キリスト教葬に参列する際のマナーとタブー

世界の三大宗教といえば「キリスト教」「イスラム教」「仏教」です。なかでもキリスト教徒人口は、世界で最も多いですが、日本ではキリスト教徒の割合はわずか1%*ほど。しかし、今後さらに国際化が進み、キリスト教のお葬式に参列する機会もなきにしもあらずです。いざというときに慌てないよう、キリスト教葬の最低限のマナーは身につけておきましょう。
*宗教年鑑(平成27年度版)参照

キリスト教葬に参列する際の準備とは

ご葬儀に参列する際、気になるのは「服装」や「香典」、「焼香」といった葬儀マナーではないでしょうか。
まず服装ですが、仏式と同じ喪服でかまいません。ただし、数珠は仏教のお葬式のものですから使いません。次に、「香典」ですが、キリスト教には「お香をたく」文化はないので、「香典」ではなく「御花料」(カトリック・プロテスタント共通)と表書きします。「御ミサ料」はミサを行うカトリックだけで使われます。「御霊前」はプロテスタントではNGです。一般によく使われる蓮の絵のある香典袋は仏教用ですので、使わないように気をつけましょう。「御花料」の相場は、仏式と変わらず5千円~1万円程度、身内であれば2~5万円程度です。
弔電を送る場合の注意点は、キリスト教では死を不幸なこととは考えないので、お悔やみの言葉は控えます。たとえば、「ご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。○○様の天での平安をお祈りいたします」 といった言い回しがよいでしょう。

仏式との違いでキリスト教葬のマナーを知る

お悔やみを述べる際、つい口にしがちな「冥福」「供養」「成仏」といった言葉は、キリスト教徒の方々からすると少々違和感があるかもしれません。ご葬儀の当日、ご家族に声をかけるなら「安らかな眠りをお祈りいたします」「お知らせいただき、ありがとうございます」などと言いかえます。
式の進行も仏式とは異なる点があります。仏式のお葬式では、導師入場とともに式が始まり、着席して待ちます。一方、キリスト教式では、聖歌(カトリック)・オルガンの演奏(プロテスタント)を合図として、神父(カトリック)または牧師(プロテスタント)の入場とともに参列者は起立します。
また、仏式では読経に静かに耳を傾けるのがマナーですが、キリスト教式では聖歌や賛美歌にはなるべく参加するようにします。知らなくても、その場で歌詞が書かれた紙が配られることが多いのでご安心を。

ご葬儀で知るカトリックとプロテスタントの違い

仏式で行う焼香の代わりに、キリスト教式では一本の花を捧げる「献花」を行うことが多いです。これは日本独自の儀式で、教会や式場によってやり方が異なっています。捧げる花は白いカーネーションなど、茎が長くて白い生花が一般的です。
献花の手順は、次のようになっています。
1.祭壇前でご家族に一礼し、花が右にくるようにして生花を両手で受け取る
2.献花台前で遺影に一礼し、花が手前に来るように時計回りに回す
3.献花台に捧げ、一礼する
献花の際は必ずしも十字を切ったり、手を組んでお祈りしたりする必要はありません。信徒でなければ礼もしくは黙祷でよいでしょう。

予め基本的なマナーを知っておけば、急なご葬儀でも作法に気をとられることなく、お祈りに集中できます。宗教に関係なく、故人様やご家族の方々を尊重する気持ちを忘れないようにしたいものです。