死別を受け止め、前向きに生きるためには。ゆっくりと傷ついた心を癒していこう

ご家族の通夜・葬式準備
死別を受け止め、前向きに生きるためには。ゆっくりと傷ついた心を癒していこう
死別とは文字通り、大切な人と死に別れること。その悲しみは深く、多くの人が悩み苦しむ問題です。この記事では、死別の悲しみを受け止める方法から立ち直る過程、周囲の言葉に傷ついたときの対処法を紹介します。自分のペースで傷ついた心を癒していきましょう。

死別の悲しみを受け止める方法

死別の悲しみを隠し、周囲に気を遣わせないように明るく振る舞う人もいますが、まずは、自分の心を守ることが最優先です。そのためにも、死別後はしっかりと悲しむ時間を作ることが大切。悲しみを受け止めるための方法をお伝えします。

同じ気持ちを共有できる人と話す

まずは親戚や友達など、自分と同じく故人の死を悲しんでいる人に、喪失感やつらい気持ちを話してみましょう。身近な人と共感し合うことで、心が癒されることもあります。また、過去に似た経験をした人に気持ちを聞いてもらうことも有効。その人が深い悲しみから立ち直った姿を見れば、少し心が軽くなるかもしれません。

死別の悲しみを共有できる人が周囲にいない場合は、似た経験をした人のブログなどを読むのも良いでしょう。ブログであれば、ゆっくりと悲しみを受け止めながら自分のペースで読み進められます。

感情をきちんと表に出す

周りに気を遣わせたくないと、悲しみの感情を押し込めてはいませんか。子どもがいる場合は「自分がしっかりしないと」と、無理して気持ちを奮い立たせていないでしょうか。これらは立派な心がけですが、死別後は自分の気持ちや感情が優先です。

悲しい気持ちが落ち着くまで、泣きたいと思ったときは思いっきり泣き、気持ちを抑え込まないようにしましょう。悲しみの感情を表へ出すことが、心を軽くする第一歩になる可能もあります。まずは、信頼できる家族や友人の前など、感情をストレートに出せる場所を見つけてください。

文章で気持ちを表す

自分の気持ちを文字に起こすことも悲しみを受け止める方法の1つ。日記を書く、手紙を書くなど文章にして気持ちを吐き出してみましょう。人に話すときは無意識に言葉や内容を選んでしまいますが、誰にも見せない日記や手紙には、思ったまま感じたままの気持ちを綴れます。

さらに、文章にすることで頭の中や気持ちが整理され、自分を客観視できます。誰かにこの気持ちを知ってほしいと感じるならば、自身でブログを書いてみるのもおすすめです。

カウンセラーや専門家に頼る

ここまで紹介した方法を試しても悲しみが癒えない、悲しみの気持ちが強く生活に影響がある場合は、カウンセリングを受けてみるのも有効な手段です。経験豊富なカウンセラーであれば、適切に話を聞いてもらえます。

死別などの深い悲しみを抱えた遺族の心のケアをする「グリーフケア」「グリーフサポート」を専門にしている人もいます。

自分を大事にする

死別の悲しみは想像以上で、身体も心も疲弊してしまいます。そんなときは、自分を思いやることが大切。そのときにやりたいと思ったことをやり、つらいと思うことを無理におこなうのは避けます。友人や親族からの誘いや付き合いの行事も、気が進まなければ参加しなくても良いのです。

心が回復する過程

死別などの深い悲しみを意味するグリーフ。今は立ち直れないと感じていても、多くの人が時間をかけ、段階を踏んで死別を受け入れています。ここでは、そんなグリーフの一般的な回復過程を解説します。

ショック・喪失感

死別してすぐの時期は、大切な人の死に対してパニックになっており、現状を受け止められない状態です。この世に愛する人がいないショックや喪失感から、涙やため息が止まらない、強い後悔を感じる、などの徴候が表れます。さらに、故人の死因や状況によっては、誰かに強い敵意を持つ場合も。その他、故人の死を受け入れられず、まだ生きているかのように振る舞う場合もあります。

