入院お見舞いに行く前の準備は?タイミングやお見舞金の相場も紹介

お葬式のマナー・基礎知識
入院お見舞いに行く前の準備は?タイミングやお見舞金の相場も紹介
お見舞いのタイミングは、相手の状況を考えることが大切です。お見舞品やお見舞金は渡す人の気持ちを表すものですが、一定のマナーや適切な選び方が存在します。本記事では、入院お見舞いに行く前の準備、お見舞いに行って品物を渡すタイミングとマナー、お見舞い金の相場などを解説します。

お見舞いに行く前の準備

大切な人が入院したことを聞いたら、今すぐ病院に駆けつけたくなるかもしれません。ですが、焦る気持ちを落ち着かせて、本人や家族の気持ちを考えることから始めてください。お見舞いに行く前にすることをお伝えします。

事前に連絡をする

すぐに会いに行きたいと思っても、入院している本人が「今は人に会いたくない」と思っているかもしれません。気持ちのすれ違いが起こらないよう、まずはお見舞いに行っても問題ないか、本人または家族に確認してください。OKが出たら、病院の面会時間、病棟名、相部屋か否か、病室番号などを聞いておきます。

会話の内容に注意する

入院している人の病状にもよりますが、「頑張ってね」という言葉は避けた方が無難です。入院し、病気と闘っている時点で十分頑張っています。

「辛いよね」などは、一見すると相手の心に寄り添った言葉のように思えますが、人によっては同情されていると感じる場合がありますので、こちらも避けた方が無難です。また、相手が仕事を休んで入院している場合は、プレッシャーや負い目を感じさせないよう、仕事に関する話自体をしないようにするなど、会話の内容に気を配ることも大切です。

お見舞いを避けるべきタイミング

面会謝絶などの制限が設けられている、相手の心身が著しく衰弱している、手術や入院の直後などのケースは、お見舞いを避けるべきです。

面会に制限が設けられているのは、入院している人の状態が芳しくないことを表しています。また、人によっては精神的に不安定になっているかもしれません。自分の感情よりも相手の健康状態を第一に考えた上で、お見舞いに行くタイミングを決めてください。

また、2~5日程度の短期入院の場合は、診察や治療、手術、そして、経過観察などが慌ただしくおこなわれます。そのため、相手の負担にならないようお見舞いは避けた方が良いとされています。

お見舞いの金品の相場と選び方

お見舞金は、自分と相手の関係性によって金額が異なります。こちらでは、お見舞金の相場と包み方、お見舞品の適切な選び方を説明します。

お見舞金の相場

お見舞金には、「死」「無」「苦」などを連想させる「4・6・9がつく金額は避けるべき」という暗黙のルールがあります。

一般的な相場では、友人や同僚、部下は3,000円または5,000円、家族や親戚は5,000円~1万円です。

失礼にならないよう、目上の人である上司にはお見舞金を渡さない方が無難です。その際に、お見舞品はお忘れなく。また、職場で相談し、渡すことになった場合は3,000円~1万円の範囲が適しています。

お見舞金の包み方

お見舞金を包むには、水引が付いた袋(結び切りの色は紅白)、赤色をした帯が使用されているお見舞い用の封筒、白色で無地の封筒が適しています。

表書きは「御見舞」もしくは「お見舞」とし、下に自分の名前をフルネームで記載してください。中に入れるお札は、新札以外を使用します。汚れやシワのない新札をお見舞金として渡すと、「あらかじめ用意していた」と捉えられる恐れがあるためです。これは、お見舞いだけでなく弔事でも同じです。

お見舞品の選び方

お見舞品の相場はお見舞金と同じ3,000円~1万円が目安になります。定番アイテムはお花やスリッパ、タオルなど。スケッチブックと色鉛筆、雑誌のような入院中の退屈しのぎになるアイテムや、病院内のコンビニで使えるクオカードも便利です。

お花やフルーツは、置いておくだけで病室を明るくしてくれます。お花を贈るときは、「病気が根付く」とイメージさせる鉢植えや、百合や椿など首から落ちるもの、香りの強いものは避けてください。なお、病院によっては生花の持ち込みが禁止されているところもありますので、事前に確認してください。そのような場合にはプリザーブドフラワーもおすすめです。

