【初めての座禅】やり方やマナー、実際に体験できる場所

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【初めての座禅】やり方やマナー、実際に体験できる場所
座禅とは姿勢を正して座り、精神統一することです。静かに集中しておこなうため、普段は気づきにくい内なる自分と向き合うことができます。本記事では座禅の歴史や魅力を始め、基本的なやり方とマナー、初心者でも実際に体験できる場所と方法を紹介。座禅の目安時間やお坊さんに肩を叩かれる理由、足が悪い人の座禅方法も紹介します。

静かにおこなう座禅の意味や魅力

座禅は日本だけでなくインドや中国など、仏教が盛んな国で取り入れられている修行方法の一つです。まずは、座禅の歴史や魅力から紹介していきます。

座禅は自分と向き合うためにおこなう

座禅とは心を無にしてひたすら座ること。もともとは禅宗の修行方法の一つで、自分と向き合うことを目的としています。座禅で大切なのは、調身(姿勢を調える)、調息(呼吸を調える)、調心(心を調える)の3つです。

座禅の歴史はお釈迦様の修行から始まった

座禅の歴史は古く、お釈迦さまの修行から始まったと伝えられています。仏教の開祖であるお釈迦さまが座禅をして悟りを開いたことから、仏教では座禅が大切にされてきました。
座禅が広まったのは、インドの達磨大師(だるまだいし)という僧侶が中国に渡り、禅宗を伝えたことがきっかけです。禅宗が広まった中国で、臨済宗(りんざいしゅう)・曹洞宗(そうとうしゅう)・黄檗宗(おうばくしゅう)という3つの宗派が誕生。
これらの宗派は後に日本にも伝わり、「日本三禅宗」と呼ばれる存在になりました。臨済宗、曹洞宗、黄檗宗では、現在でも座禅の修行をおこなっています。なお、日本でなじみ深い達磨の置物は、中国に禅宗を伝えた達磨大師が座禅をしている姿だそうです。

座禅の持つ魅力は精神面に働きかける

座禅の魅力は主に3つあります。
  1. 姿勢が正しくなる
  2. 座禅は姿勢を正した状態でおこなうので、良い姿勢に整えられます。
  3. 心が落ち着く
  4. リラックスすることで、終活や人生など、今の悩みや考えていることへの対処法が浮かび、自分を見つめ直せるかもしれません。
  5. 集中力が高まる
  6. 精神統一をするには集中力が必要です。座禅を続けていくことで、集中力が高まって心がぶれにくくなるでしょう。

【基本】座禅のやり方3ステップ

座禅で大切なのは姿勢と呼吸。この2つを押さえておけば、初めて座禅をするときも安心です。こちらでは座り方と姿勢、そして呼吸方法を紹介します。
なお、座禅は宗派によって座り方が違ったり、僧侶によって呼吸の数え方が違ったりします。ここでの紹介はあくまで座禅の一例ですので、作法はお好きな宗派や僧侶に習ってくださいね。

1.基本の座り方

まずは座布団をお尻の下に置き、次のうちどちらかの座り方をします。
  1. 半跏趺坐(はんかふざ)
  2. 左の足を右のももの上に乗せる、もしくは右の足を左のももの上に乗せます。宗派により違いがあるので座禅をするお寺で説明をうけて行うことをおすすめします。
  3. 結跏趺坐(けっかふざ)
  4. 右の足を左のももの上に深く乗せ、次に左の足を右のももの上に乗せる。
どちらの座り方も、座布団がお尻の中心に位置するように足を組み、両膝とお尻の三点で上体を支えます。両足を組む結跏趺坐が難しい人は、無理せずに片足だけを組む半跏趺坐にしてください。

2.手の組み方と姿勢

<手の組み方>
正しく座れたら右手を足の上に置き、その上に左手を乗せて両手の親指を合わせます。その他、右手を左手で包むように握るなど、手の組み方は複数あります。
<姿勢>
背骨を上に伸ばすようなイメージで姿勢を正します。耳と肩、鼻とおへそが垂直になっていればOKです。口は閉じ、舌は軽く上顎につけて、空気が口の中に満ちないようにします。その状態で顎を引き、視線を前方1メートル先に落としてください。このとき眼は見開かず細めず、自然に開くことを意識します。

3.呼吸

座禅の姿勢になったら、呼吸を整えていきます。まずは深呼吸を複数回して、心と身体のこわばりをほぐします。リラックスできたら、上体を左右へユラユラと揺らしてみてください。そして、振り子が止まるようなイメージをして、自然と中心で静止します。なお、座禅中は腹式呼吸が基本です。丁寧で、ゆっくりとした呼吸を心がけます。
また、座禅に集中するために“数息観(すそくかん)”を取り入れるのもおすすめです。数息観とは一呼吸を一つとし、息を出すときに「ひとつ、ふたつ、みっつ...」と心の中で静かに数え、十まで数えたらまたひとつに戻って始めること。このときのポイントは、ゆっくり遠くまで息を吐くことです。数息観を続けることで、雑念から離れられて座禅により集中できます。

