灯篭(とうろう)は道に迷わないための灯り。灯篭の種類と生活への取り入れ方・処分方法も

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灯篭(とうろう)は道に迷わないための灯り。灯篭の種類と生活への取り入れ方・処分方法も
灯篭とは、古くからある照明器具のひとつです。仏教とともに日本に伝わり、お墓や寺院、神社、庭、お祭りなど、日本人の暮らしの身近な場所で目に触れる機会があります。この記事では、灯篭の意味や種類、生活への取り入れ方などについて解説します。

灯篭とは何か

灯篭の歴史や由来、意味について見ていきます。現在の暮らしに根付く灯篭について学び、理解を深めてみてください。

灯篭の由来

灯篭はその字の通り、灯(ひ)の篭(かご)という意味を持つ照明器具です。主に戸外用として使われます。中国大陸から仏教とともに伝来し、仏教寺院を中心に、神道の神社にも普及しました。竹や木材、金属、石など灯篭に使われる素材はさまざまで、風から火を守るために、炎を囲むような形をしています。

灯篭は、用途によって種類が分かれています。屋内で使用するものが行燈(あんどん)、屋外で使うのは提灯(ちょうちん)と名づけられました。灯篭は仏教的な意味合いを持ったものとしてだけでなく、日常生活に欠かせない照明として取り入れられるようになります。

灯篭の意味と役割

仏教では「灯」が邪気を払うとされており、仏前に火を灯す風習(献灯)が現代に受け継がれています。また、故人があの世で迷子になるのを防ぐため、道標となる灯を用いるという意味もあります。

日本全国で開催される灯篭流しや灯篭祭りは、供養や鎮魂を目的として古くからおこなわれてきました。お墓の近くにある墓前灯篭は、亡くなった人を神仏の方へ導く意味合いがありましたが、現在は景観のために取り入れられることが多いようです。

日本庭園にある灯篭は、暗い庭を歩くための照明として使われてきました。照明技術が発展した現在は、庭のデザインを構成する一部として捉えられています。

室内外の照明、お祭り、景観美……、日本では昔からさまざまな場面で灯篭が使われてきています。

灯篭の種類と取り入れ方

形や役割によって灯篭の種類は変わります。よく目にする代表的な灯篭として挙げられるのは4種類。それぞれの灯篭の違いや取り入れ方を紹介します。

墓前灯篭

お墓に設置されている灯篭です。対で設置されることが多いですが、お墓の右側に一基だけ設置されることもあります。灯火で故人を供養する意味があるのに加え、お墓参りをする人が迷わないための道標として用いられています。仏式では丸型、神式では角型の墓前灯篭が使われます。

墓前灯篭は、お墓のサイズに合わせて大きさを決めます。ロウソクが立てられるように設計する他、灯した火が消えないように扉をつけます。

春日灯篭

春日灯篭は、長い柱と高い位置にある火袋が特徴的。奈良の春日大社で使用されていたのがその名の由来です。現在は、さまざまなお寺や日本庭園に設置されており、一般の人も目にする機会が多い灯篭です。春日灯篭を設置することで、庭園やお寺の空間にアクセントを加えられます。

高さがあるため、地震倒壊などに備えて適切に固定措置をする必要があります。遠路に沿って並べてあることが多いので、見かけた際には形や高さを確認してみてはいかがでしょうか。

雪見灯篭

柱がなく、低めに作られた灯篭です。笠の部分が大きめなので、低いながらも存在感があります。また笠の形の違いによって呼び名が異なり、六角形の笠は「六角雪見」、丸い笠は「丸雪見」と呼ばれます。足は3本あり、水面を照らす時によく使われます。

日本庭園では池のそばに設置されていることが多いため、水面と光のコントラストを楽しめます。

置灯篭

柱がなく、平たい石の上に設置された灯篭のことです。主に庭園で見かけることが多いでしょう。暗い庭でも足元が見えるように、光が灯されます。また、形のバリエーションが豊富なのも特徴の1つです。上の部分が膨らんだようになった織部灯篭など、個性的な形があります。庭園の雰囲気に合わせてさまざまな形があるので、観賞して楽しむのもおすすめです。

灯篭の処分方法

地震などの自然災害や経年劣化などで灯篭が壊れてしまったら、処分を検討することでしょう。ここでは、一般的な灯篭の処分の流れと注意点を説明します。もしものときの参考にしてみてください。

灯篭処分の流れ

有名な彫刻家が手掛けた灯篭は、芸術的な価値が認められ買い取ってもらえる場合があります。しかし、全体の割合を見ると買い取ってもらえるのはごくまれであり、処分を選択することがほとんどです。灯篭が小さい場合は、石材店や解体業者に持ち込んで処分を依頼します。もしくは不用品回収をしている業者に頼んで持って行ってもらいます。

灯篭が大きい場合は、そのまま持ち運べません。部分ごとに分解してから搬出し、処分するのが一般的です。また、灯篭にはコンクリート製のものと自然石を加工したものがあり、種類によって処理の仕方が異なります。判断に迷ったときは、業者に相談してみてください。

分解された灯篭は、埋め立て用の砕石になることが多いようです。場合によっては、土木用の砕石になることもあるでしょう。長年使ってきた灯篭は、新しい役割を果たすためにリサイクルされます。

灯篭処分の注意点

お墓や庭園などに設置された灯篭は、先祖代々使ってきたものもあります。どのような用途や目的で使用されていたのかを確認し、それに合わせた処分方法を選ぶのがおすすめです。灯篭に強い思いが込められている場合には、処分の前に丁寧にお清めをするのが基本です。

灯篭の主要な部材は石材です。業者に依頼して処分する場合は産業廃棄物として扱う必要があります。不法投棄のリスクも考えられるため、きちんとした業者に依頼し、処分方法まで確認するようにしてください。所有者として、最後まで責任を持つ必要があります。

身近な素材を使った灯篭の作り方

庭園などに使われている灯篭は石材で作られたものが多いですが、灯篭流しで使われる灯篭は身近な素材で手作りされているものがほとんどです。ここでは、家庭でできる灯篭の作り方を紹介します。日本の夏の風物詩でもある灯篭流しを、手作りで体験してみてはいかがでしょうか。

和紙と木で作る灯篭

割り箸や竹ひごを使い、四角い枠を組み立てます。木工用接着剤で割り箸や竹ひごを接着し、乾いてくっつくのを待ってください。接着が足りないと、枠組みが壊れやすくなります。

枠ができあがったら、周りに和紙を貼り付けます。この場合も木工用接着剤を使えばOKです。オリジナリティを出すために、和紙に絵を描いても素敵。和紙に描く絵に決まりはないため、自由な発想で創作できます。思いを込めてデザインを決めてみてはいかがでしょうか。

ペットボトルで作る灯篭

まずは、500mlのペットボトルを用意します。なるべく寸胴の形の方が火を入れやすいので、その点を意識して選んでみてください。続いて、ペットボトルの上の部分をカッターで切り取ります。はさみだと作業しづらいため、カッターを使うのがおすすめです。

ペットボトルをカットした部分は手を傷つけやすく、注意が必要。カット部分には透明のテープを貼ると良いでしょう。シールや油性ペンなどを使い、好みのデザインをほどこしたらできあがりです。和紙で作る灯篭と同じように、創意工夫を凝らしながらオリジナルの灯篭を作ってみてください。

灯篭は供養や祈りの心を伝えるもの

日本人の暮らしの中にさりげなくある灯篭。その由来や使われ方を知ると、日本独自の供養の歴史や、あかりの文化が浮かび上がります。日本の心を伝承する大切なものとして、灯篭を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。