「母・細木数子の“最大の財産”」占術家 細木かおりさん【インタビュー前編】~日々摘花 第41回~

コラム
「母・細木数子の“最大の財産”」占術家 細木かおりさん【インタビュー前編】~日々摘花 第41回~
「六星占術」を世に広めた故・細木数子さんから薫陶を得て、継承者として活動している細木かおりさん。かおりさんは数子さんの養女で、血縁上は姪に当たります。前編では素顔の数子さんとの思い出と、数子さんが一生をかけて築いた「六星占術」をかおりさんが受け継ぐまでの経緯をうかがいました。
人は必ず、大切な人との別れを経験します。その深い悲しみと、そこから生まれる優しさを胸に、“今日という日の花を摘む”ように、毎日を大切に生きてゆく……。「日々摘花(ひびてきか)」は、そんな自らの体験を、様々な分野の第一線で活躍する方々に共有していただく特別インタビュー企画です。

「地獄に落ちるわよ」。母の厳しい言葉の裏側

−−かおりさんは数子さんの実の妹さんの長女として生まれ、幼少期は一緒に暮らしていたそうですね。

細木さん:シングルマザーとして働きながら私と年子の妹を育てていた実母を心配し、母(細木数子さん)が「一緒に暮らさない?」と提案したと聞いています。まだ赤ちゃんだった妹を実母が、長女の私は母がお世話をするという役割分担に自然となり、夜通しおむつかぶれのケアをしてくれたり、熱を出した時に看病してくれたりしたのも母でした。
−−かおりさんにとって数子さんはどのような存在でしたか?

細木さん:私が生まれた時に母は40歳で、実母は38歳。ふたりとも年齢的にはほとんど変わらなかったのですが、私にとって母はおばあちゃんのような存在で、ずっと“ばあば”と呼んでいました。

実母がいなくても泣かないのに“ばあば”の姿が見えなくなると大泣きしてしまうほどの「ばあばっ子」でしたから、“ばあば”も親心を抱いたんでしょうね。私が3歳の時に、実母に「かおりを養女にしたい」と相談したと聞いています。「娘が姉の子になってしまう」と慌てた実母が私たちを連れて“ばあば”の家を飛び出し、別々に暮らすようになりましたが、その後も私はしょっちゅう“ばあば”の家に遊びに行っていました。
細木かおりさんと細木数子さん
−−数子さんはかおりさんが小学生のころから20年ほどテレビに数多く出演し、「地獄に落ちるわよ!」「ズバリ言うわよ」といった辛口の決めゼリフで注目されました。厳しい方というイメージもあります。

細木さん:家でも礼儀作法にはとても厳しかったです。あいさつ、食事などのマナー、身の回りを整えるといった基本的なことができないと、幼いころから容赦なく叱られました。だから、いとこたちは母を怖がっていたのですが、同じように叱られても、私は「怖い」とは思いませんでした。

−−なぜ怖くなかったのでしょうか。

細木さん:私や妹といとこたちの間に20歳ほど年齢差があり、いとこたちにとって母が“伯母さん”だったのに対し、私にとっては“ばあば”だったことが影響していたのかもしれません。お母さんやおばあちゃんに叱られても平気だけど、“伯母さん”から叱られると怖かったりしますよね。

そして、母の厳しさに愛情があることを子どもながらにわかっていたからだと思います。私が高校生になったころのこと。ミニスカートを履いていたら、母に「あんたが痴漢にあっても、私は助けに行かない。自分から『触ってください』と言っているような格好をしているんだからね」と一喝されました。

当時は反発を感じましたし、ツッコミどころ満載のセリフではあります。でも、今思えば、母はあのころ分刻みの仕事をしていたにもかかわらず、私に何かあったら助けに来るつもりだったんですよね。そう考えると、あの時の母の怒った顔が優しく、愛しく感じられます。

テレビでは演出上強いキャラクターが求められ、インパクトのある言葉ばかりがひとり歩きしがちでしたが、素顔の「細木数子」は、お世話好きな“ばあば”。出演した番組が放送されると、「今日の番組、どうだった? ちょっと言い過ぎだったかしら」とよく電話がかかってきました。正直な印象を答えると、相手を気遣って「可哀想だったわね」と落ち込んだりもしていましたね。

ただ、耳障りのいい言葉だけでは、相手に大切なことが伝わりにくいものです。その人の幸せを願うからこそ、厳しいことを言う。厳しさは母の愛情でした。

中学2年生の私にお見合いをセッティング

−−かおりさんは数子さんの勧めで中学2年生の時に初めてお見合いをし、中学3年生の時に出会ったお相手と19歳で結婚されたとか。

細木さん:中学生でお見合いなんて、びっくりですよね(笑)。子どものころから母に「早く結婚しなさい。早く子どもを産みなさい」と言い聞かされていたものの、中学2年生で倍以上年の離れた相手とお見合いの席を設けられ、いきなり「こういう人と結婚しなさい」と紹介された日にはさすがに驚きました。

もちろん、断りましたよ。でも、母は「これぞ」という人を見つけては、継続的にお見合いの場を設けました。そのうちのひとりが今の夫です。最初に会った時、彼は大学生で私は中学3年生。いい人だなとは思ったものの、母への反抗心もあって断ったのですが、なんと母はそれから4年間、毎年彼を勧めてきました。

