御朱印帳は神仏との縁の記録。マナーや楽しみ方とは

お葬式のマナー・基礎知識
御朱印帳は神仏との縁の記録。マナーや楽しみ方とは

この記事はこんな方におすすめです

御朱印帳の使い方を知りたい
これから御朱印集めを楽しみたい
御朱印集めをするときの必須アイテムである御朱印帳。集めた御朱印を眺めることで、神仏とのつながりを感じ、参拝をより意味のあるものにするのが楽しみ方の1つです。この記事では御朱印集めの魅力と楽しみ方から、御朱印帳の選び方と扱い方、御朱印をもらうときの流れとマナー、御朱印帳を使うときによくある疑問について解説します。

参拝の証となる御朱印。意味や楽しみ方とは

御朱印とは、寺社の参拝の証としてもらえる印影のこと。参拝時には自分で御朱印帳を用意して、各地の寺社の御朱印を集める人が増えています。御朱印の意味や、御朱印集めの魅力と楽しみ方を紹介します。

そもそも御朱印とは

寺社の参拝の証としてもらえるのが御朱印です。神社・寺院の名称や、神仏の名前・当日の日付を墨で書き、朱で印章を押すのが基本的な形式です。その御朱印を書いてもらう帳面を御朱印帳と言い、参拝の記録を目に見える形で残せます。
御朱印代は300円~500円ほどが相場です。金額が分からない場合は、直接尋ねても失礼には当たりません。もし「お気持ちで」と言われたら、相場を目安に納めると良いでしょう。
なお、御朱印と間違いやすいものに「納経(のうきょう)」があります。「納経」は霊場巡礼をした際にもらえるもので、四国遍路するときなどに集める人が多いです。

"書き置き"と"直書き"がある

御朱印は主に2種類の方法で授与されます。
1つは、あらかじめ和紙などに書かれた御朱印を受け取れる書き置きです。書き置きを御朱印帳に集めるには、ノリなどで貼り付けるのが一般的です。もう1つは、持参した御朱印帳に直接書いてもらう直書きです。
どちらかの方法しか対応していない寺社もあります。受付の掲示や、ホームページであらかじめ確認しておきましょう。近年はコロナ禍のため書き置きのみの寺社が増えています。

御朱印集めの魅力

御朱印帳を見返せば、参拝したときの気持ちを思い返せます。参拝時の気持ちと向き合うことで、自分自身を振り返るきっかけにもなるでしょう。
また御朱印にはアートとしての美しさもあります。寺社ごとにデザインが異なるのはもちろん、同じ寺社でも書いてもらう人によって濃淡が違ったり、月日が経ってデザインが変更されていたりするのも味わい深い点です。
御朱印から祀られている神仏の名前を読み取れば、寺社の由来や歴史を辿れ、参拝をより楽しめます。なかには、御朱印を旅行のきっかけにする人もいます。

御朱印帳の種類と選び方

御朱印帳は大きく分けて3種類があります。それぞれの特徴と、おすすめの選び方を紹介します。

御朱印帳の種類(綴じ方・サイズ)

形式 特徴
ブックタイプ 本のように製本されている 持ち運びに便利
紐綴じタイプ 和紙を紐で綴じた、古くからある形式 紐を解くと中身の順番が入れ替えられる
霊場巡りの場合は、あとから札所の番号順に並び替えられる
蛇腹タイプ 横長の和紙を蛇腹状に折ってある、ポピュラーな形式 集めた御朱印を一覧で確認しやすい
御朱印帳のサイズは、文庫本サイズ(横11cm×縦16cm)とB6大判サイズ(横12cm×縦18cm)です。お寺の御朱印は太筆で書くことが多いので、お寺用には大判サイズがおすすめ。持ち運びやすいミニサイズもあります。
また、特定の寺社専用の御朱印帳もあります。各地の一の宮を巡る「全国一の宮御朱印帳」、明治天皇が東京の平安を祈願された十の神社で授与している「東京十社めぐり」の御朱印帳、寺院名や詠歌が書かれている霊場巡礼専用の納経帳などが有名です。

御朱印帳の選び方

なるべく使いやすくて気に入ったものを選ぶポイントが以下です。
①使い方で選ぶ
持ち運びの手軽さ、カバーの有無、素材などを吟味して選ぶと失敗が少ないです。最近では書き置きの御朱印をそのままはさめるファイルタイプも登場しています。刺しゅう入りや切り絵調など、趣向を凝らした御朱印を収納するのにも重宝します。
②直感で選ぶ
色やデザイン・手に持った感触など、「これだ!」という直感もご縁の1つです。
③好きな寺社で購入する
地域の特産の織物や素材などを使って、オリジナルの御朱印帳を販売している寺社もあります。祭事や季節の限定デザインなどもあるので、気になった寺社があればチェックしてみてください。もちろん文具店やインターネットなどで好みのものがあれば、そちらで購入しても構いません。

