お墓参りに行ってはいけない日はある?適した時間帯・マナーなど

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お墓参りに行ってはいけない日はある?適した時間帯・マナーなど

この記事はこんな方にオススメです

お墓参りに行く予定がある
お墓参りに避けた方が良い日はあるのか気になっている
仏滅や友引など、人によっては「お墓参りに行ってはいけない」と考える日は存在します。一方で「お墓参りに適している」と考えられる日もあるので、いつ行けば良いのか悩んでしまう人も多いかもしれません。そこで今回は「お墓参りに行ってはいけない」と言われる日の真相をはじめ、お墓参りに行く人が多い日とマナーなどを紹介します。

「お墓参りに行ってはいけない日」の真相と、適した時間帯

仏滅や友引は縁起が悪いと言われているため、「お墓参りに行ってはいけない」と考えられやすい日です。そのほかに「夕方・夜間にお墓参りをすると霊がついてくる」という説も。まずは、お墓参りに行ってはいけない日や時間帯は存在するのか、その真相に迫ります。

お墓参りは好きな日に行って良い

結論から言うと、「お墓参りに行ってはいけない日」は存在しません。なぜならば、お墓参りで大切なのは故人を想う気持ちだからです。都合の良いタイミングや、故人に会いたくなったときなど、お墓参りは好きな日に行って良いのです。一般的には、命日・お彼岸・お盆・年末年始、何かの報告があるときなど、節目にお参りする人が多く見られます。

お墓参りを避けた方が良い時間帯はある

お墓参りに行く日と同じく、「行ってはいけない時間帯」も存在しません。しかし夕方以降、特に夜間は避けた方が良いと言われています。
<理由>
  • 足元が暗いことで転倒の危険がある
  • 防犯面で危険なことが考えられる
  • お寺や霊園によっては閉門、閉園時間がある
  • お墓参り中の音が近所迷惑になる恐れがある
このような理由から、お墓参りは午前中や昼間など、明るい時間帯に行った方が安心だと考えられます。
なお、一部では「夕方・夜にお墓参りをすると霊がついてくる」「一人で行ってはいけない」などと言われているようです。しかし、これらは夕方以降のお墓参りで危険な目に遭わないよう、霊を絡めて注意を促した都市伝説や迷信の類と考えられます。

人によっては「お墓参りに行ってはいけない」と考える日

「お墓参りに行ってはいけない日」はないものの、仏滅・友引・年末年始は適さないと考える人も少なくありません。なぜそれらの日が避けられやすいのか、その理由を紐解きます。

仏滅の日

仏滅はお墓参りに適さないと考えられやすい日ですが、そんなことはありません。仏滅を含む六曜(ろくよう)は暦注の一つです。
<六曜>
  • 先勝(せんしょう・せんかち)
  • 友引(ともびき)
  • 先負(せんぷ・せんぶ・せんまけ)
  • 仏滅(ぶつめつ)
  • 大安(たいあん)
  • 赤口(しゃっこう・しゃっく)
このうち、仏滅は「もっとも縁起が悪い」と言われている日です。しかし、六曜と仏教(宗教)は関係がないため、仏滅にお墓参りをしても問題ないと考えられます。

友引の日

仏滅と同じ理由で、友引の日もお墓参りをして構いません。ただ、友引は「友を引く」(死へ誘う)と書くことから縁起が悪いと言われる日ではあります。実際に、友引の日は葬儀を避けることが多く、火葬場の多くはこの日を休みにしています。
先ほど紹介した「六曜と宗教は無関係」という考え方から言えば、友引もお墓参りをして良い日ですが、自分や一緒に行く人が気になるようであれば日を改めても良いかもしれません。

年末年始

仏滅や友引と同じように縁起を気にして、年末年始も「お墓参りに行ってはいけない日」と考える人もいるようです。なかでも、「二(2)重に苦(9)しむ」と読める29日は縁起が悪いとされ、特に12月29日は避けた方が良いと考えられています。しかし、あくまでも迷信なので、年末年始にお墓参りをしても問題ありません。

お墓参りに行く人が多い日・時期

お墓参りに行く日として選ばれやすいのは、お盆・お彼岸・年末年始・命日・人生の節目です。なぜこれらの日・時期が選ばれるのか、その理由を紹介します。

お盆

お盆とは、故人やご先祖様があの世からこの世に戻ってくる期間のこと。帰ってきたご先祖様の供養をして過ごす期間でもあるため、お墓参りをする習慣が強く根付いています。
お盆の時期は地域によって異なりますが、全国的には8月13日から16日にかけての4日間です。可能であればお盆前にお墓の掃除をしておきたいところですが、難しい場合はお墓参りの当日におこないます。

