丈夫と思われるかもしれませんが、実は入れてはいけないものもあります。後から取り出すように言われたりすると大変なので、入れていいものといけないものを確認しておきましょう。

<入れていいもの>
・普段からよく着ていた服や大事にしていた着物、気に入っていたスーツなどの衣服
・ぬいぐるみやマスコット類
・花束(茎の太いものは十分燃えないことがあるので、花の部分だけを摘み取って入れる)
・故人に宛てた手紙や寄せ書き、好きだったお菓子、タバコなど

<入れてはいけないもの>
・金属やガラスといった燃えないもの(眼鏡・入れ歯・金属を使ったアクセサリーなど)
・精密機械
・ビニールや化学繊維、発泡スチロールなど、ガスの発生や炉の損傷の恐れがあるもの
・缶や瓶に入った飲み物やお酒

また、ペースメーカーやボルトなど、体内に医療機器や金属が入っている場合は必ずスタッフに伝えます。

燃えるものであっても避けた方がよいとされているのが、分厚い本やスイカ・メロンなどの大きな果物です。これらは均等に燃えにくく、燃えても大量の灰となるので、骨上げがスムーズにできないことがあるからです。

また、最近では、ドライアイスも燃焼を妨げるものとして、最小限にしなくてはいけません。

さらに、意見の分かれるのが家族写真など、生きている人が写った写真です。故人が寂しくないように入れてあげたいという人もいますが、「連れていかれる」という俗説もありますので、遺族で相談して決めるのがおすすめです。

火葬から骨上げまでの流れ

火葬場に同行するのは、葬儀に参列した人全員ではなく、喪主・遺族、親戚、親しい友人など故人と関係の深い人に限られます。

喪主は火葬場に火葬許可証を持参し、スタッフに提出します。立ち会う人が揃ったら、読経や焼香などの「納めの式」をします。

炉の点火スイッチは基本的に喪主が押します。ただし、喪主が押すのをためらったり、辛くて押せないというときは他の遺族や親族が代わりに押しても構いません。スタッフが押すことになっている火葬場もあります。

点火から骨上げまでには、40分~2時間ほどかかります。火葬場のスタッフから時刻を指定されるので、それまでは待合室で待機するか、葬儀場や寺院、自宅など葬儀をおこなった場所に戻って食事(精進落とし)を済ませます。

指定時刻になったら、骨上げです。炉の鍵がある場合はスタッフに渡します。喪主・遺族、親戚と故人と縁の深い順に、二人一組で足から頭の骨までを竹の箸で拾って骨壺に収めていきます。このため、骨上げは「骨拾い」「収骨」とも呼ばれます。

最後に喪主が喉仏の骨を収めて完了です。大きい骨壺にすべての骨を入れたり、小さい骨壺に入る分だけを入れたりと、地方によって異なります。骨上げの細かい方法はスタッフや葬儀社が指示してくれるので、それに従います。分骨を希望する場合は、自分で小さい骨壺を持参しても構いませんが、事前にスタッフに相談しておきましょう。

骨上げの後は、火葬許可証を返却してもらいます。火葬場によっては骨壺の包みに入れてくれるところもあります。

骨上げが終わったら骨壺とともに葬儀場や自宅へ戻って初七日の法要をします。本来、初七日は文字どおり故人が亡くなった7日目におこなっていましたが、現在は火葬の後に済ませるのが一般的です。

火葬に関する疑問を解消しよう

日本の慣習とはいえ、どうしても火葬に抵抗がある人や、遺骨をどうしたらよいかわからない人もいるでしょう。ここでは火葬に関する悩みの対処法について解説します。

骨上げをどうしてもしたくないとき

火葬場でお別れをしたいけれど、お骨になった故人を見るのが辛い、どうしても抵抗がある、小さいお子さんがいて怖がるといった場合は、骨上げを辞退できます。

骨上げを拒否したい場合は、地方によっては所定の手続きをすれば可能なところもあるので、葬儀社や火葬場のスタッフに相談してみてください。ただし、一度骨上げ拒否の手続きをしたら取り消しがきかないことがほとんどなので、慎重に考えるのが望ましいでしょう。

遺骨を手元に置いておきたくない・お墓がないとき

遺骨を手元に置いておきたくない、お墓がないという場合には「散骨」や「樹木葬」などの埋葬方法を選択できます。

散骨は遺骨を粉末状にして、山や海、森、川などに撒く埋葬方法です。樹木葬は自然葬の一つで、墓石ではなく樹木の根元にお骨を納める方法です。どちらも「自然に還る」という考え方があり、故人や遺族の希望で選ぶ人も増えてきています。

必ず火葬にしなくてはいけないの?

かつて日本では土葬が一般的で、現代でも埋葬方法の一つとして法律で定義されています。そのため「絶対に火葬する」わけではありませんが、実際にはほとんど土葬はおこなわれていません。それは自治体の許可が必要なだけでなく、土葬ができる霊園や土地が限られているからです。

ごく一部の土葬の風習が残っている地域でも、外部の人が土葬をする場合は、その自治体に居住して墓地を確保しなくてはなりません。生前から準備をしておかなければ、難しいといえるでしょう。

火葬の手順を知って滞りなく故人を送ろう

日本で亡くなった人の約99%が火葬といわれています。ほとんどの人が通る道です。滞りなく火葬をおこなうための手続きや手順をしっかりと押さえて、故人の魂を静かに送りましょう。