忌引きメールの注意点。シーン別で例文を紹介

お葬式のマナー・基礎知識
忌引きメールの注意点。シーン別で例文を紹介
身内に不幸があったときには職場や学校に忌引きの連絡をして、お休みをもらうことが一般的です。状況によっては、忌引き連絡をメールですることもあるでしょう。ここでは、忌引きのメールをする際のマナーや例文、相手からお悔やみのメールが届いたときの返信例文を紹介します。

忌引きとは

忌引きとは、近親者が死亡して葬儀や喪に服すために学校や職場などを休むことです。ここでは、忌引きの意味を解説し、忌引き休暇の基準や取得できる日数の目安を説明します。

忌引きの意味

忌引きは家族や親族など近親者が亡くなり、喪に服して故人を悼むことをいいます。忌引きを「忌引き休暇」として捉える人もいますが、本来はお休みのことではなく、「喪に服す」という意味です。

一般的な忌引きの日数

忌引き休暇の日数は、亡くなった人とどのような関係かにより決まります。配偶者が亡くなったときは10日間、両親なら7~10日間、子どもなら5日間が目安です。兄弟や祖父母は3日間、配偶者の兄弟や祖父母は1日の場合が多いようです。ただし、兄弟や祖父母が亡くなった場合でも、自分が喪主になるときは申請により日数が伸びるケースもあります。

忌引き休暇の基準

労働基準法には忌引き休暇の規定はありません。多くの企業は、忌引き休暇(慶弔休暇)制度を設定していますが、会社や団体など組織によって忌引き休暇の扱いが変わります。詳細は、勤務先の就業規則による休暇規定を確認します。

一般的に忌引き休暇の扱いは、大きく3つです。1つめは、忌引き休暇は出勤日数にカウントするが無給のケースです。2つめは、忌引き休暇は出勤日数にカウントし、給料も支給されます。3つめは、忌引き休暇制度がなくて有給休暇で対応するケースです。

公務員は所属している自治体により規定が異なります。

忌引き連絡のメール例文

週末に近親者が亡くなった場合など、メールでの忌引き連絡をするときはどのような文面で送ればいいのか悩むこともあるかもしれません。忌引き休暇の申請メールは、用件のみを簡潔にまとめて送信します。必要な内容は「休む期間」、「故人の続柄」、「亡くなった日時」、「葬儀の日時や会場・葬儀形式」、「緊急連絡先」です。ここでは、忌引きメールの例文を送信相手別に紹介します。

職場への連絡

職場に忌引きメールをするときは、直属の上司に送ります。忌引き連絡は口頭で伝えるのが本来のマナーですが、忙しい時間帯や会議中、深夜や早朝などであればメールで伝えたほうがスムーズです。

仕事の引継ぎなど緊急性のあるものは、メールとは別に上司や同僚に電話して伝えるようにします。
件名:忌引き申請をいたします。
本文:○○部長
お世話になっております。○○です。
お忙しいところ失礼いたします。
×月×日に父が他界しました。
急な申し出で申し訳ありませんが、×月×日から×日まで葬儀のために忌引き休暇を申請させていただきます。

葬儀・告別式につきましては詳細が決まり次第、改めてご連絡いたします。
休暇中なにかあれば、以下の番号までご連絡ください。
×××-××××-××××
よろしくお願い申し上げます。

仕事の取引先への連絡

忌引き休暇中に取引先と仕事の予定があれば、相手に連絡します。メールの内容は、予定変更に対するおわびの気持ちを伝えることがメインです。故人の死因や葬儀の詳細は、特に書かなくてもかまいません。あくまでも、おわびと重要事項の説明を中心に簡潔な文章にします。
件名:会議日程変更のお願い
本文:●●株式会社 ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社●● ○○です。

×月×日の会議の件でお願いがあり、ご連絡しました。
私事で大変恐縮ではございますが、昨日父が他界したため日程を変更していただけないでしょうか。

急な申し出となりご迷惑をおかけいたします。
私が不在の間、何かありましたら弊社●●課○○までご連絡をいただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。