心を閉ざす・自責

それまでは故人がこの世を去ったという事実を理解することで精一杯でしたが、死別を実感し始めると、故人のことを考える時間が増えます。「故人のために何かできることがあったのではないか」「愛する人との時間をもっと大切にすればよかった」と自責の念にとらわれてしまうことで、不眠や食欲不振、無気力な状態が続き、疲れやすくなります。故人との思い出が浮かぶ度に気持ちが落ち込み、塞ぎ込んでしまう時期です。

回復

この時期になると、自分や周囲のものごとに関心を持ち、新しい人間関係を作って人と関われるようになります。心が少しずつ悲しみを受け止めようと働く時期です。ここまで来るのには個人差があり、年単位を要する人もいます。

しかし、回復を無理に急ぐ必要はありません。それぞれの過程に合ったケアをおこない、自分のペースで回復していくことが大切です。以下の記事ではグリーフケアを詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

心無い言葉に傷ついたときの対処法

死別によって心が敏感になっているときは、心ない言葉だけではなく、悪気のない言葉にも傷ついてしまうものです。周囲の言葉に傷ついたときの対処法を押さえて、つらい気持ちを乗り越えましょう。

聞かなかったことにして受け流す

相手は慰めのつもりで言った言葉や、普段ならば気にならない言葉でも、死別を経験し弱った心にはストレスに感じてしまう場合があります。優しい人であればあるほど「自分のためを思って慰めてくれているのに」と自分を責めてしまいがちです。しかし、心が敏感になっているときのつらい言葉は、聞かなかったことにして、受け流してしまいましょう。

心の中で強く否定する

心ない言葉をかけられたときは、実際に反論したり否定したりできなくても、心の中できっぱりとその言葉を否定し、自分の気持ちや尊厳を守ります。その場で言い返せなかった自分を責める必要も、言われた言葉を否定した罪悪感を抱く必要もありません。まだ気持ちが回復していないうちは、自分を癒し、自分を立ち直らせてくれる言葉だけを受け止めれば良いのです。

死別後の疑問について

死別の深い悲しみを受け止め、普段の生活に戻ったときには、それまでは気がつかなかったさまざまな疑問が浮上してきます。

死別後の戸籍はどうなる?

戸籍の問題は死別した際に悩むものの1つ。例えば、配偶者が亡くなったとしても戸籍は変わりません。死亡届を提出したときに、戸籍に「除籍」と記載されるだけです。また、亡くなったのが筆頭者でも、戸籍には名前が残ります。これは、筆頭者の氏名と本籍地がインデックスの役割をもっているためです。

死別後に離婚や再婚はできる?

配偶者との死別は大変悲しいもの。もう会えなくても、大切な人であることに変わりはないでしょう。ただ、故人と過ごしたこれまでの時間と同じくらい、これからの人生も大切です。新しいスタートを切ることで前向きな気持ちになれるのであれば、再婚を視野に入れるのも1つの道です。

<死別後の離婚>
故人の配偶者が望めば、死後離婚することも可能です。その場合は、役所に姻族関係終了届(いんぞくかんけいしゅうりょうとどけ)を提出します。配偶者側の親族と疎遠であるケースなどは、この選択も1つです。ただし、行事などで舅や姑と顔を合わせるのが気まずい、子どもの用事を頼めない、といった困りごとが発生する可能性もあります。また、死後離婚後は故人と再び姻族関係を結ぶことができません。姻族関係終了届は配偶者の死後であればいつでも出せるので、提出はよく考えてからが良いでしょう。

<死別後の再婚>
死別であれば、死後離婚しなくても再婚できます。死別後に再婚を望む人は7割程度と過半数を超えていますが、死別再婚は心の整理が難しいものでもあります。無理に急がずに自分のペースで進んでいきましょう。

死別を受け止めるには時間をかけて

死別の悲しみはほとんどの人が経験し悩む問題。しかし、一度立ち止まりその悲しみと向き合うことは、回復への重要なステップです。また、愛する人を失った悲しみからゆっくりと回復していく過程は、自分自身と向き合う時間でもあります。無理せず自分のペースで大切な人の死を受け止めましょう。