フルーツなどの食べ物を贈るときは、食事制限の有無を事前に確認することが大切です。入院中は普段よりも食欲が落ちているかもしれないので、日持ちするものが適しています。

長い闘病中などの場合は看病をする家族に向けて、簡単に食べられる高級レトルト食品やいつも使っている生活雑貨などを選ぶと、相手も嬉しいかもしれません。

お見舞いに行くタイミングと注意点

お見舞いに行ったことで相手に負担をかけてしまっては本末転倒です。できる限り負担をかけないよう、適したタイミングと注意点を確認しておきましょう。

お見舞いは回復してきた頃の午後がベスト

お見舞いは本人や家族の気持ちに配慮することも大切です。入院して4・5日経った頃や手術の2・3日後、回復に向かいだした頃など、本人の心や状況が落ち着いたときに行くのが理想的。午前中は検査や医師によるチェックなど、予定が詰まっているケースが多いため、お見舞いは午後がベストです。

相手が睡眠中は起こさないようにする

病室に入ったときに相手が寝ている場合は、起こさないようにしてください。入院中は体力が落ちていたり、夜の暗さが不安で眠れず、明るい昼間に寝ていたりするケースもあります。起きるまで待つのではなく、別の日に出直すことをおすすめします。

お見舞い品を持っている場合は、家族や付添人に渡します。病室に誰も居ない場合は、ナースステーションに預けるのも1つの方法ですが、病院によっては対応できないこともあります。便箋などの用紙とペンを持っていけば、お見舞いの言葉を書いたメッセージを枕元に置いていけますのでおすすめです。

お見舞いの品を渡すタイミング

お見舞品やお見舞金を渡すタイミングに、悩む人も多いかもしれません。相手に気持ち良く受け取ってもらえるタイミングと、病院に行けない場合の渡し方を紹介します。

お見舞品を渡すときの注意

病室に着いたら、家族や付き添いの人に挨拶をしてから、お見舞品を渡す了承を得ます。次に、本人に声かけをした上で、お見舞品やお見舞金を渡します。本人と家族のどちらに渡すのかは、病状や状況に応じて判断してください。

入院中や静養中の人は体力が低下しています。負担をかけないためにも、どんなに長くても30分程度など、面会は短時間で済ませることが大切です。

お見舞品を郵送する方法も

遠方の場合や、何らかの理由でお見舞いに行けない場合は、お見舞いの品を郵送するのも一つの手。お見舞金は必ず現金書留で送ります。どちらの場合も、まずは相手の家族に確認してください。

病院では配達物の受け取りを拒否される恐れもあるため、相手の自宅に郵送してください。郵送する場合は、手紙も添えると気持ちがより伝わるでしょう。

お見舞いに添えたい言葉・メッセージ例

入院中はどうしても心細くなってしまうかもしれません。そんなとき、親しい人から温かい言葉をかけてもらえると、前向きな気持ちになれるでしょう。こちらでは、お見舞いに添えたいメッセージ例を2つ紹介します。

お見舞い品を渡すときの言葉

「頑張ってね」は禁句ですが、前向きな言葉をかけることは大切です。「退院したら一緒に〇〇に行こうね」や「一緒に〇〇しようね」など、闘病の励みになるような言葉が適しています。

手紙やメールに添えるメッセージ

入院中は周囲に気を遣って弱音を吐けないこともあるでしょう。そんなとき、「いつでも話し相手になるよ」と親しい友人に言葉をかけてもらえると、心が少し楽になるかもしれません。入院中の友人に宛てる手紙やメールでは、「続く」「重なる」など、不幸をイメージさせる忌み言葉は避けてください。

相手の健康や心情を考えた上でお見舞いを

お見舞いはタイミングを考慮する必要もありますが、相手の健康と心情、それを思いやる気持ちが何よりも大切です。お見舞いに行くとなれば、お金も品物も重要ですが、かける言葉の質と内容はさらに重く響きます。相手の状況や心情に寄り添った言葉は、闘病の励みや糧になります。お見舞いのマナーを大人のたしなみとして、自然と身につけられるといいですね。