最終的に結婚したのは、「母がそれだけ勧める相手なら」という思いもありましたが、彼は当時の私から見れば大人。家族思いで優しく頼もしい人だと思ったからです。そして何より私も家族をとても大切に思っていますから、彼となら長い人生を一緒に歩んでいけるかもと考えたんです。
−−数子さんは自身が編み出した「六星占術」を世に広め、確固たるキャリアを築いた方です。かおりさんに早い結婚や出産を勧めたのは意外な気もするのですが、なぜだったのでしょうか。

細木さん:母には実子がいません。だからこそ、子を持つことの幸せや、家族の大切さを人一倍感じていたのでしょう。「子孫繁栄は大切なこと。子どものない人は別の形で世の中に貢献し、子どもに恵まれた人は我が子を大切に育てる。それこそが世の中を明るくする」というのが母の考え。「家族こそが最大の財産」とよく言っていました。

第三者入室厳禁の鑑定室に足を踏み入れて

−−数子さんは2018年に80歳で引退し、かおりさんが「六星占術」を本格的に引き継ぎました。継承の話があったのはいつごろだったのですか。

細木さん:以前からほのめかされていましたが、はっきりと「継承者になってほしい」と言われたのは2008年です。当時私は30歳。母は70歳で、テレビなどの表舞台からは退いていましたが、個人鑑定や勉強会は続けており、相変わらず忙しく過ごしていました。

母が「六星占術」を大切にし、占術を生かしてみんなを幸せにしたいという強い思いを持っていることはよくわかっていました。でも、私には子どもが3人いて、当時、末っ子の次女は小学校低学年。子育てが忙しかったし、幼いころから占術は身近で基礎知識はありましたが、自分が全てを担っていく自信はありませんでした。

第一、「細木数子」の跡を継ぐなんて荷が重過ぎます(笑)。母はテレビでの過激な発言から誤解も受けやすく、週刊誌に根も葉もないことを書かれたり、時には誹謗中傷の矛先が家族の私たちにまで向くこともありました。世間に名を知られれば、それだけリスクも高くなります。私が何か言われるだけならまだしも、家族を傷つけるわけにはいかないと考えて、この時は母の打診をきっぱり断ったんです。
−−お考えが変わったのは、なぜだったのでしょうか。

細木さん:次女が中学校に上がるころ、今度は「マネージャーとして仕事を手伝ってくれない?」と頼まれ、引き受けたのがきっかけです。最初は勉強会の準備や衣装の管理などをしていたのですが、1年経ったころに「鑑定に立ち会ってちょうだい」と言われ、それまで母が決して第三者を入れなかった鑑定室に足を踏み入れるようになり、相談者の方々に真剣に向き合う母の姿を目の当たりにして心を動かされました。

鑑定室に入ってきた時は暗い顔をしていた方が、母のアドバイスを聞くうちに晴れ晴れした表情になっていくんです。その様子を見続けるうちに、「私が母の跡を継がなければ、母が一生をかけて積み上げてきたものが途絶えてしまう。こんなにも誰かから信頼され、喜ばれているものを私の思いひとつで終わらせていいのか」と考えるようになり、母の願いに応えることを決意。2016年に養子縁組を結んで、正式な継承者になりました。

~EPISODE:追憶の旅路~

人生でもう一度訪れたい場所はありますか?
ハワイ・オアフ島です。ハワイは、15年ほど前に母と一度だけ訪れた思い出の地。当時の私は1男2女を育てる専業主婦で、海外に行くのは新婚旅行以来でした。母はテレビにたくさん出演して大忙しだった時期で、米国での撮影の帰りに合流。初めてのハワイを家族みんなで満喫しました。ホテルでは、母が梅干し入りのおにぎりを握ってくれるという不思議な光景が繰り広げられ、「どこに行っても変わらないね」と笑い合ったのを覚えています。

ハワイでの写真

ハワイでは母がリムジンをチャーターしてくれ、家族水入らずで観光を楽しみました。子どもたちは大好きな“ばあば”と過ごせて大はしゃぎでした。
ハワイオアフ島にて

プロフィール

占術家/細木かおり(ほそきかおり)さん

【誕生日】1978年12月11日
【経歴】一男二女の母であり、二人の孫を持つ。細木数子のマネージャー兼アシスタントを経て、六星占術の継承者に。母・数子の意志を継承し、さまざまな世代に六星占術をどのように活かせるかを伝えている。
【著書】『六星占術によるあなたの運命』、『母・細木数子から受け継いだ幸福論 あなたが幸せになれない理由』、『驚くほど人間関係が好転する! 六星占術』、『六星占術 12運の周期リズムにのって超開運 あなたの未来を示す羅針盤』。ほかに母・数子との共著で『新版 幸せになるための先祖の祀り方』、『六星占術によるあなたの宿命』がある。

・個人鑑定のお申し込み方法などは、公式ホームページ
・毎日の運気、各種お知らせは、公式LINEアカウント六星占術公式 @hosokikaori
・日々の活動はインスタグラム(kaori_hosoki_official)にて配信中
・六星占術の活用方法などをYouTube「細木かおりチャンネル」にて配信中 
・六星占術占いサイト 細木数子 細木かおり

Information

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『六星占術による土星人の運命〈2024(令和6)年版〉』著:細木かおり(講談社)
(取材・文/泉 彩子  写真/鈴木 慶子)