学校(大学)への連絡

大学生の場合、一般的な講義は大学の事務局に連絡します。ゼミであれば、教授(または担当教官)に連絡します。休みに関して担当の教授から指示があれば、それに従ってください。忌引きメールをするときは、学籍番号や学部、学科名を必ず記入します。以下は、学校の事務局へ忌引きメールをするときの例文です。
件名:●●学部●●学科 学籍番号×× 氏名○○  忌引きによる講義欠席申請
本文:
●●学部●●学科×年 学籍番号 ××の○○です。
昨日祖父が亡くなりました。葬儀のため×月×日の×限目「●●」の講義を欠席させていただきたいと思い連絡しました。
急な訃報のためメールでのご連絡で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

お悔やみメールへの返信メールの例文

忌引きメールを送った後に、先方からお悔やみのメールが届くことがあります。メールが届いたら、先方の心遣いに感謝して失礼のないよう返信します。お悔やみメールへの返信は、「基本的にメールの件名は変えない」、「忌み言葉は使わない」などに気をつけてください。

職場の上司への返信

職場の上司から忌引きメールの返信が届いたら、用事が済み次第、できるだけ早く返信します。返信をもらう必要がない、または、自分が喪主などで返信がしにくい状況であれば、メールの最後に「返信は不要です」と入れておきます。例文は、以下の通りです。
件名:Re:心よりお悔やみ申し上げます
本文:○○課長
ご丁寧なお悔やみをありがとうございます。
故人に代わり厚く御礼申し上げます。
本来ならば直接御礼を申し上げるべきところですが
略儀ながらメールにて失礼いたします。
忙しいことと存じますので、本メールへの返信はご無用です。

友人への返信

友人からのメールに返信をする場合、親しい間柄であっても絵文字やスタンプなどは不謹慎なので使わないようにします。相手から聞かれない限り、具体的な死因や故人の様子などは詳しく説明する必要はありません。
件名:Re:お悔やみ申し上げます
本文:○○さん
あたたかいお言葉をありがとうございます。
亡き母になり代わってお礼を申し上げます。
生前にはお見舞いもいただきありがとうございました。
直接会ってお礼を言うべきところですがメールにて失礼いたします。

忌引き休暇取得後の対応

忌引き休暇中は、少なからず職場の人に世話になっています。忌引き休暇が終わって出勤した際には、職場の人へお礼を伝えるのがマナーです。忌引き明けには、どのようにお礼の気持ちを伝えればよいのでしょうか。

直接お礼の挨拶をする

忌引き連絡は状況に応じてメールでも構わないとされていますが、忌引き明けのお礼の挨拶はメールだけでは失礼に当たります。相手が出張や休暇などでしばらく出社しないなどの事情がない限り、上司や仕事の手助けをしてくれた同僚のもとに直接訪れて、挨拶するようにします。

菓子折りがあると好印象

忌引き明けにお礼の挨拶に行くときは、菓子折りを持参します。菓子折りを持っていくときには、皆で分けられる個別包装タイプを用意するのがベターです。消費期限や賞味期限に注意して、できるだけ日持ちするものを選んでください。

直接会えない人には手紙または会葬礼状を送る

忌引き明けの挨拶は、基本的に直接口頭で述べるのがマナーです。しかし遠方の人や長期出張中の人など直接お礼を伝えるのが難しい場合は、手紙や会葬礼状で早急にお礼を伝えてください。会葬礼状を送る際は、拝啓や敬具を入れること(またはどちらも入れない)、句読点を打たないこと、略儀であることを伝えることがポイントになります。

会社の人から香典をもらったときの対応

勤務先で香典をもらい受けたときは親族や友人からの香典とはお返しの仕方が異なります。会社や職場の人に対する、ビジネスでの香典返しを説明します。

香典をもらった相手によって香典返しなどの対応は変わる

会社から社内の慶弔規定により、香典をもらい受けた場合は返礼不要です。所属部署名義の場合は菓子折りなどを用意し、部署内で配ります。一人一人配りやすい個包装のお菓子などにして、どのタイミングで配るべきかは、上司と相談して決めてます。個人名義の香典でしたら、ほかの弔問客や参列者と同じように香典の半額相当の品物を香典返しとして渡します。

忌引きメールは迅速に

忌引き休暇を申請する際は、必要な情報を簡潔に勤務先に伝えます。時間が経つほどすることが増えて慌ただしくなります。できるだけ早く忌引きの連絡してスムーズに休暇を取得しましょう。