基本的な御朱印帳の扱い方

御朱印帳は神仏とのつながりの証となる大切なものなので、丁寧に取り扱う必要があります。御朱印帳を使う前の準備と、持ち運び方・保管方法を紹介します。

使う前の準備

御朱印帳の表紙の白い短冊のような和紙には、「御朱印帳」と筆書きします。必要がなければ、白紙のままで問題ありません。あらかじめ記入されて販売されている御朱印帳もあり、寺社によっては記入をお願いできるところもあります。
表紙の裏側には、名前・住所などを記入しておくと紛失防止になります。

持ち運び方

御朱印帳を袋に入れて持ち運ぶと、カバンの中で傷付くのを防げます。風呂敷やビニールなどで包む方法もあります。

保管方法

普段は置き場所を決めて、大切に保管してください。保管場所の例は、神棚や仏壇があればよいとされますが、大切に保管できる場所であれば本棚でも構いません。
また御朱印は紙に墨で書くので、長期保管するときは湿気対策をすると安心です。フタ付きの収納ボックスに乾燥剤と一緒に入れるか、御朱印帳専用の収納ケースなどを利用すると良いかもしれません。

参拝のタイミングと御朱印帳に御朱印をもらう方法

御朱印だけを目的に寺社に行くのはご法度とされています。失礼にならないようきちんと参拝して、神仏とのつながりを深めましょう。御朱印をもらうときの流れに沿って、ポイントやマナーを紹介します。

1.寺社で参拝する

御朱印をもらうときは、きちんと参拝するのがマナー。御朱印集めはただのコレクションではなく、参拝の証ということを忘れないでください。一般的に神社では「二礼二拍手一礼」、お寺ではお焼香と合掌をするなど、あらかじめ参拝の手順を確認しておくと当日困りません。
参拝の手順やマナーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

2.受付所で御朱印帳を渡す

神社なら授与所・社務所、お寺なら寺務所などで御朱印を受け付けています。
直書きが可能な場合は、御朱印をもらいたいページを開き「こちらにお願いします」と伝えるのが丁寧な渡し方です。御朱印帳のカバーやしおりなどは外してから渡してください。紐綴じタイプは、少し紐をゆるめて渡すと書きやすいでしょう。
そして御朱印帳の受け渡しの際に、御朱印代を納めます。

コロナ禍における対応は必ず確認を

コロナ禍においては、寺社も御朱印や参拝などの対応を変更している可能性があります。マスクの着用や消毒・検温への協力、参拝時間の変更などを、多くの寺社が呼びかけています。参拝前にホームページなどで確認しましょう。
御朱印においても、御朱印帳への直書きは中止し、書き置きの授与で対応している場合が少なくありません。書き置きの場合は、クリアファイルなどに入れると曲がらず持ち帰ることができます。

御朱印帳の使い方に関する疑問

初めて御朱印帳を使うときに、よくある疑問にお答えします。気持ち良く使い続けられるよう、押さえておいてください。

御朱印帳を持って行くのを忘れた場合は?

書き置きの御朱印を用意している寺社が多いので、現地で確認してみてください。書き置きは大切に持ち帰り、家で御朱印帳にノリ付けすれば、新たな1ページとして残せます。

お寺と神社で使い分けは必要?

明治ごろの神仏分離の流れから、お寺と神社で御朱印帳も分けるべきという考え方が残っていることもあります。しかし明確な決まりはなく、基本的には同じで問題ありません。

同じ寺社で何度も御朱印をもらえる?

御朱印は何度もらっても大丈夫です。御朱印が増えるごとに、ご縁の深まりを感じられるでしょう。建物ごとに御朱印のデザインを分けている寺社もあるので、それぞれ集めるのも楽しみ方の1つです。
また、月替わり・季節替わり・干支の日など、特定の日だけもらえる御朱印もあります。チェックしておくと、再訪の良いきっかけになります。

御朱印帳の裏面も使える?

ブックタイプや紐綴じタイプは、片面だけ使用するのが一般的です。蛇腹タイプの御朱印帳は、厚手の和紙が使われていて裏移りしにくいことが多いので、使えるようであれば裏面に御朱印をもらっても良いでしょう。心配な場合は、裏面には染みの心配がない書き置きの御朱印を貼ったり、寺社でもらった「はさみ紙(墨が他のページにうつらないようにするもの)」を貼ったりするのもおすすめです。

お気に入りの御朱印帳があれば、より一層参拝が楽しくなる

最近では、さまざまなデザインの御朱印帳が登場しています。お気に入りの1冊を見つけて参拝のお供にすれば、目に見える形で神仏とのご縁を感じられ、お参りをより楽しめるでしょう。参拝のマナーや、御朱印帳の使い方のマナーを守り、自分だけの御朱印帳を作り上げてみてください。