お彼岸

「彼岸参り」という言葉があるように、お彼岸はお墓参りにふさわしい日です。1年のうち、お彼岸は春彼岸と秋彼岸の2回で、春分の日と秋分の日の前後7日間が該当します。一般的には、春分の日か秋分の日の当日にお墓参りをしますが、もちろん別日でも構いません。春彼岸にはぼた餅を、秋彼岸にはおはぎを供える習慣があります。
お彼岸のお墓参りに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

年末年始

縁起を気にして避ける人がいる一方で、年末年始は家族が集まりやすい時期のため、お墓参りに行く人が多いタイミングでもあります。年末は1年を無事に過ごせたことの報告・お礼を、年始は新年の挨拶をご先祖様に伝えます。
ただ、年末年始のお墓参りを縁起が悪いと考える人もいるようです。このタイミングでのお墓参りを考えた際は、一緒に行く人に念のため確認しておくと無用なトラブルを避けられます。

命日

故人がこの世を去ってしまった命日も、お墓参りに行くタイミングとして選ばれやすい日です。なお、命日には“月命日”と“祥月(しょうつき)命日”があり、該当する日は異なります。
<月命日>
  • 毎月やってくる、故人の亡くなった日
  • 例:命日が5月10日の場合は、毎月10日が月命日
<祥月命日>
  • 1年に1回の、故人が亡くなった月日
  • 例:命日が5月10日の場合は、毎年5月10日が祥月命日
月命日の度にお墓参りをするのが難しい場合は、仏壇に手を合わせてはいかがでしょうか。

人生の節目

引っ越しや転職、子どもの結婚、孫の誕生など、人生における節目にお墓参りをし、故人に報告をする人も多く見受けられます。そのほか、故人との結婚記念日といった大切な日もお墓参りにふさわしい日です。心の中で故人に話しかけると心がやすらぎ、前向きな気持ちになれるかもしれません。

行く前に知っておきたい、お墓参りのマナー

お墓参りでは、お参りの順番や注意すべき点など、複数のマナーがあります。今回は事前に知っておきたい3つのマナーを紹介します。

お墓参りは掃除から始める

お墓参りには基本の流れがあります。
①住職や管理者に挨拶をする
お墓が寺院にある場合は本堂(または寺務所)で住職に、霊園の場合は管理者に挨拶をしてからお参りするのが理想です。
②お墓周辺の掃除をする
お墓の前に着いたら合掌し、掃除を始めます。雑草の除去や墓石の掃除などをして、きれいになったら柄杓(ひしゃく)で墓石に水をかけて清めます。
③お供えもの・お線香をあげる
お墓周辺の掃除が終わったら、お花や食べ物を供えます。墓石が汚れないよう、食べ物は半紙やハンカチなどの上に置いてから供えてください。お線香は束のまま火をつけ、ほかの人へ配ります。行き渡ったら故人との縁が深い順にお線香をあげ、静かに合掌を。故人へ気持ちを伝え終わったら片付けをして、お墓を後にします。
なお、これらは基本的な流れであり、あくまでも大切なのは故人を想う気持ちです。時間がない、急に行くことになったときは、手を合わせるだけでも十分です。

「してはいけないこと」を避ける

ジュースやお酒など、水以外のものを墓石にかけると変色やシミ、カビの発生につながるため注意が必要です。そのほか、お供え物の食べ物を残したまま帰ると、カラスやイノシシなどにお墓を荒らされる恐れがあるため、必ず持ち帰ります。

「ついで参り」は問題ない

ほかの用事とお墓参りを一緒に済ませることをついで参りと呼びます。また1日で知人や親戚のお墓を何件かお参りすることを、ついで参りと言うこともあります。どちらも個人の考え方による部分ではありますが、心を込めたお墓参りであれば「ついで参り」は問題ないと考えられます。
ただ、お墓参りは故人を偲ぶもののため、「ついで参り」は誠意に欠けると感じる人もいます。お墓参り以外の用事があるときや、ほかのお墓にも訪れるときには、気にする人には不用意に伝えない、一緒に行かない方が良さそうです。

「お墓参りに行ってはいけない日」は存在しない

仏滅や友引、年末年始など「お墓参りに行ってはいけないのでは?」と考えられる日はありますが、ルールではないので気にする必要はありません。大切なのは、故人を偲ぶ気持ちです。故人への想いさえあれば、手を合わせるだけでも十分な供養になります。故人に会いたくなったとき、何か報告したくなったときには、ぜひお墓参りをしてみてはいかがでしょうか。