初心者でも座禅が体験できる場所・方法

初めて座禅を組む場合は、寺院で体験をすると分かりやすいかもしれません。もちろん、自宅でおこなうことも可能ですので、自分に適した方法を選んでみてくださいね。ここでは、初心者でも座禅が体験できる場所と方法を紹介します。

座禅体験をおこなっている寺院など

座禅の体験ができる寺院は全国にあります。インターネットで「座禅 〇〇県」などと調べると、座禅体験ができる寺院が表示されますので、興味がある人は一度調べてみてはいかがでしょうか。
必要な持ち物は、参加する座禅会によって異なります。基本は座禅中の服やタオル、飲み物などですが、寺院によっては座布団を持参するよう指示があることも。その他、夏季は虫除けスプレー、冬季はひざ掛けなど、季節に応じたアイテムも用意しておくと安心です。また、座禅体験の内容によっては筆記用具が必要な場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
ちなみにファミーユの家族葬ホールでも、過去に座禅体験会や瞑想体験イベントを開催しました。ファミーユでは、各ホールで定期的にイベントや相談会などを開催していますので、ぜひお気軽にご参加ください。

自宅で参加できる「オンライン座禅会」

自宅で座禅をしてみたい人は、オンライン座禅会に参加する方法があります。臨済宗と曹洞宗がオンライン座禅会を開催していて、ZoomやYouTubeなどで手軽に視聴可能です。参加費用は無料で、YouTubeなら配信が終了した後も録画された動画を見直せます。自宅で座禅体験をしつつ僧侶の法話も聞けるため、座禅への入門として参加してみても良いかもしれません。

始める前に知っておきたい座禅のマナー

寺院の座禅体験でも自宅でも、座禅をおこなう際は服装などに関するマナーを守ることが大切です。ここでは、座禅を始める前に知っておきたいマナーを紹介します。

露出度の高い服装は適さない

座禅に適しているのは、体を締め付けないゆったりとした服装です。靴下は足首が締め付けられるので、座禅をする前に脱いでおきます。下半身の洋服は、足を組んでも困らない動きやすいパンツや、長めのスカートが理想です。
スカートで座禅体験に参加する場合は、ストールやひざ掛けなどで足元を隠すのがマナーとされます。ただし、座禅体験を開催している寺院は露出度の高い服装を禁止としていることが多いので、服装に関して心配な場合は参加する前に確認しておくと安心です。このとき、更衣室の有無も併せて確認しておくことをおすすめします。

装飾品は外し、スマートフォンの電源は切る

座禅中は、アクセサリーや時計を外します。スマートフォンは携帯しても問題ありません。しかし、着信音や振動音は周囲の人の迷惑になるため、座禅の前に電源をオフにするか、サイレントマナーモードに設定しておきます。

【Q&A】初めての座禅でよくある疑問

初めて座禅をしようと考えている人に多いのが、「足がしびれそう」「お坊さんに叩かれそう」「足が悪い人はどうすれば良いのか」といった疑問です。ここでは、座禅に関するよくある疑問を解決していきます。

座禅をする時間はどのくらい?

初めて座禅をするときの目安時間は5分程度です。5分やってみて余裕がある場合も、10~15分程度を1セットとします。それを何度か繰り返していき、座禅に慣れていきます。
座禅体験会の途中で辛くなったら、無理はせず僧侶に告げることが大切です。休憩や途中退場も可能なので、自分のペースでおこなってくださいね。

座禅中、お坊さんに叩かれる?

座禅と聞くと、棒で僧侶に肩を叩かれるイメージがあるかもしれません。しかし、初めて参加する座禅体験会で叩かれることはほぼないので、安心してください。
ちなみに、僧侶が肩を叩くことを“警策(きょうさく)”と呼びます。警策をされる主な場面は、座禅中に寝ている、姿勢が悪い、精神統一ができていない、などです。もし叩かれたい場合は、僧侶が近くを通るときに軽くお辞儀をすると気づいてもらえます。

足が悪い人はどうしたら良い?

足が悪い人は、座禅を無理にしてはいけません。座禅体験をしている寺院によってはイスを用意してくれますので、相談してみることをおすすめします。
自宅では、イスに座っておこなう“イス座禅”なる方法があります。使うイスは座面が少し硬めで、床とももが水平になるものが理想です。イス座禅をする際は、必要に応じて座布団やバスタオルを畳んだものを座面に置きます。次に、背もたれから離れて座り、姿勢を正して通常と同じやり方で座禅をおこないます。

座禅をして、自分と向き合う時間を作ってみては

内なる自分と向き合うことを目的としている、座禅。初心者でも参加できる座禅体験会やオンライン座禅会は多いので、気軽に挑戦できます。座禅を生活に取り入れて、自分と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。